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ドラえもん「のび太、ジャイアン、スネ夫の友情」 [感動]

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月日は流れ、大人の道を一歩、二歩、歩き出した。

お風呂とバイオリンの彼女も
とんがった金持ちの彼も
優等の彼も
暴力と友情の彼も

そして

劣等と優しさの彼も。

ジャイアン「おいのび太!売店行こうぜ!」

のび太「うん、ちょっと待って、今教科書しまうから」

スネ夫「早くしろよ!遅いなぁ」

小学生だった彼らは高校生になり
のび太、ジャイアン、スネ夫、静香は同じ大学
出木杉は進学校へ道を進めた

ジャイアン「てかのび太すげぇな!またテスト学年一位か!」

のび太「いや、そんなすごくないよ、、」

スネ夫「、、、、。」


スネ夫「またドラえもんに道具でも貸してもらったんだろ?」

のび太「ううん、中学に入ってから何もしてもらってないよ」

スネ夫「、、、嘘つくなよ、お前が一位なんて何回も、、、」

ジャイアン「スネ夫もういいだろ、お前も知ってるだろのび太の事」

見下していたはずの劣等は、いつしか見上げるほど大きな存在になっていた。
卑下していた、だけど、対等にも思っていた
でも、どこかで「自分より下」という気持ちを持っていたのは否めない。


スネ夫「ふん、知らないやい」

知っている、のび太が何をしてきたかを
知っている、のび太がどんな奴かを

スネ夫「先、、、、、席取ってるよ、、、」

でもだからこそ、
だからこそ、悔しいのだ

ジャイアン「、、、まぁ、お前なら大丈夫だと思うけど、悪気はないんだ」

のび太「分かってる、スネ夫のことも、何を言っているのかも」

劣等生だったからこそ知っている。
疑心暗鬼、猜疑心、疑わずにはいられない才能、努力の結晶

ジャイアン「、、2位って、、、十分すげぇのにな、、、ったくあいつは」

彼らが中学生だった頃
彼らはいつも通りの関係だった。

劣等性のドジ
金持ちの自慢
暴力の王政、だけど温かい友情

確かに誰が見てもいじめっ子といじめられっ子

でも三人は分かっていた。
どんな形でも、欠けちゃいけない大切な友達

そして、ある日そんないつもの三人を変える事件が起きた。

、、、、それは一つの道具が発端だった。


「暗記パン」


ーーーーーーーーーーー

ある日のテスト
ありふれた嫌な学校行事、期末テストだ

でも、三人にとっては今までの人生で一番といっていいほど大切な時だった

「一番成績の良かった人が、静香ちゃんに告白できる」

暗黙の了解というべきなのか
誰からいうわけでもなく決まった三人のお姫様。

未来でのび太の嫁と決まっていようが関係はなかった
未来は変わる。いや、変えられる、ただそれだけだった。

子供とはいえ思春期の男三人、恋心を友情に隠しておくことは限界だった

そして、話し合いの結果、期末テストの合計点数が一番高い人が静香ちゃんに告白できる権利を得るという

答えになった。

馬鹿げているだろう。全員が告白すればいい話だ。
でも優しい静香ちゃんなら自分たちの友情、いつも一緒にいる4人の中の一人に絞れないとなり、全員を振

る可能性がある

そうなれば告白どころの騒ぎではない。


そうして決まったのが今回のルールだ。

当日、寝不足の三人がいた。
明け方まで勉強していたのだろうか、それとも緊張で寝れなかったのだろうか

試験は始まり、試験科目の5科目の内4科目が終わった。

のび太「すっごい調子がいいよ!これなら負けないかもしれない!」

ジャイアン「おー?w、のび太のくせに生意気言うな!w俺なんか教科書とノートの内容大体暗記してある

ぞ!」

スネ夫「ジャイアンノートなんて取ってないじゃないか」

のび太「教科書も落書きだらけだし」

ジャイアン「なんだと!それでもテストは良好だったからいいんだ!」

スネ夫「僕もかなりできたかなぁ、あ、次のテスト始まる前にトイレいってくる」


ジャイアン「おう!」



のび太「あ、僕もトイレ行ってこようかな」

ジャイアン「おう!テスト遅れんなよ!これは男の勝負だからな!」

のび太「うん!」

ーーーーー

、、、、、っぐ。

のび太「ん?個室からなんか声が聞こえるスネ夫かな」

はぁ、、はぁ、、

のび太「どうかしたのー?」

のび太か、、、別になんでも、、、おえぇ!、、、、

のび太「スネ夫!?どうしたの!大丈夫!!」

個室のドア下からスネ夫が嘔吐してしまったであろう汚物が流れてきた
そこには形状を失った、のび太が知っているものが混ざっていた


のび太「、、、あ、暗記、、パン、、?」

応答はない、でも形状が変わっていても、バラバラになっていてもこの文字が書かれているパンの破片は暗記パン



のび太「スネ夫、、、、これって、、」

静かにドアは開き、そこにはうなだれ青い顔をしているスネ夫がいた

スネ夫「ぜぇ、、、はぁ、、、、なんだよ、、、」

のび太「、、、、。」

のび太は何も言わずにトイレを後にした。



スネ夫がトイレから教室に戻るとのび太はジャイアンと話していた。
まずはじめに脳裏をよぎった言葉は

「言い訳は、どうすればいいだろうか」


自分は悪くないように、恥をかかないように
のび太のせいに、、、、いや当事者だ
じゃあ暗記パンのまねをしただけだと、、、、無理がある

ジャイアン「スネ夫、戻ってきたか」

スネ夫「あ、いや、えっとあれは」

何も出てこない、まずい

のび太「スネ夫こっちきてよ」

スネ夫「違う、いや、そうじゃなくて」

友情どころか、それこそ、何もかも消えてしまう


のび太「さっき出たこの問題がどうしても解けなくてさ、スネ夫わかる?」

、、、、、え?



のび太「この数式なんだけど、公式じゃあ当てはまらなくてさっ、お手上げなんだ」

ジャイアン「俺もダメだったんだ、スネ夫ならわかるんじゃないかと思ってさ」


ジャイアンは分かっているそぶりはない、まぁ、わかっていたらもう殺されているか
のび太
は、、、何のつもりだ?
貸しでも作って告白の権利を得ようとしてるのか?

ジャイアン「スネ夫?どうしたんだ?」

スネ夫「いや、なんでもない、、、、これは、これをこうして、これがこうで、、、、」

逆恨みでも怖かったのか?まぁ、好都合だ



そしてテストは終わり
総合得点でスネ夫、のび太、ジャイアンの順になった。

ジャイアン「あー、悔しいけど、こうなったら仕方ない、告白、上手くいくといいな」

のび太「頑張ってね!」

どんな心情でも、2人に後を押され呼び出しておいた校舎裏へ向かう。


結果は、、、、、だめだった。

好きな人がいるそうだ

そうして二位ののび太にチャンスが回ってきた。

ーーーーーーーーーーー

のび太「静香ちゃん!」

最初の「し」が裏返っているが、落ち着く声が耳に響く

静香「どうしたの?、のび太さん」

分かっている、校舎裏に呼ばれて言われる言葉なんて
2週間前はスネ夫さんだったけど、きっとそういったなんらかしらのルールだったのもわかる

のび太「あの、僕は、し、静香ちゃんがっ、、、!」

小学生の時から変わらない、下心見え見えの顔も
本気で思っていることも、どれだけ頑張り屋さんなのかも

一生懸命な優しい一途、そんな意味も知っている、彼の眼も

のび太「しゅきです!僕と付き合ってください!あ、待って!もう一回!」

大切なところで間違えちゃうおっちょこちょいなところも

それでも、伝わってしまう想いも


静香「私も好きよ、のび太さん」


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のび太と静香が付き合って

三人の関係は崩れた。

ジャイアンは「ちくしょう!でも心の友よ!お前なら静香ちゃんを幸せにできるはずだ!頑張れよ!」

スネ夫は「、、、ウソだろ、、、どうせドラえもんに道具でも貸してもらったんだ、、」

つるみ、遊び、喧嘩もするが
何か、溝があるのは三人とも感じていた

そして、崩れた中で成長した劣等生は
静香の隣にいるにふさわしくありたいと願った。

その日からの彼は凄まじかった。

遅刻がなくなり、授業態度がまじめになり、運動音痴を克服するためにランニングをするようになり
身だしなみにも気を遣い、身長も伸び

もともと得意だった射撃を活かし、弓道部ではエースになった

そんな別人のようなのび太を慕う女子も増え、告白されること数十回

しかし、静香から心動くこと0回

劣等生はメガネのよく似合う優等生になっていた。


ーーーーーーーーー

ジャイアン「やっと授業終わったなー、久しぶりにゲーセンでも寄って帰るか!」

のび太「あ、僕は図書館で調べものしたいから、今日はいいよ」

スネ夫「優等生は大変だねぇー」

抜けないわだかまり、それでも追い付くほど何かしたいとも思わない

ジャイアン「そうか、じゃあまた今度行こう!」

のび太「うん、またね」


のび太「今日は政治の何をやろうかなぁ」

不良1「おっとそこのお兄さん」

のび太「ん?どうしたの?」

不良2「今さぁ、お金落としちゃってさぁ、」

不良3「ちょっとでいいから貸してくんない?てかくれない?」

不良1、2、3「ぎゃははははwwww」

のび太「あー、ごめんね、僕もそんなにお金ないんだ」

不良1「そんなにってことはあるんだろ?」

不良3「そのちょっとでいいからさー、ね?w」


のび太「君たちさ、こういう事はやめた方がいいよ?」

不良2「は?」

のび太「今自分たちがなにを、、、」

不良1「うるせぇ!」ドカッ

のび太「うぐっ」

不良2「いいから金だせや!」バキッ

のび太「ぐはっ」ズシャァー

不良3「殴られるか、お金を渡すか、どっちがいい?」

のび太「もう殴ってるじゃうぐっ」バキッ

不良2「聞こえなーいwww」


ジャイアン「ん?なにか音しなかったか?」

スネ夫「え?僕は何も聞こえないけど、、、」

ジャイアン「いや、確かに聞こえた、あっちはのび太の行ったほうか!」ダッ

スネ夫「あ、ジャイアン待って!」



不良1「ったくよ、なんだこいつ、反撃も何もしないのかよ」

のび太「、、、」

不良2「まぁいいじゃん、そろそろ財布出せよ」

のび太「、、、」

不良3「あ、なんだその眼はよぉ!!」

ジャイアン「おい!てめぇらなにやってんだ!!!」

不良2「なんだお前?」



スネ夫「ねぇ、ジャイアンやばいよ」

ジャイアン「何言ってんだお前!のび太がやられてんだぞ!」

スネ夫「別にいいじゃんかよ、どうせドラえもんに頼んで仕返し、、」

ジャイアン「いい加減にしろスネ夫!」

スネ夫「っ!!」

ジャイアン「お前だってわかってるだろ!あいつを!のび太が何をやってきたかを!!」

ジャイアン「確かにあいつはのろまだしとろい!でも、俺はあいつほど頑張ったやつを見たことが無い!」

スネ夫「でも!」

ジャイアン「スネ夫お前はいつもそうだ、何かやばいこと危険なことがあるとすぐに安全なところに逃げる」


ジャイアン「それで、どうだ?」

ジャイアン「静香ちゃんは手に入ったか?」

スネ夫「、、、、、。」

ジャイアン「お前の気持ちもわかる、俺も最初あいつの変化が悔しくて仕方なかった」

ジャイアン「静香ちゃんだって、な」

卑下と劣等、格下の存在はいつしか、憧れに変わっていった

ジャイアン「お前だってわかんてんだろ、あいつの優しさを」

ジャイアン「だから、俺は高校に入るまで暗記パンの事を知らなかったんだ」


スネ夫「っ!!」

やはり、しゃべったのかあいつは、

ジャイアン「ちなみにのび太が言ってきたわけじゃないぞ?」

え?

ジャイアン「高校に入るときにのび太とお前の関係があまりにもギクシャクしてるからドラえもんに聞いたんだ」

、、、、。

ジャイアン「ドラえもんは教えてくれた、暗記パンのこと、お前が頼み込んでそれをもらったこと、のび太がそれを知り、でも誰にも言わないで隠していたこと」

ジャイアン「俺にも優しさなんてわからない、でも上っ面しか持ってないやつに、静香ちゃんがついて行くと思うか?」


ジャイアン「まぁ、後はお前が決めろ」

ジャイアン「またせたなこの糞野郎ども!!」

ウワー、ナンダコイツ!ツヨイ!ニガスカオラー!

スネ夫「、、、、」

認めたくなかった。
ぼくだってドラえもんに聞いている

ドラえもん「のび太君に聞いたんだ、どうして暗記パンの事を言わないの?って」

ドラえもん「そうしたら「僕は、暗記パンなんて見てないよ、勉強頑張って同じ好きな人を追いかける友達しか見てないよ」って」



友達、か。

スネ夫「、、、、、ばーか」

駆け出してとび蹴りをかますとんがり頭


スネ夫「僕の友達を殴ったのはお前か!」

ジャイアン「スネ夫!」

スネ夫「のび太、、、その、、、ごめん」

のび太「、、、ううん、、、だって、友達じゃないか」

ジャイアン「仲直りはいいけど、今はここうわっ」ドカッ

のび太「!!」

不良1「いてぇ、よくもやりやがったな!このゴリラ!」

のび太「、、、、おい」

不良1「この野郎、ぶち殺して、、、」

のび太「おい、」

不良1「な、なんだよ」

さっきまで殴られていた弱っちいやつはどこにいったのか
ゆらりと揺れてメガネが光る彼は、恐怖では言葉では表せないものを持っていた

のび太「僕の友達に、今何をした?」

自分の事では何をされても怒らない彼だが
友達や大切な人の事では人が変わる

優しい彼は、鬼の彼にもなれた。


ーーーーーーー

ジャイアン「いやぁ、最後は助かったぜのび太!」

のび太「いや、僕のせいで怪我させてごめん、、、」

ジャイアン「気にすんなって!大丈夫だから!友達じゃねぇか!」

スネ夫「、、、、。」

のび太「スネ夫」

スネ夫「!!、、、、」



のび太「ありがとう」



夕日に影を作る三人は
形、心、すべてがさまざまで
凸凹な、交わることのないような形だけど

劣等は優しさを持っていた
暴力は友情を持っていた
プライドはそれよりも忘れてはいけないことを覚えていた




終わり

のび太2.jpg


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ドラえもん「のび太の心の強さ」 [感動]

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未来を変える為に来てくれた猫型ロボット

金持ちの道楽息子

音痴と暴力の申し子

美肌風呂の女の子

天才のできすぎた子

そして

なんにもない、ただの僕。

いつも夢見ていた

急に魔法が使える世界
急に頭がよくなる薬
強盗が来て好きな子を守って退治

そんな都合のいい夢物語

中学の頃に、僕はスネ夫とジャイアンとテストで勝負した

誰のものでもないけど
静香ちゃんを賭けて

僕達は、小学校の頃からの暗黙の了解を破った

「総合点数の高い人が、静香ちゃんに告白できる権利を得る」

そんなどうしようもない
その時の僕には絶望なんてものじゃなかった


どうやったら毎回0点をとれるのか?
先生にそう聞かれたことがあったっけ

そんな僕が、テストの点数で勝負するなんて
あー、やっちゃったなぁ

ドラえもんに頼もうかな、、、。


のび太「ドラえもーん!!」

ドラえもん「どうしたののび太君?」

のび太「実はね、、、」

僕はその時思った

これでいいのか?って


いつも甘え
いつも頼り
いつもそれに乗じて

それで結果を得る
僕は、それで静香ちゃんに、告白して

それで、結婚できるのか?

どうする?
どうすればいい?


ドラえもん「のび太君?」

のび太「あ、、、ど、ドラえもん、、」

僕は、何もとりえのない、ただの僕だ

ドラえもん「、、、、、。」

僕は、また、ここで甘えるのか?

のび太「僕は、、」

ドラえもん「、、、、、。」

まるで、全てを知っているかのように、ドラえもんは僕の手に触れた

ドラえもん「のび太君ならできるよ」

そう、僕に言った



そうか、ドラえもんは待っていたんだ

この時を、この瞬間を

未来を知っているからじゃない
未来から来たからじゃない

僕を、ずっと

信じてくれてたんだ



僕が自分で気づき

ドラえもんを頼らずに

ただ一歩
小さな、ほんとに小さなただの一歩を

ずっと、待っていてくれたんだ。


のび太「ドラえもん、ごめんね」

ドラえもん「ううん、のび太君は自分で気づいてくれた」

泣いていた、まだ何もやっていていない
まだ、進んでもいない

これからのはずなのに
もう、一つのゴールを切ったかのように

僕を応援してくれる「一人のロボット」は
僕の為に泣いてくれた


ドラえもん「君は、ひねくれ者だ」

ドラえもん「でも真っ直ぐに育ってくれた」

のび太「ドラえもん、、、」

ドラえもん「僕の一番大切な友達だよ」

兄弟のように育ち、住食を共にして
僕を支え、守ってくれた


「今度は、僕の番だね」


僕は勉強した
まだ、まだ間に合う

小学1年生からでも
2、3、4年生でもいい

どこからでも初めてやる
もう、悲しませないように

「またか、」そんな風に思わせないように



1時間で切れた
そりゃそうだ、勉強なんて一度も
ただの一度もしたことなんてない

集中なんて、そう簡単なモノじゃない

悔しかった、でもペンは進まない
全身が嫌がっている

「やりたくない」と
僕は、また怠けるのか?

ドラえもん「休んでいいんだよ」

のび太「え?」


ドラえもん「君のやる気はすごい」

ドラえもん「いつ切れるかなんて思わない、君はそれだけ今やる気に満ちているからね」

ドラえもん「でも急にやる必要なんてない、期末テストまで1ヵ月」

ドラえもん「大丈夫、のび太君ならもう大丈夫」

いつも僕の背中を押してくれる
休んでいいって言葉でさえも

「君なら進んでいける、まだ歩けるよ」なんて
そんな風に聞こえる


授業を真面目に受けるというのは思ったより大変だった
ノート取るだけならいいんだけど
先生の言葉まで聞いてるとノートが取れない

しかも寝てしまう

これは中々難しい


遊ぶのを極端に減らした
なぜかママが先生に相談して

「のび、どうした?何かあったのか?」と優しく声をかけてくれた
嬉しかったが、少し笑ってしまった

ドラえもんは遊びは必要だといい
少しは遊んだ
ジャイアンたちとサッカーしたり
野球、プロレスもどき

日に日に思った
僕は、一人じゃない



駄目な僕のそばにいてくれて
からかい、ふざけながらも

僕を心の友と呼んでくれる

僕は、そう
安っぽくていい
何度言っても恥ずかしくて

それでも、僕らは友達なんだ


テスト前日
ドラえもんが急に変な話をしだした

ドラえもん「もしさ、のび太君の友達がイカサマで勝ったとするじゃない?」

のび太「何に?」

ドラえもん「それはなんでもいいんだけどね、それで、そのイカサマを君が知ったら」

ドラえもん「君は、どうする?」

のび太「、、、、僕は」



テスト当日
眠い

今まで類を見ない勉強をしたからだろうか
前日緊張して寝れなかったからだろうか

どちらにしろ

のび太「今日で決まるんだ」

僕は学校までの道を、軽い足取りで歩いて行った


そして順調にテストは進み
僕はまだ終わってもいないのに達成感に満ちていた

のび太「すっごい調子がいいよ!これなら負けないかもしれない!」

ジャイアン「おー?w、のび太のくせに生意気言うな!w俺なんか教科書とノートの内容大体暗記してあるぞ!」

スネ夫「ジャイアンノートなんて取ってないじゃないか」

のび太「教科書も落書きだらけだし」

ジャイアン「なんだと!それでもテストは良好だったからいいんだ!」

そんないつもの笑い話をして、スネ夫はトイレに向かった



のび太「あ、僕もトイレに行こう」

トイレで用をたす

後1科目か、がんばろう

そう意気込んでいると
個室から嗚咽が聞こえた



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のび太「どうしたの?だれかいるの?」

スネ夫「うぐ、、、のび太か、、」

のび太「スネ夫かぁ、どうしたの?」

スネ夫「なんでも、、、おえぇ、、」

トイレの隙間から流れてきた汚物



「それで、そのイカサマを君が知ったら」


スネ夫が吐いたのか、その消化途中の欠片は知っている


「君は、どうする?」


個室が開き、僕を見るスネ夫

スネ夫「なんだよ、、、、」

僕はトイレを後にして教室に戻った


、、、、暗記パン、、か


ジャイアン「スネ夫、戻ってきたか」

スネ夫「あ、いや、えっとあれは」

のび太「スネ夫こっちきてよ」

スネ夫「違う、いや、そうじゃなくて」

のび太「さっき出たこの問題がどうしても解けなくてさ、スネ夫わかる?」


いいじゃないか、ばれなければイカサマじゃない、
勉強頑張って同じ好きな人を追いかける友達しか、僕は見ていない


テストが終わり

結果が出た。

僕は2位だった

スネ夫は、静香ちゃんに告白して、振られた

今の僕の心境は
喜んでいる
友達が振られたのに

僕は、喜んでいる



2週間後
僕の番が回ってきた

気持ちの整理が完璧かと言われたら怪しいけど
迷いはない

のび太「静香ちゃん!」

まずい、いきなり裏返っちゃった、落ち着け、落ち着くんだ

静香「どうしたの?、のび太さん」

きっとわかっているだろう、校舎裏に呼び出されたんだから

のび太「あの、僕は、し、静香ちゃんがっ、、、!」

大丈夫かな?変な顔してないかな?
僕の思い伝わるかな、一生懸命告白するから

大好きだって想い、伝わってほしい

のび太「しゅきです!僕と付き合ってください!あ、待って!もう一回!」

やっちゃった!!!!
もう勘弁して!!!!

僕達は付き合うことになった
夢のような

でも、そう
こんな未来にならなくてもわかっていたこと

僕達3人の関係はきっと崩れる

どんなに繕っても

なにかぎこちない
戻れない

僕達は、一歩ずつ
嫌な未来でも、好きな未来でも
先に進んでしまう



当然静香ちゃんに振られたくなんてなかった
だから、静香ちゃんの隣にいられるように一生懸命勉強した

高校に進学したころ
周りの見る目が変わるのがわかった
やってよかったと思った



自慢かもしれないが
弓道部での全国大会に行った頃から
女の子たちに告白されるようになった

でも、僕はなぜか揺れなかった

どうしようもなく、静香ちゃんが好きだった



そんなある日出木杉君が家に来た

「なぜ君は僕の前に立つ!」

いきなりの事でなんのことかわからなかった

「え?!あれ?出木杉君?!」

「のび太君!君は自分のしたことが分かっているのか?」

正直全然わからない

「僕は君よりも遥かに物を知っている、なのに、こんな事で君に負けてしまうのか、、?」

出木杉君が僕に負けてる?!

「出木杉君の何が僕に負けてるの?」



どうしよう
僕がかっている事なんて射撃ぐらいじゃないか

なにをそんなに怒ってるんだろう

のび太「僕が出木杉君に勝てるものなんて射撃ぐらいだよw」

出木杉「うるさい!!僕は、何も欲を出さなかった!今回の一つぐらいくれてもいいじゃないか!」

のび太「、、、、。」

出木杉「静香ちゃんは、、、僕は、、、ずっと、、、」

静香ちゃん?欲?
静香ちゃんは誰にも渡さない

それに、

「、、、、、出木杉君、静香ちゃんは、モノじゃないよ?」


出木杉「!!」

のび太「くれるって、誰からもらうの?」

僕は絶対あげないよ!

出木杉「違うんだ、、、今のは、、」

のび太「僕は好きな子がいるけど、見てて思うよ、、、、」

のび太「伝えたら、触ったらきっといなくなっちゃう、でもそのぎりぎりの目の前までいかないと」

のび太「それがなんなのか、相手にはわからないよ」

だから、僕は伝えたんだ


消えちゃう前に、伝わるように


出木杉君が家に帰り、僕は横になった

僕が変わって、みんな変わって

僕達は、もうあの時みたいに遊べないのかな?

小学生の
あの事みたいに

「それでも、僕は変わることを選んだんだ」

僕は眠りについた



次の日の放課後

僕は不良に絡まれた

ジャイアンとスネ夫が助けに来てくれた

人を傷つけるのは好きじゃない
僕が殴られるだけならまだ良い


でも


のび太「僕の友達に、今何をした?」

戻れなくても、変わってしまっても

それが大切なものに変わりはないんだ


話はとても飛躍して結婚前夜

ジャイアンとの会話を思い出していた

のび太「後悔してるんでしょ?」

ジャイアン「、、、、あぁ」

のび太「でも、大ジョブだよ」

ジャイアン「え?」

のび太「まだ間に合うから」


あれはジャイアンに言った言葉なのか
それとも、、、、

自分自身に言った言葉なのか

間に合ったのかな?
僕は、変われたのかな?

ドラえもん

僕は、

僕には、なにがある?



ドラえもん「今、だよ」

のび太「ど、ドラえもん!?」



ドラえもん「やーのび太君」

のび太「ドラえもん、寝たんじゃなかったの?」

ドラえもん「のび太君の事だから、寝れないんじゃないかと思って」

のび太「はは、なんでもお見通しだね」

のび太「ねぇドラえもん」

ドラえもん「なんだいのび太君」


のび太「僕は、あの日から強くなれたかな?」

ドラえもん「うん、君は強くなったよ」

のび太「ドラえもんのおかげだね」

ドラえもん「違うよのび太君」

のび太「え?」



ドラえもん「道具に頼って、怠けてばかりの君はあの日からいなくなった」

ドラえもん「自分から解決策を探して、迷って失敗もして、でも諦めない」

ドラえもん「君は本当に強くなったよのび太君」

のび太「、、、、ドラえもん、、、」

ドラえもん「今の君にはたくさんのモノがある」

友達、知識、

強さ、優しさ、

そしてお嫁さん

ドラえもん「よく頑張ったね」

のび太「ドラえもん、、、うわーん!」


ドラえもん「いつになっても子供で、でも、あの時とは全く違う」

ドラえもん「頼るだけじゃない、苦しくても耐えて」

ドラえもん「それを乗り越えて先に進むことを覚えて」

ドラえもん「意志薄弱な君はもういない」

ドラえもん「劣等も知ってるから、君は優越に浸らずに進めたんだ」



結婚式

スピーチでかっこいいことなんて言えない
上ずって、噛んで

やっぱりかっこ悪いね、

それでも、人生で一番
胸を張って言えた

君を絶対に幸せにするから!

てね。

のび太.jpg


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