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ひまわりと風間くんの恋の行方。 [感動]

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しんのすけ『え?いきなり…』

ひまわり「だって私もう中3で風間くん大学二年だし忙しくて会えないから」

しんのすけ『でも風間くん今でも春日部に住んでるゾ』

ひまわり「そーだけどさー…。まあそーゆー事だから!」

しんのすけ『じゃ、俺レポートやるから』

ひまわり「うん、じゃーねー」

ピッ

お兄ちゃんが東京に出て2年目の夏、
私は、風間君と別れた。



ひまわり「お兄ちゃんも勉強頑張ってるし、私も受験頑張らなきゃ」

みさえ「ひまちゃん、しんのすけと電話してたの?」

ひまわり「うん。ちょっとした報告!」

みさえ「ひまわりも今年受験だから頑張ってね」

ひまわり「うん!」
ひまわり(もう風間君とは終わったんだからこれからは勉強に集中しよう)



ひまわり(それにしても暑いよー…)

季節は夏。夏休み直前で明日から
期末テストだった。

ひまわり「全然わかんないよー…。」

ガチャ

ひろし「ただいまー。みさえクーラー付けてるか?」

みさえ「あなた、おかえり。クーラーは当然付けてないわよ」

ひろし「今日くらいいいだろー?」

みさえ「電気代が高くなるでしょ!」

ひまわり(相変わらずお母さんは厳しいなあ…)



こんなだから私はたまに図書館で勉強している。

みさえ「クーラーは8月からつけるわよ」

ひろし「…胸なしばばあ…」

みさえ「―…あ?」

バチン!!!

ひろし「いってえ」

ひまわり(お父さんも相変わらずだな)

ひまわり「私、もう寝るね」

みさえ「もう?早いわね」

ひまわり「明日からテストだし。おやすみなさい」

ガチャ パタン


ひまわり「―?あれ携帯が光ってる…」

パカ

-----
新着メール 1件
-----

ピッ

-----
from:風間くん
本文:ひまちゃん?話したいことがあるからメール暇な時でいいから返して欲しい
-----

ひまわり(はあ…。話したいことってもう予想できるよ…)

風間君と別れたのはちょうど一週間前。
ふったのは私。
別れたいって言ったら一回別れたけどその後
2回くらい"もう一度やり直したい"といわれた。

ひまわり(…断ったけどね)

ひまわり(別に嫌いじゃないけど、今の状況じゃ付き合えそうになれない)

ひまわり「ごめんね、風間くん」

私はそう言って携帯を閉じた。
もちろん返事を送らずに。

-------

次の日―…。

風間「…メールが来てない…」

俺は朝一番に携帯のメールをチェックした。

風間(昨日ひまちゃんにメール送ったのに…)



風間「ひまちゃんに限って、無視はないよな…?」

俺は乾いた笑いをしてもえPの人形を抱きしめた

-----

ひまわり「はあ…テストつかれたー」

ひまわり(でも午前中で学校終わりだし幸せ…)

ネネ「ひーまちゃん!」

ひまわり「―!ネネ、ちゃん!」

ネネ「学校終わるの早いね?テスト?」

ひまわり「は、はい!あ、お子さん少し大きくなりましたね!」

ネネ「でしょー?もう可愛くてさっ」

ひまわり「羨ましいです。今のところ2人目は?」

ネネ「まだ予定ないかなー。なんっつて!」

ひまわり(ネネちゃんお母さんって顔つきになった…)

ネネ「じゃあ私これからマサオと出掛けるから、またね!ひまちゃん」

ひまわり「はい、また今度。」

ひまわり(幸せそうで羨ましい…)

~♪~♪

ひまわり「…電話?」

------
着信中:風間くん
------

ひまわり「―ゲッ!」

無意識に私は声が出た。

どどどど、どうしよ…


ひまわり(出ないと失礼だよね)

ピッ

ひまわり「も、もしもし…」

風間「あ、ひまちゃん?今平気?」

ひまわり「平気だけどどうしたの?」

風間「話したい事あるから放課後大丈夫かな?」

ひまわり「夕方?…うーん」

ひまわり(どうしよう、これって会った方がいいのかな?)
ひまわり(どうせ、断るんだし)

ひまわり「話したい事って今いえない?」


風間「…そっちの方がいいならいいけど…」

ひまわり「じゃあお願い」

…ドキドキ

風間「あのさ、しつこくてごめん。ひまちゃん、もう一度付き合わない?」

ひまわり(や、っぱり)

ひまわり「だ、だから風間く…」

風間「どうしても駄目かな?別れた理由納得行かないんだよね。」

ひまわり「だから私も、もう受験生で風間くん忙しいし会えないから付き合っていけないって思ったの」

風間「俺はひまちゃんに会えなくてもずっと好きだよ」


ひまわり「ご、ごめん…。私もう付き合う気ないんだ…。明日もテストあるしまたね!」

風間『ひ、ひまちゃ…』

プツ

プープー

ひまわり「ごめんね、風間くん…」

ひまわり(どうしよう。私失礼かな…?)

でも付き合う気ないのは本当だし。
ちょっと気分が落ちちゃったな…

私はため息をもらしながら家に帰った。



ピンポーン

しんのすけ「…?」

ガチャ

あい「しん様ーっ!こんにちは!」

しんのすけ「…あいちゃんか」

あい「今日学校は休みなんですの?」

しんのすけ「もう終わった」

あい「そうなんですか。あいは今日休みましたの」

しんのすけ「何で?」

あい「今日はお父様を空港まで見送りしましたの」

しんのすけ(お金持ちはいいゾ)

あい「暇になったのでしん様のアパートに来ました!」

しんのすけ「…来てもつまんないよ」

あい「しん様に会いに来たので関係ないです」

しんのすけ(どんだけ俺の事好きなんだろ)

あい「しん様、しつこいとか思わないでください」

しんのすけ「…え?」

あい「あいはずっとしん様だけです。」

しんのすけ「あいちゃ…」

びゅうん!!
いきなり風が吹いた。

あい「きゃっ」

しんのすけ「とりあえず中入ってもいーよ」

あい「ありがとう、しん様」


あい(えへへ…中に入れてもらえてよかった)

しんのすけ「何か読む?」

あい「い、いえっ…。あの!」

しんのすけ「何?」

あい「私…っ、前みたいにしん様を、いきなり押し倒したりしません…」

しんのすけ(、そんなことあったっけ?)

あい「だから、私ちゃんと正攻法でしん様を好きにさせてみせます!」

あいちゃんは少し顔を真っ赤にしてそう言った。

しんのすけ「がんばってくださいな」

あい「―っ、はい!」


―その頃。

風間「…っくそ!」

猫「ビクッ」

風間(ひまちゃんの事ばっか考えてたら授業身に入らなかった…)

俺は授業諦めてとりあえず帰る事にした。

風間(なんで同じ春日部に住んでいるのにすれ違うんだ)

俺は、しんのすけに負けているのか?
絶対ひまちゃんはしんのすけと連絡をとっている。

まあ、兄妹だし家族だから当たり前だと思う。

でもしんのすけと電話する暇あるんだったら
少しは俺にも電話してくれればいいのに、って思う。

風間(―なんて。なんでこんな事考えてるんだ!俺!)

風間「―初めて。初めてもえP以上に好きになったのに」

風間(どうしても…、ひまちゃんと直接話したい―…)

ダッ
そして俺は無意識にひまちゃんの住んでいる家に向かっていた。

-----

ピンポーン

ガチャ

ひまわり「はーい?」

風間「…」

ドアを開けると風間君がいた。

ひまわり「!…風間くん…?」

風間「…ひまちゃん。」

ひまわり(え…っ、何で…風間君がここに…っ!!)

風間「どうしても話がしたくて来た。」

ひまわり「…っ、で、でも!」

風間「ちょっと近くの公園行こう」

ひまわり(―…。どうしよう…)

ひまわり「…や、やだ!」

風間「…!ひまちゃんお願い」

ひまわり(―ドキ)

風間君からの必死なお願いに何故か
久しぶりに胸がときめいた。

ひまわり「わかった…。」
ひまわり(…でも絶対より戻さないんだから)

------
あい「あ、そうだ!しん様」

しんのすけ「んん?」

ガサガサ
あい「しん様のためにチョコビ大量に持ってきたの!」

しんのすけ「おおおお!!!」



あい「いつもお世話になってるのでお詫びですわ」

しんのすけ「あいちゃん太もも~!」

あい「太っ腹の間違いですよ」

あい(しんさま、喜んでくれてあいも嬉しいです)

あい「…しん様は外見と印象は変わっていても中身は変わってないのですね」

しんのすけ「あいちゃんも子供の頃と同じで今も美人だぞ」

あい(ドキッ)
あい「し、しん様…」

あい(どうしましょう…。しん様がこんなこと言ってくれるなんて…―っ)



あい「し、しん様…!私は…―」

しんのすけ「風間くんにチョコビ自慢しちゃお~」

するとしん様は携帯を取り出して
風間君に電話をかけた。

あい(ちょっと、空気読んで欲しかったです…)ぐす

------

風間「いきなり連れ出してごめん」

ひまわり「…っ、大丈夫だよ」

風間「あのさ、この間も言ったけど…」

ひまわり(ドキ…)

風間「俺、ひまちゃんが誰よりも、好k―…」

~♪~♪

風間・ひま(―ドキっ!!!)

風間「ご、ごめん…携帯、電話着てるみたい…」

ひまわり「い、いいよ。」
ひまわり(―いいタイミングで鳴った…。びっくりした)

------
着信中:しんのすけ
------

風間(―って!しんのすけかよ!!)

ピッ

風間「…もしもし?」

しんのすけ『あ、風間くーん?俺今ね大量のチョコビもらったゾ!」

風間「…それだけ?」

しんのすけ『んもー。風間くん冷たいなー』

風間「チョコビだけだったらもう切るぞ」

しんのすけ『あー!待って!風間くん今暇?』

風間「…え?暇じゃないけど。何で」

しんのすけ『今俺のアパートにあいちゃん来てるんだけど風間くんも来ないかなーって』

風間「お前ん家、東京だろ。行くわけないだろ。ってなんであいちゃんが…」

ひまわり「―…(あいちゃん?)」

しんのすけ『なんだ。来ないのか。じゃあまた今度ねー』

プツ

風間「ったくしんのすけのやつ何なんだよ…」

ひまわり(…お兄ちゃん?今の電話ってお兄ちゃんから?)

風間「―あ。ごめん、今の電話しんのすけからでチョコビ自慢されただけ。はは…」

ひまわり「あいちゃんて、あの美人さんの?」

風間「あ、うん。そうだけど」


ひまわり「あいさん…元気かな」

風間「元気だと思うよ」

ひまわり(ってそれよりもあいさん、お兄ちゃんのアパートにいるんだ…)

ひまわり「二人とも仲良しだね」

風間「あーうん。あいちゃんは未だにしんのすけ好きっぽいからね」

ひまわり(―"好き"。お兄ちゃんもいつかは結婚とかしちゃうんだ)

風間「それでさ…。俺…」

ひまわり「あのだから風間く…!」

風間「ひまちゃん!」

ひまわり(ビクッ)

風間「…大きな声出してごめん。聞いて欲しいんだよ」

ひまわり「…でも…」

風間「―!こっち見て!」

グイッ

私は風間君に腕を引っ張られたせいで
風間君の顔を見ることになった。

ひまわり「…」

風間「俺…ひまちゃんと付き合ってから変わったんだ…。今まで夢中になってたものがどうでもよくなって
   ずっとひまちゃんの事ばっかで…。それに勉強も俺なりに頑張った」

ひまわり「…うん」


ひまわり(―夢中になってたものは知らないけど、風間君が頑張ってる姿は私が1番近くでみた)

ひまわり「―でも、どうしたって出来ないことは…あるんだよ…」

セミの泣き声と体中の汗が
私の周りにはべりつく。

そして気づくと風間君の顔が目の前に迫っていた。

ひまわり「…っ」

風間「ひまちゃん。好きだよ」

軽く私と風間君の唇が重なった。



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-----

あい「風間くん、なんて言ってました?」

しんのすけ「相変わらず冷たかったゾ」

あい「そうですか…。」

しんのすけ「俺はチョコビ食うぞ!あいちゃんも食べよ!」

あい「―っ、は、はい!」

私は大きく返事をした。

しんのすけ「そういや、あの黒い人は今日いないの?」

もぐもぐ

あい「黒磯のこと?今日は家にいるわ。もうあいも大人になったんですし」

しんのすけ「ふーん」

あい「…それにしん様と…二人の方がいいです」ボソ…

しんのすけ「何か今言ったか」

あい「…い、いえ!」
あい(私、最近抑えられなくなってますわ…どうしよう…)

普通、幼稚園の頃からずっと好きになってるって
ありえないですわ。

しんのすけ「おおー!アクション仮面なつかしい!」

でも、今のしん様を見てると
子供の頃よりもずっと好きで―…。

しんのすけ「もー。あいちゃん聞いてる?」

そうやって優しい声で私を呼ぶから

ぎゅ…。

しんのすけ「お?具合でも悪くなったの?」

あい「違いますわ、」

無意識に私は後ろからしん様を抱きしめていた。

何故かすごく好きで

しんのすけ「…力強いゾ」

あい「私…しん様が好きです」

あい(どうしよう―…、止まらない)


しんのすけ「あの、俺正直に言うと恋愛的な好きって気持ちがわからない」

あい「…え?」

しんのすけ「オラ…じゃなくて俺は年上のお姉さんがタイプだ。でも多分それって憧れなんだと思ったんだゾ」

あい「…は、はい…」

しんのすけ「だから、まだよくわからない」

しん様の声が私の体によく響いた。

あい(じゃあ今の話って…同い年の私でも大丈夫ってこと?)

しんのすけ「俺はちゃんとあいちゃんの気持ちわかってる!」

エッヘン!と言ったしん様に私は笑ってしまった。


あい「…しん様。ちゃんと私の気持ち言いたいので言わせてください」

しんのすけ「…気持ち…?」

私は決心してそう言うと、
抱きついていたしん様の体から離れた。

しんのすけ「…」

あい「…わたくし、あいはしん様が好きです」

しんのすけ「そんな事は知ってるゾ」

あい「―だ、だからちゃんと改めて…」

しんのすけ「正直俺にあいちゃんは勿体無いと思うよ」

あい「…それでもあいはしん様が好きです」


あい「―ぐぷ!!」

いきなりしん様は私の口にチョコビを
たくさん詰め込んできた。

あい(ちょ、何ですの…?)

しんのすけ「もうわかったからそれ以上言わなくていい!」

あい「…え…?」

しんのすけ「そんなに好き好きいうと本当に大事なものが見えなくなるゾ!」

あい「…だからあいはしん様が1番…」

よく見るとちょっとだけしん様のほっぺが
赤くなっているように見えた。

あい「…しん様、照れてらっしゃるの?」

しんのすけ「そんな事ないゾ。チョコビが俺を誘惑してくるだけ」

またしん様は意味のわからないことを言うと
私はまた小さく笑ってしまった。

あい(あいの、相手はしん様だけですわ…)

しんのすけ「ほら、まだまだチョコビあるある!!」

あい「…いただきますっ」


あい(お願いです。―どうか、あいの片想いが叶いますように)

------

ガチャ パタン

ひまわり「…」

風間君にキスされてからすぐに
逃げるようにかえってきちゃったけど…

風間『 俺は諦めないから 』

ひまわり(―なんて!!、もう私の事は諦めてよー!!)

ひまわり「もう…やだよ…」

なんで、顔が近づいたときすぐに離さなかったんだろう。
私の馬鹿…。これじゃあ付き合ってるときと同じじゃない…。

ひまわり(私、チャラチャラしてるみたい―!)

~♪~♪

ひまわり「…う?」

-----
from:風間くん
本文:ごめん。俺ゆっくりまた戻れるように頑張る
-----

ひまわり(風間くん…かあ…)

お兄ちゃん…。
お兄ちゃんはこういう時どうするの―…?


~♪~♪

ひまわり「…また?」
ひまわり(もしかしてまた風間くんだったりして)

-----
from:お兄ちゃん
本文:チョコビ沢山あるから送るぞ!
-----

ひまわり(―!お兄ちゃん!)

ひまわり「どうしよう…相談したい…」

結果の末、私は電話することに決めた。

ぷるるrr

しんのすけ『もしもしー?』
ひまわり「お、お兄ちゃん」

しんのすけ『おお!ひまか!どうした?』
ひまわり「相談したいことがあるんだけど…今からおにいちゃんのアパート行ってもいい?」

しんのすけ『別にいいゾ』

―よし!現在の時刻は15:47。
ひまわり(明日のテストは諦めよう…っ)



そして私は急いで準備して約1時間ほどでおにいちゃんのアパートに着いた

ピンポーン

ガチャ

しんのすけ「おお、ひま」

ひまわり「お兄ちゃんっ…」

しんのすけ「どうぞー」

ひまわり「おじゃまします」
ひまわり(結構綺麗に保ってるんだあ…)

あい「あ、ひまちゃん。お久しぶり」

ひまわり(わあ―。あいさんだ!美人…)
ひまわり「お久しぶりです!兄がいつもお世話になってます」

あい「いいえー。おっきくなったねー」
ひまわり「はい!今年高校受験です」

あい「そうなんだあ。頑張ってね」
ひまわり「はい!」

ひまわり(あいさんと話せたー!嬉しいなあ…)



しんのすけ「ひまはどうしたの?」

ひまわり「あ、そうだね…っ。ちょっと聞きたいことっていうか相談…」

あい「私も聞いていいのかしら?」

ひまわり「あ、もちろんです!」

そして私は全て話した。
過去の事。ふった事。今さっきの事。

あい「ええぇ…風間くんってそんな方だったのですね」

しんのすけ「ほう…風間くんもなかなかやるな」

ひまわり「ど、どうすればいいのかな…」


あい「ひまちゃんはもうより戻さなくていいんでしょ?」

ひまわり「はい…」

あい「なら私だったらとことんスルーですわ」

ひまわり(…そうだよね、)

しんのすけ「んー、でも風間君にも同情するゾ」

ひまわり「…え?」

しんのすけ「ずっと努力しながら頑張って一緒に歩いてきたのにあえないからっていう理由だけでそんな風になるなんて
      かわいそうに思ったぞ」

あい「そうかしら?あいは、片方がもう無理って思ったら無理だと思いますけど…」

ひまわり「そうなんだ…」

ひまわり(結局、私はどっちを選ぶんだろう)

このまま"別れ"か、また"戻る"か。

しんのすけ「結局はひまわりが決めるんだぞ」

そしてお兄ちゃんは立ち上がった

あい「しん様、どこへ行くんですか?」

しんのすけ「皆の夜ご飯買いに行く。じゃー留守番よろしゅーまい」

パタン

ひまわり(行っちゃった…。)

あい「ひまちゃんも恋愛とかで悩んでるのね」

ひまわり「は、はい。もう大変ですよっ」

あい「そっかー。」

ひまわり「あいさんは好きな人―…(ハッ!)」

そういや風間君があいさんはお兄ちゃんが
好きとか…

あい「わたくしですか?好きな人はいますわ」

ひまわり「えっと…もしやお兄ちゃん…?」

あい「ええ。幼稚園からずっとなの」


ひまわり(よ、幼稚園…ってことはまだ私は0歳…)

あい「しん様だけが他の男の子と違ってて惹かれましたの」

ひまわり「そ、そうなんですか…。あいさんのような美人さんは
    お兄ちゃんよりも格好いい人でもいけると思うんですが…」

あい「いやよ!私はしん様じゃなきゃだめなの…」

真剣な顔であいさんはそう言った。
さらさらなロングヘアー。整った顔立ち。

なんかお兄ちゃんこんな綺麗な人に好かれて
羨ましいな…。


あい「ひまちゃんも可愛いんだから風間くん以外にもいい人見つかるわよ」

ひまわり「か、可愛くないです…。でも有難う御座います」

あい「いいえ。でもしん様の妹だなんて羨ましいですわ」

ひまわり「…え?」

あい「好きな人の兄妹になりたいとか思わないかしら?」

ひまわり「あ、私もたまに…」

あい「でしょ?本当、どうしたらしん様は振り向いてくれるのかしら…」

ひまわり(―あいさんがお兄ちゃんと付き合う事になったらちょっと寂しくなるけど)

ひまわり「私、あいさんの恋応援してます。頑張って下さい!」

あい「―、ありがとうひまちゃん。」


ガチャ

しんのすけ「ただいまんとひひ~」

あい「おかえりなさい、しん様!」

しんのすけ(―ドキ)

しんのすけ「…うぬ」

ひまわり(あれ?お兄ちゃん…)

あい「ひまちゃん?帰っちゃうのかしら?」

しんのすけ「え、ひまの分のも買ってきたゾ」

ひまわり「有難う。でも私明日もテストだし。買ってきてくれたやつは家で食べるね」

あい「…そうなの…。じゃあまた話しましょうね!」

ひまわり「はい。ではまたっ」

しんのすけ「送らなくて大丈夫なのか?」

ひまわり「当たり前っ!じゃーねお兄ちゃん!」

パタン



ひまわり「―ふぅ。」

今さっきのお兄ちゃんなんか様子が
おかしかった。

ひまわり(―もしかして、あいさんの事、気になり始めてる―?)

だったら私は帰って二人きりにした方がいいよね!

もうお兄ちゃんは私だけじゃなく他の新しい人を
大事にしようとしてる。

ひまわり(頑張って!…あいさん、お兄ちゃん!)


今までお兄ちゃんが誰と仲良くしてるかとか
気になってたけど色々あいさんと話して安心した気がする。

これも私が成長したからかな―…?

ひまわり「わ!電車ギリギリ…」

私は急いで駅に向かった。

------

しんのすけ「ひま大丈夫か心配」

あい「妹想いですね、しん様」

しんのすけ「まだうちのひまは中3だゾ」

あい「…しん様はいつでも優しいのですわね」

しんのすけ「お兄ちゃんだからな!」

あい「色んな人にでもです。」

しんのすけ「…」

あい「だから私、しん様への気持ち毎日増えていますわ」

あいちゃんは照れくさそうに笑った。



なんかあいちゃんはいつも俺と
一緒にいると幸せそうな顔してるゾ。

なんでそんなに…

あい「しん様!せっかく夜ご飯買ってくださったので食べましょう」

しんのすけ「…」

あい「…しん様?」

するとしん様の手が私の手に重なった。

あい(―ドキッ…)

しんのすけ「…これはOKっていう意味じゃないゾ」

あい「―?、しん様?」

次の瞬間

ちゅ
.

しん様の唇が軽く私のほっぺに触れていた。

あい「き、きゃ―っ…!!」

しんのすけ「なんかよくわかんないけどしたくなっただけだゾ、エッヘン!」

あい(そ、そこいばるところですの…?)

しんのすけ「いただきまーす」

するとしん様は何事もなかったかのように
ご飯を食べ始めた。

あい「…よくわからないですわ…」ボソ

そして私は顔が燃えそうなほど赤くなっているのを
感じながらご飯を食べ始めた。



そして1ヶ月後―

ガチャ

しんのすけ「かえってきたぞ!」

みさえ「あら、しんちゃん!お疲れ~」

ひろし「おお。久しぶりだな!元気だったか?」

お兄ちゃんは私の夏休みに実家に帰ってきた。

ひろし「ちょっと背伸びたんじゃねーか?」

しんのすけ「これからも伸びる予定!」

みさえ「ほら、スイカあるわよ」

ひまわり「わ、私も食べるー!」


そして子供の頃のようにおにいちゃんと
二人で居間の机を囲んだ。

しんのすけ「冷たくてひんやりするゾ…」

ひまわり「そーだね!」

そしてちなみに私は風間くんとは
完全に終わった。

お互いまたこれから友達として付き合っていこうという事。
より戻す予定は今のところないしいい友達だと私は思ってる

しんのすけ「おい、ひまわり。ほっぺに種ついてる」

くい

ひまわり「あ、ごめん。ありがとー!」
ひまわり(本当冷えてて美味しい…)

しんのすけ「そーいや風間くんはどうなった?」

ひまわり「んー。終わっちゃった!でもお友達だよ」


しんのすけ「また何かあったらおにいちゃんに言うんだぞ!」

ひまわり「わかってるよー!」

お兄ちゃんは喋りながら食べているというのにも
関わらずスイカ2個目に突入していた。

ひまわり「―あ。そういやお兄ちゃんこそあいさんとどうなったの?」

しんのすけ「―…!…」

ひまわり「…お兄ちゃん?」


.
俺があいちゃんとどうなったかって?




しんのすけ「…秘密。」





終わり



ひまわり4.jpg




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しんのすけ「俺、知らないぞ。」

ひまわり「お兄ちゃんのばか!てか私、これから彼氏とデートだから」

しんのすけ「ほー。」
しんのすけ(ひまわりは立派な女に育ったなあ…)

ひまわり「お兄ちゃんも高校ラストの年になったんだからさっさと彼女作りなよね」

バタン

しんのすけ「妹のくせに生意気だ」


しんのすけ(それにあいつはまだ中1だゾ…)

みさえ「しんちゃーん?洗濯物取り込んでくれる?」

しんのすけ「へいへい…」

みさえ(…しんのすけも立派になったわね)クス

-----

ひまわり「あっ、もお待ってたよお~」

風間「ごめん。ひまちゃん。勉強してたんだ」

ひまわり「ううん。お疲れ様!」

風間「しんのすけは元気か?」

ひまわり「相変わらずだよ!風間くんはお兄ちゃん扱えてすごいね」


風間「そうでもないよ~。ひまちゃんも結構仲良しだよね」

ひまわり「う~ん。別に嫌いじゃないけどさー」

風間「嫌いじゃないけど何?」

ひまわり「なんてゆーか鈍いのかな―…?」

風間「鈍い?ははっ、しんのすけらしーな」

ひまわり「だってお兄ちゃん一回も彼女作らないんだよ?おかしいってー」

風間「ひまちゃんの方が中1で付き合うとかおかしいよ」

ひまわり「えー?周りのコ普通に付き合ってるし、おかしくないよっ」


風間「そうなんだ。じゃあどこ行く?」

ひまわり「私、おなか空いちゃった。」

風間「じゃあ近くのファミレスでなんか食べようか」

ひまわり「うん!」
ひまわり(風間くんといると、安心するなぁ…)

風間「あ。」

ひまわり「どーしたの?」


風間「あそこにいるカップルの女って…」

ひまわり(え?誰?)

「 あー!風間くんじゃないっ 」

風間「…ね、ネネちゃん…」

ひまわり(わーすごい派手…)

ネネ「あ、ひまわりちゃん!こんにちはっ」

ひまわり「あ、こんにちは…」

風間「ネネちゃん、完全なギャルになったね…」

ネネ「なによー!てか風間くんとひまちゃん今デート中?」


風間「ま…まぁ…」
風間(何か恥ずかしいな…)

ひまわり「ネネさんもその彼氏さんとデートですか?」

風間(彼氏もサングラスなんかかけて…いかついな…)

ネネ「さんつけなくていいよー!ネネで!そうだよー」

彼氏「おい、ネネ誰だよこいつら…」

風間「(ヤバ…)あ、ネネさんと知り合いの…」
風間(―ってあれ、この声…もしかして…」


ネネ「ったく、あんたも知り合いでしょ!」

ゴッ

彼氏「いってーな…ネネ」

風間「お、おい…もしかしてそいつ…」

ネネ「ん?ああ、マサオだよ。私の彼氏なの!」

風間(え)

ひまわり(嘘…あの弱そうだったマサオ君?)

マサオ「ん?ああ、風間くんか!元気だった?」


風間「元気だった…っていうか!!マサオ君!ナンだよそのかっこ!!」

風間(ハタから見たらただのヤンキー…)

ネネ「格好よくなったでしょ?」

風間「ま、まあお似合いなんじゃない…?」

ひまわり「お、お似合いです!」

ネネ「そう?ありがとー!じゃあ邪魔してごめんね。お幸せに~」

風間「別にいいよ。またね!」

マサオ「風間くん!今度呑みいこーな!」


風間「…ああ…」

ひまわり(…ふう。やっぱりみんな楽しそうに恋愛してるんだな。お兄ちゃんもすればいいのに)

風間「どうした?」

ひまわり「う、ううん!なんでもないよ。行こう、風間くん」

風間「うん」
風間(やっぱひまちゃんが1番美人だな)


風間「そーいや、ボーちゃんはどうしたんだろ…最近会ってないな」

ひまわり「あ、ボーちゃんってあの少し無口の?お兄ちゃんから聞いたけど留学したみたいだよ」

風間(―!りゅ、留学…)
風間「ボーちゃんらしいな…」

ひまわり「結構すごいんだねっ」

風間「俺も頑張らないと!」

ひまわり「…勉強?風間くん頭いいじゃない」

風間「それもあるけど…ひまちゃんに似合うような男になれるように頑張るから!」

ひまわり(ドキッ)
ひまわり「…そうだね」クス


ひまわり(でも、私はお兄ちゃんに頑張って欲しい。早く幸せになってほしいもん)

ひまわり(小さい頃からずっと一緒で楽しかった記憶が沢山ある。協力してあげたいのにな―…)

-----

みさえ「しんのすけー!買い物行ってきてくれない?」

しんのすけ「何買うのー?」

みさえ「はい。これメモ。おつりあまったらなんでも買ってきていいわよ」

しんのすけ「ほーい」
しんのすけ(どうせ俺は暇だしな)



ガチャ

しんのすけ(歩いていくか。)

しんのすけ(ひまは今頃楽しそうにしてんのかな…オラには関係ないけど)
しんのすけ(じゃなくて俺だ!俺…)

-----

ざわざわざ

しんのすけ(えーと玉子と牛乳と…)

あい「あれ、もしかしてしん様?」

しんのすけ「…お?」

あい「しん様ですか!?お久しぶりです。あいですわ!」

しんのすけ「…あい?」
しんのすけ(そういや小さい頃追われてたっけ…)


あい「何年ぶりでしょうか!?私感激ですわ」

しんのすけ「さあ…10年とか?」
しんのすけ(それにしても綺麗で大人っぽくなったな…)

あい「私、今黒磯と買い物に来ているの。しん様も?」

しんのすけ「そうだぞ」

あい「久しぶりに会えたお詫びにアドレス交換しませんか?!」

しんのすけ「…ああ…」



あい「じゃあ、連絡します。ではまた会いましょう。しん様!」

しんのすけ「ほーい」
しんのすけ(そろそろしん様っていうのやめたらいいのに…)

--

店員『1570円になります』

しんのすけ「ふー。帰るか」

しんのすけ「…あいちゃん、かわいくなってたな」



ひろし「おーい!しんのすけぇえええ」

しんのすけ「!?、父ちゃん…」

ひろし「買い物かあ~?ヒック」

しんのすけ「そうだけど…。父ちゃん酒くさい」

ひろし「小さいことは気にすんなよ~。一緒に帰ろうな~」

しんのすけ「…へいへい」

ひろし「ひまわりはどうしたぁ~~!?」

しんのすけ「多分風間くんとデートだぞ」

ひろし「か、風間君と付き合ってんのか!?くそーーー!!」


しんのすけ「どうせ俺たちには関係ないよ」

ひろし「わかってるけど、さみしいぃぃいい」

しんのすけ(酔っ払った父ちゃんは面倒くさい)

「「 ただいまー 」」

みさえ「おかえりー!ってあなた!」

しんのすけ「スーパーの前で会ったから一緒に帰ってきた」

みさえ「まったく…。しんちゃんありがと。もういいわよ」

しんのすけ「ほい」



しんのすけ(夜まで暇だし、勉強でもするか…)

ひろし「おー?しんのすけ勉強かー?」

しんのすけ「父ちゃん、早く風呂入ったほうがいいぞ」

みさえ「しんのすけの言うとおりよ!ほらあなた!」

しんのすけ(大きくなると母ちゃんの気持ちがよくわかるな…)

ガチャ

しんのすけ(来週からテストだし真面目になるか)



------
ひまわり「あー楽しかった!」
風間「ほんと?よかった」
ひまわり「てかもう、7時…」

風間「家まで送るよ」
ひまわり「ありがとうっ」
ひまわり(風間くんは優しいなあ)

----
風間(もう着いちゃったな…)
風間「明日から塾で忙しくなるけど連絡はするよ」

ひまわり「うん。送ってくれてありがとう!じゃあ…」

風間(―あっ…。頑張れ俺―!!)
風間「ま、まってひまちゃん!」

グイッ
ひまわり「―…。どうしたの?」

風間「ちょっと目瞑ってくれる?」

ひまわり「ちょ、風間く―…」

ちゅ

風間「じゃ、じゃあまた次会うときに…」

ダッ

ひまわり「う、うん…。」

ペタン

ひまわり(―って!今の何?!もしかして―…)
ひまわり「…き、す…」

ひまわり(人生初めてのキスだあ…)

ガチャ

みさえ「あれ?ひまわり何座ってんの?」
ひまわり(―ドキッ!)

ひまわり「あ、何でも無いよ!お母さんっ」
みさえ「ってかひまわり、スカート短すぎ!」

ひまわり「短いほうがかわいいよ~?」


みさえ「そんなことしてると風邪ひくわよ!ご飯食べる?」

ひまわり「ごめん、食べてきちゃった…」

みさえ「そう?じゃあお風呂入りなさい」

ひまわり「はーい」

ガチャ

ひろし「おー!ひまわり帰ってきたか!」

しんのすけ「…」

ひまわり「た、ただいま…お父さん」
ひまわり(お兄ちゃん…もいる…)

ひろし「食べないのか?」

ひまわり「ごめんね。食べてきちゃった」

ひろし「なんでぇ~…」

ひまわり(とりあえず早く、お風呂入って着替えよう)

ひろし「しんのすけー!ビール飲むか?」

しんのすけ「…」

ひろし「しんのすけ?」

しんのすけ(ひまわりはまた風間君とデートしたのか…。)

しんのすけ(別にそれがどうしたってわけじゃないけど…)

~♪~♪

ひろし「あれ、しんのすけ携帯鳴ってる」

しんのすけ「…?―っあ!」
しんのすけ(あいちゃん!)

------

from:ai....xxxx@
本文:しん様!あいですわ。メールしてみました*

-------
ひろし「誰なのか?」ニヤニヤ

しんのすけ「父ちゃんには関係ないぞ」

ひろし「ちぇー」


しんのすけ(とりあえず、登録して返事しよう…)

ピピ ピ

----
ひまわり「お風呂上がったー。次お父さん入…」

ひろし「おー」

しんのすけ「…大丈夫…と…。」

ひまわり(お兄ちゃんが笑いながらメール、…?誰かな)

しんのすけ「そーしん…。―って、ひまわり何」

ひまわり「別に…。お兄ちゃん、誰とメールしてるの?」



しんのすけ「関係ないだろ」

ひまわり「いーじゃん!教えてくれたって!私のお菓子食べたくせに!」

しんのすけ「…だから俺はたべてねーぞ!」

ひまわり「教えなさいよ―っ!!」

しんのすけ「ひまは風間君の事だけ考えてればいいんだよ!」

ひまわり(―っ、…は?)



ひまわり「か、風間くんは関係ないじゃん…」

しんのすけ「風間君と付き合ってからひまわりなんかおかしいぞ?」

ひまわり「…―っ、お兄ちゃん意味わかんないし」

しんのすけ「とにかくひまわりには関係ないから!俺2階行くから」

トントン

ひまわり「ちょ―っ!!」

バタン!

ひまわり(何…何なのよ…)
ひまわり「…、お兄ちゃんのばか…」



みさえ「ひまわり?」

ひまわり「…お母さん…」

みさえ「しんのすけ、あれでも一応ひまわりの事心配してるみたいだよ?」

ひまわり「…心配?」

みさえ「そう。最近夜暗くなってから帰ってくるじゃない。まだ中学生なんだからほどほどにね」

ひまわり「ご、ごめんなさい…」

ひまわり(お兄ちゃんが、私の事、心配…?)


ひまわり(―!、だったらちょっとだけでも態度に出してくれればいいのに!怒ってばっかでさ!)

ひまわり(、お兄ちゃんの癖に…)

ひまわり「…むかつく」


ブーブーッ

ひまわり(…携帯、電話かな…)

『 着信中 風間くん 』

ひまわり「―っ!」
ひまわり(風間君から電話だ…。でも今は出る気分じゃないや…ごめんね…)

ひまわり「…はあ」
ひまわり(私だってこれでもおにいちゃんの事心配してるのに…)

なんで通じ合えないのかな…。



―次の日。

みさえ「ひまわりー!早く起きなさいー!」

ひまわり「う~ん…ねむ…」

みさえ「遅刻しちゃうわよ!」

ひまわり「はあー、めんどくさ…」

ひまわり(…あれ…お兄ちゃんもう制服になってる…)

みさえ「今日しんのすけ早いわね」

しんのすけ「普通だよ」

ひまわり(目、合わせてくれないし…気まずいなあ…)



みさえ「二人とも早く、朝ごはん食べちゃってね!」

ひまわり(やっぱ朝はだるいや…)

ひまわり(お兄ちゃんと2人きりってどうやって過ごしたっけ…)

しんのすけ「…ごちそーさま。」

ひまわり(は、はやっ!!)

スタスタ…

ひまわり(いつもは途中までお兄ちゃんと学校行ってるけど今日は別々なのかな…)
ひまわり(…)



くるっ

しんのすけ「ひまわり。」

ひまわり(ドキッ)
ひまわり「―な、何?」

しんのすけ「待ってやるから、早く準備だぞ」

ひまわり(いつも通りだ…っ)
ひまわり「う、うん!…待ってて!」

ひまわり(よかった―…。普通で…)



~♪~♪

しんのすけ(…あいちゃんかな)

ピッピピ

-----
from あいちゃん
本文 おはようございます。しん様!今日放課後暇でしたらケーキ食べにいきません?
-----

しんのすけ(け、ケーキ!)
しんのすけ(久しぶりにあったばっかだし食べにいこう…)

ピ ピ

ひまわり「…」
ひまわり(また少し笑いながら携帯打ってる…。彼女…できたのかな)


ひまわり(って、私には関係ないじゃん!…とりあえす後で昨日の事謝らなきゃ)

ひまわり「…ごちそーさまでした。」

----

みさえ「じゃあ、二人ともいってらっしゃい!」

ひまわり「いってきます~」
しんのすけ「ほーい」

パタン

「「 ・・・・ 」」

ひまわり(どうしよう…沈黙…。とりあえず謝っとこうかな…)



ひまわり「お、お兄ちゃん!!」

ピタッ

しんのすけ「…お?」

ひまわり「あの…昨日はごめん…なさい」

しんのすけ「俺は別に、いいけど」

ひまわり「なっ、ならよかった…!」
ひまわり(よかったあ…)

しんのすけ「ひま、昨日めーるの相手誰だか聞いただろ?」

ひまわり(ドキッ)「ま、まあ…。でももう教えてくれなくていいよ!」

しんのすけ「いいよそんな秘密にする事じゃないし。あいちゃんだぞ」

ひまわり「あい…ちゃん…?」
ひまわり(もしかしてずーっと前に言ってた好き好きって追われてた…?)

しんのすけ「昨日、久しぶりにあってアドレス交換しただけ!」


ひまわり「じゃあ、彼女じゃないんだ…(―ハッ!)」

しんのすけ「彼女?あいちゃんはそんなんじゃないぞ」

ひまわり「…そっかあ…」

しんのすけ「それに俺はお姉さんみたいな人が好き!」

ひまわり「…、…あ、そ…」
ひまわり(お兄ちゃんはほんと意味わかんないけど、とりあえずよかった)

しんのすけ「じゃ。また後で!」

ひまわり「うん。ばいばいっ」


ひまわり「はー。すっきりしたー。」

風間「すっきりしたって何が?」

ひまわり「きゃ、―っ!!?、か、風間、くん!」

風間「おはよう。ひまちゃん」

ひまわり「おはよう。―てか!電話出れなかった…。ごめんね」
ひまわり(本当は、わざと出なかったんだけどね)

風間「ううん。こっちこそごめんね」

ひまわり「次はちゃんと出るね!」ニコッ

風間(ドキ)「~~、あ、あと…」

ひまわり「ん?」

風間「昨日、いきなり、キスして…ごめんね?」

ひまわり「…きす?」


ひまわり(――っ!!、思い出した…)

ひまわり「だ、大丈夫だよ…。」

風間「ならいいんだ…」

ひまわり(どうしよう私。お兄ちゃんの事で精一杯で完全に忘れてた…)

ひまわり「じゃ、じゃあ風間くん高校あっちでしょ?私こっちだから。」

風間「そうだね。じゃあまたね」

ひまわり「ばいばいっ」

ひまわり(まさか、朝から風間君に会うなんて…)



ひまわり(とりあえず私は、早く高校生になりたいな…)

先生「こら!そこの生徒!早く門に入りなさい!」

ひまわり「―っ!ごめんなさいっ…」

----

しんのすけ「…つまんないぞ」

しんのすけ(勉強しなきゃいけないのはわかってるけど授業はどうしてもつまんない)

先生「じゃあ今日から裁縫道具を使ってエプロンを作ります」

一同「「 ええええ~~!! 」」

しんのすけ(エプロンとか…余裕…)


しんのすけ(子供の頃やりすぎたせいかな)

しんのすけ(俺は寝よう…)
しんのすけ(それに放課後は、ケーキだし。あいちゃんつきの)
-----

キーンコーン

さよーなら

ひまわり(これから当分風間君に会えないから放課後暇になっちゃうな…)

「じゃあねひまわりちゃん!」

ひまわり「ばいば~い」


ひまわり(お兄ちゃんは放課後いつも何してるんだろ…)

「あれ?ひまちゃん?」

ひまわり「…え?」くるっ

なな子「こんにちはー」

ひまわり「な、なな子さんっ!!」

なな子「学校帰りかしら?」

ひまわり「は、はい!なな子さんは?」

なな子「買い物帰りよ。」

ひまわり「そうなんですかー。」

なな子「しんちゃんは元気?」

ひまわり「お兄ちゃんですか?相変わらず元気ですよ!」

なな子「そっかー。子供の頃と違って全然会ってないから、元気そうならよかった。」

ひまわり「はい。今度うちにご飯食べに来てくださいね」

なな子「本とう?ありがと!じゃあまたねひまちゃん。」

ひまわり「はい。また!」


ひまわり(ななこさんは相変わらず美人だなあ…)

ひまわり「帰ろ…」

ひまわり(…―っ、って、あれ?)

ひまわり「あの後姿って…お兄ちゃん!?」

しんのすけ「どこのケーキ屋?」

あい「しん様の好きなところだったらどこでも!」

ひまわり(…しん様?…もしかしてあい…ちゃんかな?)


ひまわり(二人でどこ行くんだろう…ケーキ食べに行くのかな…いいなぁ…)

しんのすけ「ここでいい?」

あい「はい!」

ひまわり(しかも超笑顔だし…むかつく)

ひまわり(―っ、さっさとかえろ!私には関係ないし!)
ひまわり(…それにあの人は彼女じゃないんだ、し…)

ひまわり「って何考えてるの?私!!」

ひまわり「私には風間くんがいるもん…」
ひまわり(…関係、ないんだから…)



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ひまわり「ただいまー」

みさえ「あ、おかえり!ひま、ネネちゃん来てるわよ」

ひまわり「えっ」

ネネ「ひーまちゃんっ♪」

みさえ「ネネちゃん西瓜持ってきてくれたのよ。ありがたいわ~」

ひまわり「ね、ネネさん有難う御座います」

ネネ「だからさん付けいらないってば~!」

ひまわり「じゃあ、ネネちゃん…」

みさえ「じゃあゆっくりしてってね!私買い物に行くから。」

ネネ「ありがとです!」

ひまわり「は、はーい…」

パタン

ひまわり「ネネちゃんは今日…どうしたんですか?」

ネネ「あー…。暇だったのもあるけど…」

ひまわり(ネネちゃんの制服姿可愛い…)

ネネ「私、マサオとわかれそーなんだよねー」

ひまわり「…え…。―っえ!!」

ネネ「あは。驚かないでね。なんか最近上手く行かなくて…」

ひまわり(なんで?この間は仲良しだったのに…)

ネネ「もうわけわかんないよー。マサオのくせにむかつく!」

ひまわり「、そ、そうなんですか…」


ネネ「とりあえず距離おいてるんだー…」

ひまわり「そうなんですか…。ネネちゃんは別れたいんですか?」

ネネ「…まあ、別れたくないわよ」

ひまわり「…意外…。」

ネネ「え?」

ひまわり(―ハッ!)「ご、ごめんなさ…」

ネネ「まあ、子供の頃と比べるとありえないわよね」

ひまわり「…」

ネネ「いつのまにかマサオを格好よくさせて成功してノリで付き合っちゃったんだけどさ…ぶっちゃけ。
   でもいつのまにか好きになっちゃってたみたいだわ」



ひまわり「…マサオくん、ネネちゃんにこんなに愛されてて幸せです」

ネネ「さあ、どうかなあ…」

ひまわり「二人ならまた元に戻れますよ!応援してます」

ネネ「…そう?、ありがとうねひまちゃん」

ひまわり「…いえ…」

ネネ「…ちなみにひまちゃんは風間くんとどう?」

ひまわり「―っ!!…普通、です…」

ネネ「もー!もったいぶらないで教えなさいよ~」

ひまわり「もったいぶってないですよ~!!」

ネネ「そのまま結婚までひとっ走りしなさいよ!」

ひまわり「け、結婚って…。早すぎですよっ」


ネネ「まあとりあえず私とマサオは別れなかったら卒業と同時に同棲するわ」

ひまわり「ど、どうせい!?」

ネネ「そう。前に約束したんだ。」
ひまわり「そうなんですか。」

ひまわり(そういやお兄ちゃんって進路どうするんだろ)

ネネ「なんかマサオの話してたら会いたくなっちゃったよ…」

ひまわり「なら今から会いにいってみては?」

ネネ「…あってくれるかな…」

ひまわり「大丈夫ですよ!ネネさんなら!」

ネネ「…そうだねっ、ありがとう。じゃあお邪魔しました」

ひまわり「いえいえ。気をつけてください」

ネネ「うん。じゃあ…」

ガチャ パタン。

ひまわり(私も、風間くんとこのまま付き合ってたらいつかは同棲とかしちゃうのかな…)

ひまわり(考えらんないや…)

ガチャ

ひまわり(ドキッ)

しんのすけ「ただいまんとひひ~」

ひまわり(お、おにいちゃ…)

ひまわり「おかえりんごじゅーすは100%…」

しんのすけ「…」

ひまわり「…」

しんのすけ「なんかそれ懐かしいぞ!」

ひまわり「そ、そうでしょ?」

ひまわり(子供の頃よくこうやって遊んでたな…)

ひまわり「そういや、今までネネちゃん家に来てたんだよっ」

しんのすけ「おお」

ひまわり「なんかマサオくんとのことで悩んでたみたいだったけど会いにいったよ」

しんのすけ「ほー。そっか」

ひまわり「(ドキン)、お、お兄ちゃんはどこに行ってたの?」

しんのすけ「俺?ケーキ食べてた。あいちゃんと」

ひまわり(やっぱそうだよね…。)

しんのすけ「だからひまわりにもお土産のケーキ」

ひまわり「―えっ…。」

しんのすけ「羨ましがられたら怖いし」

ひまわり「ちょ、もう子供じゃないんだから!!」


しんのすけ「まだ中学生だろ」

ひまわり「お兄ちゃんたら…」

しんのすけ「俺、寝る」

ひまわり「お、おにいちゃ!」

しんのすけ「お?」

ひまわり「ケーキ、ありがとね!」

しんのすけ「へいよ」

ひまわり(えへへ…なんか嬉しいな…)


それから夏休みが来て風間君とは順調に続いて
ネネちゃんはまたラブラブに戻って
ボーちゃんは相変わらず留学したまんまだった。

ひまわり「海行きたいなー」

みさえ「あら、いきたいわねー。あなた家族みんなで行かない?」

ひろし「おー、いいかもな。しんのすけもいくだろ?」

しんのすけ「当たり前。あとシロとシロ1とシロ2とシロ3と…」

ひろし「あーわかったって!みんな連れてくよ!」

ひまわり(シロは子供作っちゃって今では5匹くらいシロと似てる犬がいるんだよね…)

夏休みは普通に楽しかった。
秋。お兄ちゃんの文化祭に遊びにいったり
体育祭も楽しかった。


ひまわり(もう秋だけど…おにいちゃんは進路どうするのかな?)

----
風間「ひまちゃん!」

ひまわり「風間くんっ。お久しぶり!」

風間「やっと塾8日連続おわったよー」

ひまわり「お疲れ様。」

風間「これから進路の準備しなきゃいけないし」

ひまわり「―っ…風間くんは進路どうするの?」

風間「俺?俺は、とりあえず一流の4年制大学通うよ。もちろんひまちゃんと離れるのはいやだから県内。」

ひまわり「か、風間くんったらー!!」
ひまわり(何で、そんなこと簡単にいえるんだろ…)



そして―…

ネネ「ひーまちゃん!」

ひまわり「わあ!…ネネちゃん!」

ネネ「びっくりした?あのねー報告があるんだ!」

ひまわり「?、なんですか?」
ひまわり(なんか嬉しそうな顔…)

ネネ「実は…妊娠しちゃいましたー!!」

ひまわり「…」

ひまわり(にん、しん…?)

ひまわり「えええぇええーーーーー!!」

ネネ「もうすぐ籍入れて、マサオは高校卒業したら就職するんだっ」

ひまわり「そうなんですか…。じゃあネネちゃんは…」

ネネ「私は卒業式出たいから、頑張るよっ!」

ひまわり「そうなんですかっ。頑張って下さい」



ネネ「じゃーねー♪」

ひまわり(ネネちゃん、幸せそうでよかった。)

ガチャ

ひまわり「ただいまー」

みさえ「おかえり。寒くなかった?」

ひまわり「微妙に…。てかお兄ちゃんいる?」

みさえ「いるわよ。居間でテレビ見てるわ」

ひまわり「ちょ、お兄ちゃん!」

しんのすけ「ん?」

ひまわり「お兄ちゃんって進路―…!」

しんのすけ「あ、ひまわり、学校の子からお土産もらったから少しあげる」

ひまわり「…っ、あ、ありがと…」

しんのすけ「俺、シロたちの散歩してくる…」

みさえ「よろしくねー」

パタン


ひまわり(なんか、聞けなかったな…。てかこのお土産美味しい…)

もぐもぐ

みさえ「あ、そういえばひまわり!」

ひまわり「んー?」

みさえ「これから冬でしょ?しんのすけがマフラー買って来てくれたわよ」

ひまわり「…え…これ…?」

ひまわり(超、可愛い…っ)

みさえ「しんのすけのはこの色違いよ」

ひまわり「そ、そうなんだ…ありがと…」

みさえ「しんのすけにちゃんといいなさいよー」


ひまわり「うん!」

ひまわり(最近、お兄ちゃん優しいな…)

----

ガチャ

しんのすけ「ただいまー」

みさえ「ちょっとしんちゃん、早いわよ」

しんのすけ「途中で疲れたからかえって来た」

みさえ「まったくー」

トントン

ひまわり(あっ…お兄ちゃん2階行っちゃう…)

ひまわり「お、お兄ちゃん…っ、ちょ、待っ…」

しんのすけ「ん?」

ひまわり「マフラー可愛いっ。ありがとう」

しんのすけ「おお。どういたまして」

ひまわり(ドキッ)「そ、それだけ…」

パタン

ひまわり(このマフラー…大事に使お…っ)ぎゅ

みさえ「…」
みさえ(しんのすけGJっ)


そして雪が降るほど寒く、真冬になった。

ひまわり「寒くて外出たくないよ~~~っ」

みさえ「仕方ないでしょ!ほらその短いスカートやめなさいよ」

ひまわり「さ、寒くないしっ!!」
ひまわり(いまどき長いなんていやだし)

しんのすけ「ひまー、学校行くぞ」

ひまわり「う、うんっ」

色違いのマフラー。

ひまわり(なんか、嬉しいなっ)


しんのすけ「じゃあ俺ここだから。気をつけていくんだゾ!」

ひまわり「お兄ちゃんもね!」

ひまわり(ってゆっても寒いし、動きたくないよ・・)

ミッチー「もう寒いよお!ヨシリン!」

ヨシリン「大丈夫だよ!二人で居ればあったかいよ!」

ミッチー「もう、ヨシリンったら…///」

ひまわり(ここだけあついな…)

ひまわり「お、おはようございます…」

ミッチー「あら、野原さん家の娘さんじゃない!」

ヨシリン「おはよう。学校?」

ひまわり「はい。相変わらず仲良しですねっ」

ミッチー「仲良しって…///」

ヨシリン「当たり前だろっ///」

ひまわり「じゃ、じゃあまた…」

ひまわり(なんかあの二人にはついていけないや…)

-----

「ばいばーい」

ひまわり「また明日~!」

ひまわり(今日も普通に終わっちゃったな…。まあ平和がいいんだけど)

風間「ひまちゃん!」

ひまわり「か、風間くん!どうしたの?学校まできて…」

風間「一緒に帰ろうと思って待ってた」

ひまわり「そうなんだあ。じゃ一緒にかえろ?」

風間「うん。」

風間「そのマフラー可愛いね。買ったの?」

ひまわり(―ドキッ。)
ひまわり「あ、ありがとう。違うよ。お兄ちゃんにもらったんだ…っ」

風間「へー。しんのすけがかあ。あいつ意外にセンスいいよな」

ひまわり「で、でしょ!?自慢のお兄ちゃんだよ…」

風間「相変わらず仲良くていいな」

ひまわり「お兄ちゃんと色違いなんだよー」

ひまわり(…おにいちゃんの事自慢しちゃった…っ)

風間「そのうちしんのすけに乗り換えるなよー!」


ひまわり(の、乗り換え…?)

ひまわり「お、お兄ちゃんなんだし!ありえないよー風間くんったらー」

風間「そうだな。ってかさ…俺達将来、結婚…しない?」

ひまわり「あははー。そうだねっ…って―…え?」

風間「あ、ごめん。まだひまちゃん中学生だし…」

ひまわり「…」
ひまわり(け、っこん―…)

ひまわり(そうだ。いつかはお兄ちゃんと離れなきゃいけないんだ―…)

風間「今のはためにし言っただけだから。気にしないでね」

ひまわり「う、うん…」

胸がざわつく。

ひまわり(なんか、私お兄ちゃんに依存してるのかな―…?)

風間「じゃあまた明日ね!さっきは変な事言ってごめん」

ひまわり「…大丈夫だよ。ばいばいっ」

ガチャ

ひまわり「…はあ…」

ひまわり(―どうしよう。私今、―すごい動揺してる―…)


しんのすけ「ひまわり?何してんの?」

ひまわり「―っ、別に…。ちょっと寒かっただけ」

しんのすけ「早く部屋に入った方がいいゾ」

ひまわり「そだねっ。あーこたつきもちーぃ」

しんのすけ「そだな」

ひまわり「そういえばお兄ちゃんってよくケツだけ星人とかやってたよねー」

しんのすけ「―っ!俺は…やって…ないぞ…」

ひまわり「あ、もしかして思い出すの恥ずかしいとかー?」

しんのすけ「一瞬の迷いだ」

ひまわり「お兄ちゃん意味わかんないよっ!あはは」


しんのすけ「みかん食べる?」

ひまわり「食べる!」

しんのすけ「ちょっと待ってて」

ひまわり「ごめんね、ありがと」

ひまわり「…、…あれ?」
ひまわり(お兄ちゃんの座っていた横に鞄…?)

ひまわり(学校帰ってきたばっかりなのかな…みちゃお…)

ひまわり「…わっ」
ひまわり(あんまり入ってないよ…。勉強しないのかな…。)

ひまわり「ん?」

ひまわり(…なにこの封筒…)

ひまわり(んーと…東京○○大学…?なんで東京…って―…)

ひまわり「―っ!!!」

バタバタッ!!

しんのすけ「ん?ひまわりどうした?」

ひまわり「お兄ちゃんっ…これっ!!」

しんのすけ「―っ!!な、何見て―っ」

ひまわり「東京の大学行くってどういうこと!?」


しんのすけ「―っ…」

ひまわり「卒業したらあっちで暮らすんでしょ?!」

しんのすけ「ちょ、ひまわ…」

ひまわり「私…お兄ちゃんはずっと傍にいると思ってた…」

しんのすけ「…」

ひまわり「風間くんは…私の傍にいたいから県内なんだって…だから」

しんのすけ「俺は―っ」

ひまわり「お兄ちゃんは…離れても…い…い…っ」
ひまわり(どうしよう、私最悪だよ…。県外の大学行く事なんて普通に良くある事なのに…)


ひまわり(私、馬鹿みたい…。)

しんのすけ「…。」

ひまわり「ごめん、なんでもないや…。勝手にみてごめ…」

しんのすけ「ひまわり。」

ひまわり「っ!」

しんのすけ「東京なんて近所だぞ。今とあんまり変わらないぞ」

ひまわり「―でもっ、その書類にはあっちで一人で住む―って…」


しんのすけ「それは母ちゃんが一人暮らしの勉強しなさいって」

ひまわり「―っそんな」

しんのすけ「もう会えなくなるわけじゃないんだぞ!」

ひまわり「…それでも私は寂しいもん…」

しんのすけ「…ボーちゃんだって今頑張ってる。俺だってみんなのためになるような仕事がしたい!」

ひまわり「お、にいちゃ…」

しんのすけ「オラは強いんだゾ!!…じゃなくて俺…」

ひまわり「…あはっ。子供の頃の口調に戻ってる…っ」


ひまわり(そう。そうだよね―…。お兄ちゃんはただ少しの間だけ離れるだけで…)

しんのすけ「だからひま。お前も俺のあとについていくんだ!」

ひまわり「―っ、…ふふっ。わかったよ…!」

しんのすけ「よし!それでいいんだ!」

ひまわり「お兄ちゃん、馬鹿みたい…」

ガチャ

みさえ「だたいまーってあれ?どうしたの二人とも…」

しんのすけ「あ、母ちゃんおかえり」

ひまわり「おかえり…」

みさえ「その書類っ!しんのすけ、ひまわりに見せたの!?」

しんのすけ「ひまわりが勝手にみた」

ひまわり「えへへ…」

みさえ「そ、それで…」

しんのすけ「大丈夫だったぞ」

みさえ「ほんとう?よかったー。ひまわり、しんのすけにべったりなんだもん」

ひまわり(べっ、べったり!?…嘘…)

みさえ「ひまわり、一緒にしんちゃん応援しようね」

ひまわり「うん!…頑張ってね!」

しんのすけ「当然」

ガチャ

ひろし「しんのすけー!!!合格おめでとー!!!!」

みさえ「あ、あなた!!そんなにご馳走…」

ひろし「たまにはいいじゃないか」

しんのすけ「おー!チョコビもある!」

みさえ「相変わらず好きね」

-----

ひろし「あーおなかいっぱい!俺眠い…」

みさえ「さて、片付けなきゃ!あなたはお風呂入って!」

ひろし「へーい」

ひまわり「…ねえお兄ちゃん。」

しんのすけ「…ん?」

ひまわり「東京の大学いくのはわかったけど…将来何になりたいの?」

しんのすけ「…まだ、秘密」


ひまわり「なんでよー」

しんのすけ「叶ったら教える」

ひまわり「まあいいや。頑張ってね」

しんのすけ「ほい」

ひまわり(本当は正直、寂しい…。この家にほぼ毎日お兄ちゃんがいないって考えるだけで泣きそうになる。
    けど私がこんなんじゃだめだよね!…頑張って、お兄ちゃん)

----

風間「え!?しんのすけ東京の大学いくのか?」

ひまわり「そうみたい。」

風間「ひまちゃんはいいのか?」

ひまわり「うん。寂しいけどお兄ちゃんが決めたことだし」

風間「そっか。ひまちゃんがそういうなら俺も応援するよ」

ひまわり「ありがとう!お兄ちゃん喜ぶよっ」

風間「そうだな。俺も頑張らなきゃ!」

そして私の学校の卒業式とおにいちゃんの卒業式を終えて。
もうすぐ春が来ようとした―。

みさえ「しんのすけ!電車遅れるわよ!」

しんのすけ「あと、チョコビ3個…よし完了だぞ!」


今日はお兄ちゃんが東京に住み始める日。
皆で一緒にホームまでお兄ちゃんを送る。


ネネ「しんちゃん…っネネの事忘れないでね!」

マサオ「たまにはカスカベ戻ってきてね!!」

風間「しんのすけ…。頑張って来いよ」

みさえ「ゴキブリ出てもゴキジェットで一発よ!」

ひろし「ちゃんと寝るんだぞ」

お兄ちゃんはそれぞれ皆に一言ずつ返事をした。
最後までお兄ちゃんは元気だった。

『 上り行きの電車が発車いたします。
  しまるドアにご注意ください 』

ひまわり(―…あ。もうすぐ行っちゃう…)

しんのすけ「ひまわり。」

ひまわり「―っ!!」

お兄ちゃんは私の頭の上に手を置いて
なでてくれた。

ひまわり「お、にいちゃ…っ」

しんのすけ「…すぐ帰ってくるよ。風邪引いちゃ駄目だゾ」

ひまわり「う、うん…!」


プシュー
ガタンゴトン

風間「いっちゃったな…」

ひまわり「大丈夫だよね…。」


お兄ちゃんならきっと大丈夫。
だって私のお兄ちゃんだもん。

―お兄ちゃん。
次会った時は、ケツだけ星人見せてね。




終わり



ひまわり3.jpg



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野原みさえの病気。 [感動]

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野原家
ローンが35年残ったいつもの一軒家
いつものように幼稚園バスが前に止まる
「かあちゃんおかえり~!!」

しんのすけがいつもの挨拶で帰ってくる

「帰って来たらただいまでしょ!」
いつものみさえのお叱り
「かあちゃんおつや~」
「帰ったらまず手を洗ってうがい!」

「昨日やったもん!」

「おバカ!早くしなさい!」

「んも~、我が儘なんだからぁ~」

「ママはお洗濯干してくるからその間にうがいと手洗いしなさいよ!」

「ホイホ~イ」

みさえが庭へ出ていく

「妖怪ケツデカオババはうるさいぞ…」

ぼそっと呟くしんのすけ

「しんちゃ~ん…ちゃんと聞こえてるわよ~…?」

みさえの鋭い眼光がしんのすけに突き刺さる

「て、手洗ってこよ~…」

そそくさと浴室に向かうしんのすけ

手を洗いリビングに戻るしんのすけ

「しんのすけ~うがいはしたの?」

庭からみさえが言う

「これからだゾ~」

冷蔵庫を開けてプスライトを取り出すしんのすけ
それをコップに注ぎうがい

「ガラガラガラー」

ゴクン

「ぷは~、美味しいうがいだったぁ~」

「よし、も一回」

ゴチンッ

「このおバカ!ジュースでうがいなんかしたら駄目でしょ!」

「へぇぇ~」

「罰としておやつ抜き!」

ドスドスと庭に戻るみさえ

「まったくぅ、かあちゃんは怒りっぽいゾ」
うがいを済ませテレビの前に座りビデオを入れるしんのすけ

「アクション仮面はやっぱり良いですなぁ~」

上機嫌でビデオを見るしんのすけ

「たぃ!」

後ろからひまわりが近づいてくる

「お~ひまわり~、一緒にアクション仮面見るか?」

「る~!」

「よしよし、オラが特等席で見せてやるゾ」

ひまわりを抱き上げ自分の足の上に座らせる

「たぁ~!うへへぇ」

うれしそうなひまわり
暫く見入る二人

『正義は勝つ!ワッハッハッハッ!』

お決まりの台詞

「ワッハッハッハッ!」

「わったったったー」
それを真似るしんのすけ
その姿を見て真似るひまわり

「しんのすけ~、おやつよ~」

台所から声が聞こえる

「おおっ?かあちゃんさっきおつや抜きって…」
「ふふっ、良いお兄ちゃんだったからご褒美よ」
「ママって美人////」
みさえに抱き着くしんのすけ

「ふふっおバカ、早く食べなさい」

プリンをテーブルに置くみさえ

「おお~プリンだ!」

大喜びのしんのすけ
一口食べる
「いやぁ~ん、まったりとしてプルプルでしつこくないお味////」

「大袈裟ねぇ~」

微笑みながら言うみさえ

「たいも!たいも!」

ひまわりも食べたいらしい

「あらひまも?はい、あ~ん」

食べるひまわり

「たぁい!うへぇ」

ご機嫌なひまわり

そしてひろしが帰ってくる時間

「ただいま~」

「あなたぁ~ん」

しんのすけが駆け寄る

「おかえり、だろ?」

笑いながらしんのすけを抱き上げるひろし

「しんのすけ~重くなったなぁ」

「そうなのよ~、この前体重計のったら3キロもふえちゃってぇ」

「こらしんのすけ!それはママの事でしょ!」

台所からみさえが顔を出す

「また…増えたのか」

ひろしが問い掛ける

「増えてないわよ!最近減ってるのよ!しんのすけが言ったのは前の事よ!」

「ならいいけど…」

寝室に向かい服を脱ぐひろし

「あなたぁ~、しんのすけとひまお風呂にいれて~」

「えぇ~、お前がいれろよ~」
「オラもとうちゃんとなんてやだゾ~、南明奈ちゃんがいい~」
「たい!やっ!うへぇ(私もいや!小栗旬ならいい~)」

ダンッ!

みさえが捌いていた魚の頭がリビングまで転がってくる

「さぁっしんのすけ、ひまパパとお風呂だぁ!」
「わぁいわぁいパパとお風呂だぁ」
「たぁいたぁい!」

そそくさと風呂場へ向かう三人

「まったくもう…」

料理の支度をするみさえ

「うぇ~い」

三人は仲良く入浴
頭を洗い身体を洗う

「よしそろそろでるぞ~」

浴室からでる三人

「あれ?バスタオルが無い…」

「みさえ~お~い、みさえ~」

呼び掛けるが返事が無い

「なにやってんだみさえの奴…しんのすけ、ママ呼んで来てくれ」

「ほっほ~い」


台所に駆け出すしんのすけ

「まったく…風邪ひいちゃいまちゅね~ひまちゃ~ん」
「ね~」

ひろしとひまが待っていると台所から

「とうちゃん!かあちゃんが!」

しんのすけの声が

「どうした?床でも抜けた…か…」

ひろしが台所へ行くとみさえが倒れている

「みさえ!」

ひまわりをしんのすけに渡すひろし
そしてみさえに駆け寄る

「しんのすけ!救急車だ!」
「ほ、ほい!」

「みさえ!みさえ!」

必死に呼び掛けるひろし
そしてしんのすけが戻ってくる

「とうちゃん!」
「しんのすけ!」
「今20時32分だって!」
「バカ!そりゃ時報だよ!あぁもう!車のが早い!」

服を着替え急いでみさえを担ぎ車に乗るひろしとしんのすけとひまわり
そして病院につき急いで窓口へ

「すいません!みさえが!妻が!倒れて!」
「はい、じゃあまずあちらで書類に記入を…」

淡々と別の窓口を指差す事務員

「バッカヤロー!みさえが大変なんだよ!死んだらどうすんだ!早く医者を呼べよ!」

むなぐらを掴み叫ぶひろし

「は、はい、少々お待ちを」

気圧され医者に連絡をとる事務員

「で、ではこちらへ」

事務員の案内で医者の元へ向かう野原一家

手術室の前でひろしはうなだれている
医者はみさえを軽く調べると顔色を変えすぐに手術室の空きを確認しひろし達には説明しないまま手術室に入った

「みさえ…無事で居てくれ…」
「とうちゃん…だいじょぶだゾ!かあちゃんは強いもん!」
「しんのすけ…そうだな」

しんのすけの頭を撫でるひろし
みさえが手術室に入って1時間ほど経とうとしたその時
手術中の明かりが消え、医者が中から出て来る

「先生!みさえは…みさえは!」

医者に詰め寄るひろし

「先生…かあちゃんは…?」

うるうるしながら問い掛けるしんのすけ

「お父さん…こちらへ」

医者は近くの診察室にひろしを誘う

「とうちゃん…」
「お子さんはうちの看護師に預からせます…」

看護師に手を引かれ離れるしんのすけ
そしてひろしは診察室へと入る

「旦那さん…落ち着いて聞いて下さい…奥様は…胃癌です、それも…かなり進行もしています、普通なら激痛で日常生活もままならない筈なのに…」
「は…?が、癌…先生…嘘でしょう?」
「旦那さん…事実です…奥様は癌…」

医者が言い終わる前に医者につかみ掛かるひろし

「ふざけんな!昨日まで…いやついさっきまで元気だったんだみさえは…さっきまで…元気だったんですよ先生…なのに…なんで癌なんですか!みさえが何したって言うんだよ!」
「奥様は貴方に心配をかけまいと気丈に振る舞っていたんだ!旦那さん!今の奥様に一番必要なのは貴方の支えですよ!」

その言葉を聞き手を離し崩れ落ちるひろし


「旦那さん、私たちも全力を尽くします…」
「はい…お願いしますみさえを…助けて下さい…」

涙声で言うひろし

「お子さんには言わないほうが…」

「いえ…息子には…しんのすけには伝えます…」
「しかし…」
「あいつは…男です…みさえを守ってやるのはあいつと俺の仕事なんです…しんのすけならわかると思います…必ず…」

ゆっくり立ち上がり診察室を出てしんのすけのいるナースステーションへ向かうひろし

「とうちゃん!」

ひろしの姿をみるやいなや駆け寄るしんのすけ

「しんのすけ…とうちゃん話しがある、男同士の大切な話だ」

「ほ、ほい…」

しんのすけの目線に合わせてしゃがむひろし

「しんのすけ…いいか…よーくとうちゃんの言うことを聞くんだ…かあちゃんは…みさえは…とっても重い病気なんだ…もしかするとかあちゃんは…」

「かあちゃんしんじゃうの?」

「…」

しんのすけの問いかけに黙ってしまうひろし

「うそだ…とうちゃんオラを騙そうとしてるんでしょそうでしょ?」

「しんのすけ…本当なんだ…これからは」

「かあちゃんの病気なんかやっつけてよ!とうちゃん強いんでしょ!大人でしょ!」
「とうちゃんにも病気は倒せないんだ…」
「父ちゃんのおバカ!父ちゃんの弱虫!かあちゃんが死んだらとうちゃんのせいだぞ!」

「!…しんのすけ!」

パシンッ
しんのすけの一言にカッとなりしんのすけを叩くひろし

「あっ、しんのすけ…すまん」
「とうちゃんのおバカ!」
「しんのすけ!」

しんのすけはそのまま何処かへ走り去ってしまう

「(かあちゃんは死なないゾ…かあちゃんは絶対絶対)」

手術室に走るしんのすけ
その時

「…」

みさえが手術室から病室に移動するために運ばれている

「かあちゃん…」

その場に立ち尽くすしんのすけ

「…」

「しんのすけーっ!しんのすけーっ!」

しんのすけを探し回るひろし

「やっぱり…あいつにはまだ早かったんだ…俺は馬鹿だ…大馬鹿だ…」

「んも~とうちゃんうるさいゾ、病院はしずかにしなきゃ~」

しんのすけがトイレから出て来る

「しんのすけ…!」

駆け寄り抱きしめるひろし

「しんのすけ…すまん!とうちゃんが悪かった!」
「んーん…とうちゃん」
「なんだ?」

離ししんのすけの目を見るひろし

「オラ…かあちゃんを病気からお守りするぞ…!」
「しんのすけ…」
「オラ男だもん…かあちゃんは女だから男が守らなくちゃいけないんだゾ!ね?とうちゃん!」
「ああそうだ…!かあちゃんを守るのは俺達だ…」
「あとひまわりもだゾ!」
「そうだな…そうだな…」

しんのすけをきつく抱きしめるひろし

「とうちゃん苦しいゾ…」

しんのすけも堪え切れなかった涙を流す

翌朝
しんのすけとひろしとひまわりはみさえの病室でうたた寝していた

「ちょっとあなた!しんのすけ!」

跳び起きる三人

「なんでこんな所にいるの!?会社は?幼稚園は?」
「み、みさえ…」
「かあちゃん…」

みさえに抱き着く二人

「ちょちょっと!」
「みさえ!愛してるぞ!」
「かあちゃん愛してるゾ!」
「たいやい!」

しんのすけ、ひまわり、ひろしが抱き着き

「なにおバカな事言ってるの!」
「しんのすけ、父ちゃんはかあちゃんと話があるから…な?」
「ほ、ほい、ひま行くぞ」

ひまわりを抱っこして病室を出るしんのすけ
ひろしは昨日医者と話しみさえにも病気を告げることにした、これから長い闘病生活が始まる、途中で気付くより自分から伝えたいというのがひろしの気持ちだった
「ひま…」
「たい?」

病室の廊下の椅子に座りひまわりに話し掛けるしんのすけ

「ひまもオラが絶対お守りするゾ、かあちゃんがいなくてもオラが居るからかあちゃんがいなくなっても泣いちゃ駄目だゾ?」
「うぇ…」

泣きそうになるひまわり

「…たい!」

しかし涙を堪えしんのすけの言葉がわかったように返事をする

「おぉっ!それでこそオラの妹だゾ、偉いゾひまわり」

「みさえ…」
「やだなぁに、真面目な顔しちゃって~」
「真面目な話だいいな…?」
「う、うん…」
「おまえのな…病気…は」
「…」
「癌…だ…」
「!…」
「辛い宣告なのはわかってるでも!これは俺達家族四人が一体になって乗り越えなくちゃならないことだからおまえに話した…」
「…」
「みさえ…?」

押し黙っているみさえ

「…のすけは」
「ん?」
「しんのすけは知ってるの?」
「…あぁ…かあちゃんはオラがお守りするって…」
「そう!」

顔を上げひろしに笑顔を見せるみさえ

「みさえ…おまえ…」
「しんのすけがあんなに明るく振る舞ってるんだもの…母親の私がうじうじしてられないわよ…!」
「みさえ…」

みさえを抱きしめるひろし

「みさえ…頑張ろう…生きよう、生きてしんのすけとひまを一緒に育てよう…みさえ」
「あなた…」

「とうちゃん…もう入っていい?」

扉の外からしんのすけの声がする

「あ、あぁ…!」

入ってくるしんのすけとひまわり

「ほらしんのすけ!幼稚園行きなさい!あなたも会社!」

「あ、あぁ、また夜来るからな!」
「ひまは幼稚園に連れてってオラが見てるゾ!」
「あら、ひまはママと居ても大丈夫よ」
「え!?」
「ひまを面倒見られないほど疲れてないわよ」
「ひまだけかあちゃんといるなんてずるいゾ!」
「なぁにいってんの、ほらひまこっちいらっしゃい」

ひまをしんのすけから受け取ろうとするみさえ

「や~ん!めっ!」

しんのすけの服を掴んで話さないひまわり

「いや~ん、ケダモノォ~」
「もしかしてひま、しんのすけと居たいんじゃないか?」
「おぉっ、そうなのかひま?」
「た~よた~よ」

そうだと言わんばかりにしんのすけにしがみつくひまわり

「ひまはオラが見るから、かあちゃんは早く病気をやっつけてよ!」
「しんのすけ…」

潤むみさえ

「わかった!まかせたぞ、おに~ちゃん」
「まかせとけだゾ!」

「よし、とりあえず今日は父ちゃんと一緒に幼稚園行くぞ、色々園長先生やよしなが先生に説明しなきゃいけないから」
「よろしくねあなた」

「よし!行くぞしんのすけ!」
「ほい!」

病室を出るひろし
その後にしんのすけも続くが病室を出る直前に振り返り

「かあちゃん、病気なんかかあちゃんのでっかいおけつで潰しちゃえばいいんだゾ!」
「こら!しんのすけ!」
「でもかあちゃんがどうしてもって言うなら、オラと父ちゃんがかあちゃんをお守りするからね…」
「しんのすけ…」

「たいも!たいも!」
「おおっ、ひまもかあちゃんをお守りするって!」
「…ありがとう」

「それじゃかあちゃん、また来るゾ~」

元気良く走り去るしんのすけ

「いつの間にかおっきくなっちゃって…」

その後ろ姿に頼もしさを覚えたみさえだった


一ヶ月後
みさえは今だ病室だ
しかし一つ大きな違いがある
みさえの髪は全て抜け落ちてしまっている
抗がん剤の副作用だ 
「かあちゃ~ん!」
「しんのすけ!病院では静かにしなさい!」
「まぁまぁ、しんのすけだってさびしいんだろう」

病室に幼稚園の制服を着たしんのすけ、スーツ姿のひろし、ひまわりが入って来る

「今日はかあちゃんにお土産があるゾ」
「あらなにかしら」

「キャン!」

「し、シロ!」
「シロもかあちゃんに会いたいって言ってたから…」
「しんのすけ…」
「くぅ~ん…」

みさえの頬を舐めるシロ

「シロ…ありがと、しんのすけをよろしくね」

シロの頭を撫でるみさえ
気持ち良さそうなシロ

「あっ、やばい遅刻だ!」

ひろしが時計を見て叫ぶ

「しんのすけ!行くぞ!」
「ほい!ひまも行くぞ!」
「たい!」

慌ただしく病室を出る三人と一匹

「いってらっしゃ~い」

窓の外にいる三人と一匹に叫ぶみさえ

「いってきまぁす!」

それに答える三人と一匹



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幼稚園に着いたしんのすけ
そこには風間くん、ネネちゃん、まさおくん、ぼーちゃんが居る

「しんのすけ!おはよう!」
「おぉ!風間くぅん////」
「しんちゃん!おはよ!」
「しんちゃんドッチボールやろうよ!」
「よ~しやるゾ!」
「ボ~」

マサオの頭を掴むしんのすけ

「僕はボ~ルじゃないよぅ~」
「おおっ、違うのかぁ」
「ひまちゃんはネネとおままごとしましょ~」

ひまわりを抱き上げるネネ

「おおっ」

ボ~ルが明後日の方向に飛ぶ
するとボールを拾う園児

「へっへっへ~」

あのお馴染みのいじめっ子二人組だ

「おいしんのすけ~」
「お前の母さんさぁ~」
「!?」

「おい!止めろよ!」

二人組に詰め寄る風間君

「お前の母さんは癌でさぁ」
「ハゲてるんだろ~?」
「…」
「ちょっと止めなさいよ!」
「ボー!」

仲間達が集まる

「お前達もしんのすけなんかと遊んでるとはげるぞ~」

「や、やめろよ!」

後ろから声がする
なんとマサオ君だ
「なんだよマサオ~」
「俺達に逆らうってのか~?」
「うるさい!しんちゃんが…しんちゃんが…」
「もういいゾマサオ君」
「しんちゃん…」

「オラのかあちゃんは…確かに髪の毛無いゾ…でも…でも」

プルプル震えるしんのすけ

「マサオ君だって無いんだゾ!!」
「…」
「……」
「………」

沈黙

「お、おいしんのすけ…」

「でもオラ、マサオ君大好きだゾ、ネネちゃんも、風間君も、ボーちゃんも、もし髪の毛が無くなってもオラは皆が大好きだゾ!」

「しんのすけ…」

「それにオラのかあちゃんは病気と戦ってるんだゾ!それを馬鹿にするのはゆるさないゾ!」
「な、なんだよ…」
「俺達とやろうってのか?」

構える二人組

「やってやろうじゃないのよ!」
「ボー!」
「う、うん」
「かすかべ防衛隊ファイヤー!」

構える仲間達

「へ、へん!」
「行こうぜ!」

去る二人組


「みんな…」
「しんのすけ、安心しろよ、しんのすけのママだってかすかべ防衛隊皆で守るからさ」
「そうよしんちゃん!大丈夫よ!」
「ボー!」

しんのすけを激励する風間君、ネネちゃん、マサオ君、ボーちゃん

「大丈夫だゾ!かあちゃんは病気なんかに負けないゾ!」
「その意気だしんのすけ!」
「よし!今日はぱーっとリアルおままごとよ!」

ネネちゃん大ハリキリ

「お、オラちょっとお腹が…」
「ぼ、僕も」
「ボー」

そそくさ去る三人

「ま、まってよ~」
「マサオ君は、やるわよね?」
「ぼ、僕もお腹が…」

ドスッ
うさぎのヌイグルミに一発

「やれ、オニギリ」
「うぇ~ん」

マサオの悲しい叫びがこだまする

そして幼稚園が終わりしんのすけとひまわりは病院へ幼稚園バスで送ってもらう

「ほっほ~い、かあちゃんおかえりぃ~」
「たったぁ~い!」
「帰って来たらただいまでしょ!」
「そうとも言う~」
「まったく…ゴホッゴホッ」
「かあちゃん?大丈夫?」

癌はみさえの身体を着実に蝕んでいた
頬はこけ、腕もかなり細くなった

「大丈夫?お医者さん呼ぶ?」
「大丈夫よ、ありがとうしんのすけ」
「ほ、ほい…」
「ほら…手を洗ってらっしゃい、今日隣のおばさんがプリンお見舞いに持ってきてくれたから食べよ」
「プリン?ほっほ~い」

元気良く病室を出るしんのすけ

「ふっふ~ん、プリ~ン」

しんのすけが病室に戻ろうと歩いていると、病室からひまわりの泣き声が聞こえる

「んも~ひま、かあちゃんに心配かけちゃ駄目だ…ゾ…」

しんのすけが病室に入るとそこには血を吐いてうずくまるみさえの姿があった

「かあちゃん!」
「びぇ~ん」
「かあちゃん!かあちゃん!」

いくら呼び掛けても返事は無い


そしてみさえはそのまま集中治療室に入った

「しんのすけ!」
「父ちゃん!」

ひろしが息を切らして走って来る
ひろしに抱き着くしんのすけ

「かあちゃんが…かあちゃんが…!」
「しんのすけ!大丈夫だ、父ちゃんが来たからな大丈夫だ…!」
「野原さん…」

医者が話し掛ける

「先生!みさえは…みさえは!」
「旦那さん…お子さんを…」
「しんのすけ…父ちゃん先生と…」
「やだ!」
「しんのすけ…」
「オラはかあちゃんをお守りするんだゾ!絶対絶対動かないぞ!」
「…先生、こいつにも…しんのすけにも聞かせて下さい…」

「わかりました…」

「奥様は…このままお亡くなりになるまで意識を取り戻さない可能性が高いです…」
「…!」
「奥様の体は衰弱しきっています、今は点滴と酸素を送り込む事によって延命治療をしているに過ぎません…」
「そんな…」
「旦那さん…そしてしんちゃん…覚悟はしておいて下さい…」

集中治療室のガラスの向こう側
みさえが横たわっている
心電図の無機質な電子音だけが虚しく聞こえていた


みさえが意識を失ってから二ヶ月が経った
そして野原一家はある決断を迫られる

「かあちゃんおかえりー!」

ガラス越しにみさえに話し掛けるしんのすけ

「今日ね、マサオ君がまたネネちゃんに怒られて泣いちゃったんだゾ~」

幼稚園かばんから紙を取り出す

「ほらみてかあちゃん、オラ今度のおゆうぎ会で浦島太郎やるんだゾ、風間君が浦島太郎で、ネネちゃんが竜宮城のお姫様、オラは亀の役だゾかあちゃんも見に来てよね!」

嬉しそうに話し掛けるしんのすけだが、みさえからの反応は勿論無い
そこにひろしが沈痛な面持ちでやってくる

「しんのすけ…ちょっとこい」
「…ほ~い」

廊下に出る二人

「しんのすけ…かあちゃんをな…」
「…」
「もう休ませてあげよう…」
「…!」

「休ませる…?」
「今かあちゃんはとっても疲れてる…このままかあちゃんに辛い思いさせたくないだろ…?」
「かあちゃん死んじゃうの?」
「…先生が、かあちゃんが一番良い方法で休ませてくれるらしい…」
「…」
「しんのすけ…わかるな…?」
「わからないゾ!オラ子供だからわからないゾ!」

再び集中治療室にもどるしんのすけ
そしてガラス越しにみさえに話し掛ける

「かあちゃん起きろ!かあちゃん!雨降ってきたゾ!洗濯物濡れちゃうゾ!」
「しんのすけ…」

その様子を後ろから見て涙を流すひろし

「かあちゃん!父ちゃんがまた女の人の香水の匂いつけて帰ってきたゾ!ひまわりがお腹空いたって泣いてるゾ!」

涙を流しながら叫ぶしんのすけ

「かあちゃん!オラまたケツだけ星人やっちゃうゾ!戸棚のお菓子食べちゃうゾ!かあちゃん!オラのおゆうぎ会見に来てよ!かあちゃん!」

「しんのすけ…!」

しんのすけを後ろから抱きしめるひろし

「父ちゃん…うわぁ~ん!」
「しんのすけ…泣け沢山泣くんだ、泣いていいんだ…」
今までの涙が一気に押し寄せた様に涙を流すしんのすけ
「し…んの…すけ」
「!」

みさえの声が聞こえた気がした

「みさえ…?」
「かあちゃん…?」
「や~ねぇ…二人ともなに泣いてるの…」

みさえに目をやればみさえが目を開けてこちらを見ている

「先生…先生!」

先生を呼びに走るひろし

「かあちゃん…起きたの?」
「しんのすけ…アンタ幼稚園は…」

そこにひろしが医者を連れて戻ってくる

「これは…」
「先生!みさえは…みさえは治ったんですか!?」

ひろしの問いに首を振る医者

「患者さんにはよくあるんです…亡くなる前に最後の力を振り絞って一時期だけ回復する事が…」
「そんな…」
「次倒れたら…」
「…」
「野原さん…どうしますか…このまま入院を続ければ今の回復の状態を長引かせる事は出来ます、しかしそれも焼け石に水です…それならば」
「先生…みさえを…退院させてやってください…」
「野原さん…」
「最後に…最後にみさえとしんのすけとひまわりとシロで思い出を作りたいんです…」
「…わかりました、すぐに手続きをしましょう…」

去る医者

「しんのすけ…みさえ…帰ろう、家へ」

そしてみさえは家に帰って来た
野原家に久しぶりの明るい笑い声が響く

「しんのすけー、準備できたの~?」
「ほっほ~い、バッチリだぞ!」
「よ~し、じゃあ行くか!」

野原家はドライブに出掛けた、勿論シロも一緒だ

「まずは何処行くか」
「ほいほい!オラ最近出来たアクション仮面ミュージアム行きたいゾ!」
「しんのすけ~、今日はみさえの…」
「あら良いじゃない、行きましょうよ」
「そうよひろし~、出世できないわよ~」
「出世は関係ないだろ出世は!」

いつもの空気が流れる車内

そんなこんなで結局アクション仮面ミュージアムに到着

「ほっほ~い!かあちゃんとうちゃん早く早くぅ~ん!」

走り回るしんのすけ

「ほらしんのすけ!走ると危ないわよ!」
「平気平気ぃ~」
「まったくもう…」
「ほら行こうみさえ」
「たい!」
「キャン!」
「シロはヌイグルミのフリしてなさいよ!」
「くぅん」

中に入る野原一家

「おぉ~、アクション仮面が沢山いるゾ!」
「ふふっ、しんのすけったらあんなにはしゃいじゃって…」
「みさえと久しぶりのお出かけだからな、嬉しいんだよ」
「父ちゃん父ちゃん!あっちに美人なおねいさんがいるゾ」
「なっなに?何処だしんのすけ!」


みさえの鋭い眼光

「あなた…後でお話が」
「お、お話だけで終わる?」
「父ちゃんなんで膝が震えてるの?」


ミュージアムから出て来る野原一家
しんのすけの手にはみさえの手がしっかりと握られている
勿論ひろしは荷物持ちだ

「楽しかったゾ~」
「すっかり日が暮れちゃったわね~」
「おい!少しは持ってくれよ!」
「あらや~ねぇ男の癖に」

「力はかあちゃんのが上だけどね…」
「その通りだしんのすけ」

カキーン
コキーン

「さっ、帰るわよ」

ひろしとしんのすけの頭にはでっかいたんこぶ

「キャッキャッ、うへぇ~い」

その様子を見てひまわりも楽しそうだ

「あ、帰る前に一カ所寄りたい場所が…」
「ん?どこよ?」
「まぁ着いてからのお楽しみって事で!」

ひろしが車に乗り発車させる
「父ちゃんどこ行くの~?」
「まぁすぐわかるよ

そして車が停まる
そこは北千住駅

「ここ…」
「そう、俺がみさえにプロポーズした場所…野原一家が始まった場所だ」
「あなた…」
「ここでとうちゃんとかあちゃんは結婚したの?」
「う~ん、俺がかあちゃんに結婚してくださいってお願いしたんだよ」
「ひろしの転落人生の幕開けの場所か…」
「しんのすけ、よくわかったな」

カキーン
コキーン
やっぱりたんこぶが出来る

「じょ、冗談だよみさちゃ~ん」
「まったく…!」

ぷりぷり怒るみさえ

「かあちゃん、とうちゃん」
「ん?どうしたのしんのすけ」
「そんなに痛かったか?」
「んーん…あのね」

ひろしとみさえを見つめるしんのすけ

「とうちゃん、かあちゃん、オラを二人の子供にしてくれてありがとうだゾ!」

「しんのすけ…」

「あと、ひまわりをオラの妹にしてくれてありがとう!」

「しんのすけ…」

涙を流すみさえ

「ちきしょう!バカヤロウ!なんだか目が痛いぜ!ほらみんな並べ写真撮ろう!」

ひろしが涙を堪えみんなを並ばせる

北千住駅前に並ぶ野原一家

「しんのすけ…」
「ひまわり…」

みさえとひろしがしんのすけとひまわりに話し掛ける

「ん…なぁに?」

「俺達の子供になってくれてありがとう」

カシャ
シャッターの下りる音
その写真にはいつもと変わらない野原一家の幸せな風景があった

北千住駅で写真を撮って一年の月日が流れた
しんのすけは少し背が大きくなった
今年小学一年生だ
ひまわりは少しだが言葉を喋る事が出来るようになった
ひろしは相変わらず係長だ

「ひま~?」
「う?なにおにたん」

みさえが居たが今は誰もいない病室のベットにひまわりとしんのすけが座って居る

「オラこれから小学生だゾ、だからひまわりが何かあったらオラが今までよりもっと沢山お守りするから、オラに言うんだゾ?」
「ほい!」

ひまわりは完全にしんのすけ似だ

「おにたん」
「どーしたひまわり?」
「おちっこ」

急いでひまわりをトイレに連れていくしんのすけ

「もぅ~、全くぅ、手のかかる妹だゾ」

「ひま、ちゃんと出たか?」
「ほい!」
「よし、じゃあいくゾ」

ひまわりと手を繋ぎ歩き出すしんのすけ

「先生…ありがとうございました…」

病院の前ではひろしが先生に頭を下げている

「ほっほ~いとうちゃ~ん」
「ひろち~」

しんのすけとひまわりが歩いてくる

「こらひま!ひろしじゃなくてパパだろ!」
「ほい!」
「わかったか?」
「ほい!ひろち!」
「駄目だコリャ…」
「とうちゃん早く行こうよ!」
「あぁ、そうだな…それじゃ先生…また」
「はい、お元気で」


車に向かって歩き出す三人


「ほっほ~いオラ助手席~」

ドアを乱暴に開けるしんのすけ

「しんのすけ!」
「ほいほ~い」

やり直し丁寧に開けて閉めるしんのすけ

「まったくぅ~妖怪ケツデカオババは相変わらずうるさいぞ~」
「なぁんですって!?」

グリグリグリ~

「ぬおぉ~ん、何だか久しぶりだゾ~」

後部座席にはみさえの姿
北千住駅で写真を撮ったあの後、みさえの病状は悪くなる所か快方に向かっていったのだ
医者もこれには驚き奇跡としか表現出来ないと言った

癌の腫瘍も小さくなり手術で簡単に切り取れた
そして、リハビリを重ね今日ついに退院の時であった

「よし!帰るか我が家に!」

ひろしがエンジンをかけ、発車する

「あなた、しんのすけ、ひまわり…」
「なぁにかあちゃん?」
「どうしたみさえ?」「かーたん?」

「守ってくれてありがとう…」
「…へへっ、気にすんなよみさえ」
「なよー」
「そうだゾ、これからも母ちゃんはオラがお守りするゾ!」

涙を堪えるひろし
涙を流すみさえ
少し大人になったしんのすけ
少し大きくなったひまわり


「よし!しんのすけ着いたぞ!」
「あんた入学式で変な事しないでよ~」
「大丈夫だゾ!オラお兄ちゃんだもん!」

胸を張るしんのすけ

「よ~し、写真撮るぞ!」

校門の前に並ぶ野原一家

「はい!チーズ!」

カシャ

写真に写ったのは笑顔に溢れた野原一家
これから先もずっと
この笑顔が続きますように…







終わり



みさえ2.jpg




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しんちゃんが大人になったときの話。 [感動]

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みさえ(71)「なあに、まだまだ大丈夫だよしんのすけ」

しんのすけ「そう言って無理してたらいつか倒れちゃうよ母さん」

ひろし(77)「そうだぞみさえ、あまり無理はするなよ」

しんのすけ「父さんもだよ、あまり無理しないでよ、倒れてからじゃ遅いんだから」

ひろし「分かってるよしんのすけ、心配するな」

みさえ「そうよしんのすけ、いつまでも元気なのが野原家なんだから」

ひろし「みさえの言うとおりだ、まだまだ足腰も丈夫だしな」

しんのすけ「なら良いんだけどね、じゃあ仕事行ってきますいか割り」

みさえ・ひろし「行ってらっしゃいのししの突進」


社員A「主任、こちらの書類確認お願いします」

しんのすけ「分かった」

社員B「主任、そろそろ取引先へ行く時間です」

しんのすけ「もうそんな時間か、少し待って」

社員B「分かりました」

しんのすけ「(ふう、今日も忙しいな・・・)」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~

しんのすけ「・・・ではこれからよろしくお願いします」

取引先「うん、よろしく頼むね」

しんのすけ「はい、ありがとうございました、それでは・・・」

社員B「お疲れさまです、無事取引成立して良かったですね」

しんのすけ「そうだな」


社員B「少し休憩していきますか?」

しんのすけ「・・・そうだな、少し疲れたから休憩しよう」

社員B「ではそこのファミレスによりましょう」

しんのすけ「ガストか」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~

しんのすけ「美味かったな」

社員B「はい、食事ありがとうございます」

しんのすけ「気にするな」

社員B「・・・ではそろそろ戻りましょうか」

しんのすけ「そうするか」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

しんのすけ「・・・じゃあお先に失礼します」

社員一同「「「お疲れさまでした」」」

しんのすけ「うん、お疲れさま」

しんのすけ「(・・・母さん達にお土産でも買って帰ろうかな)」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

店員「イラッシャッセー」

しんのすけ「(たまには父さんと一緒に酒でも飲むかな・・・)」

しんのすけ「すいません、これを」

店員「ハイ、サケトヤキトリノニテンッスネ」

店員「アリアッシター」


しんのすけ「(父さんと酒を飲むのはいつぶりかな・・・)」


しんのすけ「(今日も冷え込んでるな・・・)」

しんのすけ「・・・早く帰ろう・・」

?「あれ?もしかしてしんのすけか?」

しんのすけ「誰だ?」


風間「僕だよ、風間トオル」

しんのすけ「風間君か、久しぶりだね」

しんのすけ「こんな所でどうしたんだ?」

風間「取引先に挨拶に行く途中なんだ、これでも一応社長だからね!」

しんのすけ「やっぱり風間君は凄いね」

風間「そんな事無いよ、それより挨拶に行った後帰るつもりだったんだけど、挨拶が済んだ後一緒に飲みに行かないか?すぐに済むからさ」

しんのすけ「・・・いや、今日は遠慮しとくよ」

風間「そうか?残念だ」

風間「じゃあ今度五人で集まって飲みに行こうよ、色々つもる話もあると思うしさ」

しんのすけ「うん、そうだね、今度皆で飲みに行こうか」

風間「約束だぞ?」

しんのすけ「うん、約束だ、楽しみにしとく」

風間「よし、じゃあそろそろ行くよ、またな」

しんのすけ「うん、さよなら」


しんのすけ「(五人で飲みに・・・か、五人集まるのは何年ぶりかな・・・)」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

しんのすけ「ただいまンドリル」

みさえ・ひろし「おかえりンス」

みさえ「少し遅かったわね、何かあったの?」

しんのすけ「うん、風間君と会ってね、少しだけ話してたんだ」

ひろし「風間君か、お前ら仲良かったもんな」

しんのすけ「うん・・・そうだ、父さん酒と焼き鳥買って来たんだ、熱燗にして一緒に飲もう」

ひろし「お、良いねぇ!」

みさえ「じゃあちょっと用意してくるわね」

しんのすけ「ありがとう、母さん」

ひろし「乾杯!」
しんのすけ「乾杯」

ひろし「~~~ッ、か~うめぇ!!」

しんのすけ「~~~、ッフウ 体が暖まるね・・・」


ひろし「・・・こうしてお前と一緒に酒を飲むのも久しぶりだな・・・」

しんのすけ「・・・そうだね・・」

ひろし「・・あと何回こうしてお前と酒が飲めるか・・・」

しんのすけ「父さん・・・」




しんのすけ「・・・焼き鳥忘れてた、食べよう」

ひろし「・・・そうだな、食うか」

ひろし「・・・あぁ、そうだ明日ひまわりが実家に帰ってくるみたいだぞ」

しんのすけ「ひまわりが?」

ひろし「あぁ、父さん達の顔が見たくなったらしい」

しんのすけ「・・・夫婦喧嘩じゃないのか、安心した」

ひろし「ハハハ、あのおしどり夫婦が喧嘩なんかしないって」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

しんのすけ「じゃあそろそろ寝ようか」

ひろし「もう寝るのか?明日は日曜何だからもう少し大丈夫だろ」

しんのすけ「ハハッ、ひまわりが帰ってくるのに、もしも寝坊何かしたら大変だからね」

しんのすけ「今日はもう寝る事にするよ」

ひろし「そうか、おやすみ」

しんのすけ「おやすみ」



しんのすけ「(明日はひまわりが帰ってくるのか)」

しんのすけ「(久しぶりにひまわりに会えるな)」

しんのすけ「(風間君にも会ったしな)」

しんのすけ「(五人で飲みに行く・・・か、懐かしいな・・)」

しんのすけ「・・・今日も色々あったな、そろそろ寝よう・・・」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

しんのすけ「・・おはよう」

みさえ「おはようしんのすけ」

しんのすけ「・・・あれ?父さんは?」

みさえ「まだ寝てるわ、昨日飲み過ぎたみたい」

しんのすけ「そうなんだ」

しんのすけ「・・・ひまわりは何時くらいにくるの?」

みさえ「昼位じゃないかしら?」

しんのすけ「昼、か」

しんのすけ「・・・まだ時間あるから、散歩にでも行ってくるよ」

みさえ「あら、そう?行ってらっしゃい 遅くならないようにね」

しんのすけ「うん、行ってきます」



しんのすけ「(・・・何かお菓子でも買うかな)」

テロテロリーン♪

店員「イラッシャッセー」

しんのすけ「(お菓子とコーヒーでも買うかな)」



しんのすけ「すいません、これで」

店員「ハイ、ポテチトカールトカラムーチョトボスノヨンテンデスネ」

店員「アリアッシター」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~

しんのすけ「ただいまんぼう」

みさえ・ひろし「おかえりんごあめ」

しんのすけ「あっ、父さん起きたんだね」

ひろし「おう、まだ頭がガンガンするけどな・・・」

みさえ「もう、飲み過ぎよあなた」


しんのすけ「もうすぐひまわり来るんじゃない?」

ひろし「もうそんな時間か」

みさえ「あなたはずっと寝てたからね」

ひろし「面目ない」



ピンポーン

みさえ「あら、来たみたいね」



ひまわり(42)「ただいまラカス」

ひろし・みさえ・しんのすけ「おかえりレー競争」

ひまわり「皆、久しぶりだね」

みさえ「本当だね」

ひろし「よし、早く上がれ、外は寒いだろ」

ひまわり「うん、そうするよ」


しんのすけ「ひま、おかえり」

ひまわり「ただいま、お兄ちゃん」

しんのすけ「ほら、色々お菓子あるぞ、どれ開ける?」

ひまわり「うーん、チョコビはないの?」

しんのすけ「まだ10個位あったと思うぞ、持ってこようか?」

ひまわり「本当にチョコビ好きだね」

しんのすけ「これだけは年をとっても美味いよ」


みさえ「ひまわり、最近どう?夫とは仲良くやってる?」

ひまわり「うん、もう24年位たつけどね、いまでも仲良しだよ」

みさえ「そう、良かったわ」

ひろし「お前らは本当に仲良しだな」

しんのすけ「安心したよ」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ひまわり「じゃあそろそろ帰るよ」

ひろし「もう帰るのか?」

みさえ「まだ夕方だし良いじゃないの」

ひまわり「私もまだ居たいけど、夕飯の支度があるから」

ひろし「そうか、残念だ」

ひまわり「大丈夫だよ、またすぐ来るから!」

みさえ「うん、またねひまわり」

しんのすけ「さようなら、ひまわり」

ひまわり「うん、さようなら、お兄ちゃん」


ひまわり「さようならいおーん」

みさえ・ひろし・しんのすけ「さようならっぱー」



ガチャッ



ひろし「・・・帰っちゃったな」

みさえ「もう少し一緒に居たかったけどねぇ」



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ヴゥゥゥ ヴゥゥゥ ヴゥゥゥ

しんのすけ「(ん?メールか・・・)」

件名 飲みに行こう

五人で飲みに行こうって約束覚えてるか?
今日皆に声かけたら大丈夫らしい
8時位にいつもの居酒屋に来れるか?


しんのすけ「(風間君からか・・)」


うん、大丈夫だよ
8時にいつもの居酒屋だね


しんのすけ「(・・・こんな感じか、送信)」ピッ


ひろし「ん?どうしたんだしんのすけ?」

しんのすけ「今、風間君からメールが来て、五人で飲みに行こうって」

みさえ「五人ってあのいつもの五人組ね、懐かしいわ」

しんのすけ「うん、8時に居酒屋だって」

ひろし「そうか、楽しんでこいよ、しんのすけ」


しんのすけ「うん、楽しんでくるよ、父さん」



~7時36分~


しんのすけ「(・・・そろそろ行くかな)」

しんのすけ「じゃあそろそろ行くよ」

みさえ「行ってらっしゃい、夜道に気を付けてね」

ひろし「行ってらっしゃい、数年ぶりに全員が揃うんだ、楽しんでこい」

しんのすけ「うん、行ってきます」


しんのすけ「(五人全員、春日部防衛隊か・・・懐かしいな)」

しんのすけ「(高校でバラバラになっても、しょっちゅう会ってたもんな)」


しんのすけ「(・・成人してからだったっけな、あまり会わなくなったのわ)」

しんのすけ「・・・」



~7時54分~

しんのすけ「(・・・ちょっと早かったかな)」


風間「お~い、しんのすけ~」

しんのすけ「あ、風間君」

風間「早かったな、しんのすけ」

しんのすけ「うん、ちょっと早かったね」

風間「う~、寒い 先に中に入ろうか」

しんのすけ「そうしよう」

風間「何頼む?」

しんのすけ「まだ二人だけだしね、とりあえず生で良いんじゃない?」

風間「そうだな、すいませーん!生二つお願いしまーす!」


風間「最近どうだ?」

しんのすけ「う~ん・・・まぁ、ぼちぼちかな、それなりに上手いこといってるよ」

風間「そうか」

しんのすけ「風間君は?」

風間「俺か?俺もぼちぼちだ、会社もそれなりに大きくなっていってる」

しんのすけ「そうか」



店員「お待たせしましたー生二つですねー」

しんのすけ「はい、そうです」

風間「お、きたきた」


風間「じゃあ乾杯しようか」

しんのすけ「そうだね」


「「乾杯」」


風間「~~~ッ、アー 美味いな!」

しんのすけ「~~~、 ッふう そうだね」

風間「しかし残りの三人が遅いな、何してるんだろ」

しんのすけ「多分、色々たて込んでるんだよ」



?「ごめん、おそくなったわ!」

風間「おっ、噂をすれば」


ネネ「遅くなってごめんね」

しんのすけ「大丈夫だよネネちゃん」

風間「うん、ささ、早く座りなよ、何注文する?」

ネネ「そうね~、生と唐揚げにしようかしら」

風間「生と唐揚げだね、分かった」

風間「すいませーん!生三つと唐揚げ一皿お願いしまーす!」


ネネ「二人とも久しぶりね!」

しんのすけ「そうだね、久しぶりネネちゃん」

風間「ネネちゃんは確か主婦だったよね、子供何歳になるんだっけ?」

ネネ「もう19歳よ」

しんのすけ「もうそんなになるのか、早いね」

ネネ「本当、いつの間にか19歳だもん、もうびっくりよ」


風間「でもびっくりしたよね、まさかネネちゃんとマサオ君が結婚するなんて」

しんのすけ「うん、凄いおどろいたよ」

ネネ「私もおにぎりと結婚するとは思わなかったわ」

風間「ハハハ、酷いなネネちゃん」

店員「お待たせしましたー生三つと唐揚げ一皿ですねー」

ネネ「はい、ありがとうね」

しんのすけ「じゃあ乾杯しなおそうか」

風間「そうだね」

ネネ「じゃあいくわよー、せーの」

「「「乾杯!」」」


ネネ「ここの唐揚げ美味しいわね」

風間「うん、本当に美味しいよ」

しんのすけ「酒とよくあうね」


?「あー!遅れてごめーん!」

しんのすけ「あ、おにぎりが来たぞ」



マサオ「ハァ・・ハァ・ ・遅れてごめん・・・」

ネネ「遅いわよおにぎり!!」

マサオ「ひぃ!」

風間「まぁまぁ、さっ マサオ君座りなよ」

マサオ「うん、ごめんね」

しんのすけ「マサオ君、生で良い?」

マサオ「あ、うん、良いよ!」

しんのすけ「分かった、すいませーん、生一つと酎ハイ一つ!」


風間「久しぶりだね、マサオ君」

しんのすけ「久しぶり」

マサオ「うん、二人とも久しぶり」

ネネ「まったく、今まで何やってたのよ」

マサオ「ごめん、仕事が長引いちゃって・・・」

ネネ「そんなの早いとこ切り上げて来なさいよ!」

マサオ「ご、ごめーん・・・」


しんのすけ「まあまあ、仕事じゃ仕方ないよ」

風間「そうだよネネちゃん」

ネネ「ふん、分かってるわよ、そんな事」


風間「でも二人は夫婦なんだよねー」

マサオ「まぁ、一応ね」

ネネ「一応って何よ!」

風間「ハハハ、仲が良いな」

しんのすけ「・・・リアルおままごとじゃなくて、本当に夫婦なんだよね」

風間「・・・そうだね、なんか昔を思い出すよ」


店員「お待たせしましたー生一つと酎ハイ一つですねー」

しんのすけ「はい、ありがとうございます」



しんのすけ「あとは一人だけだね」

風間「そうだね、もうすぐくると思うんだけど・・・」

?「ぼー、遅くなって、ごめん」

マサオ「あっ、来たよ!」


ぼー「みんな、久しぶり」

しんのすけ「ぼーちゃん久しぶり」

ネネ「久しぶりぼーちゃん」

風間「これで五人全員揃ったね!」

マサオ「春日部防衛隊・・・だったっけ?」

しんのすけ「そうだよ、じゃあ五人揃ったし、久しぶりにあれやろうか」

風間「え~、ここでやるのか?」

ネネ「良いじゃないの、やってみましょうよ」

ぼー「ぼー、やろう」

マサオ「じゃあいくよ、せーの」

「「「「「春日部防衛隊ファイヤー!!」」」」」




~~~~~~~~~~~~~~~~~~

しんのすけ「今日はちょっと飲み過ぎたかな・・・」

風間「うん、少しはしゃぎすぎたかもね」

マサオ「あ~・・・気持ち悪い~・・・」

ネネ「もう、本当にダメなおにぎりね、じゃあそろそろ帰るわ、みんなありがとうね!ほらさっさと歩きなさいおにぎり!」

マサオ「あ~、ちょっと待ってよネネちゃ~ん」

ぼー「ぼー、二人ともありがとう、またみんなで飲みに行こう」

しんのすけ「うん、そうだね、またみんなで飲みに行こう」

風間「近いうちにまた誘うよ」

ぼー「分かった、じゃあ、そろそろ帰る、さようなら二人とも」

風間「みんな帰っちゃったね」

しんのすけ「うん・・・僕たちも帰ろうか」

風間「・・・そうだな、今日はありがとう、またな」

しんのすけ「こちらこそありがとう、またね」


しんのすけ「(みんなあんまり変わってなかったな)」

しんのすけ「(・・・楽しかった、やっぱりあのメンバーが一番だ)」

しんのすけ「(・・・また、近いうちに・・・か、楽しみだ)」


しんのすけ「(・・・まだ父さん達起きてるかな)」

しんのすけ「・・お土産、買って帰るか・・・」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

店員「ッシャァセー」

しんのすけ「(・・・酒と焼き鳥、買って帰るか)」

しんのすけ「(・・前と一緒だけど、まぁ良いか)」


しんのすけ「すいません、これで」

店員「ハイ、サケトヤキトリノニテンデスネ」

店員「ッシター」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

しんのすけ「・・・ただいまンモス」

ひろし「おかえりサイクル」


しんのすけ「・・母さんは?」

ひろし「みさえは先に寝たよ、それより飲み会楽しかったか?」

しんのすけ「うん、楽しかったよ、凄く懐かしかった」

ひろし「そうか、良かったな」

しんのすけ「うん」



しんのすけ「・・また酒と焼き鳥買って来たんだけど、一緒に飲む?」

ひろし「良いな、飲むか」

しんのすけ「じゃあ熱燗作るから待ってて」

ひろし「おう」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~

しんのすけ「美味しいね」

ひろし「あぁ、しんのすけと一緒に飲んでるから余計美味く感じるよ」

しんのすけ「うん・・」

ひろし「・・・みんなはどうだった?」

しんのすけ「殆ど変わってなかったよ、みんな昔のまま良い奴だった」

ひろし「そうか、良かったな」

しんのすけ「うん、良かったよ」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

しんのすけ「じゃあそろそろ寝ようか」

ひろし「そうだな、おやすみ」

しんのすけ「おやすみ」


しんのすけ「(今日も色々あったな)」

しんのすけ「(ひまわりにも会えたし、春日部防衛隊のみんなと一緒に飲に行ったし、父さんとも・・・)」


しんのすけ「・・・明日から月曜日か、次はどんな日になるのかな・・・」




終わり


しんちゃん2.jpg



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野原ひろしの日記。 [感動]

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ひろし「えーと何々…

"5月26日。

しんのすけと公園で遊んだ。

とても久しぶりのことだったから、俺も嬉しかったし、しんのすけも嬉しそうだった。

かけっこをしていた時、しんのすけは転んだのに泣かなかった。
こいつも成長してんだなぁ、と思える一日だった。"

ははっ、懐かしいなぁ。」

みさえ「あなたぁー?どこにいるのー?」

ひろし「ここだよー。」

みさえ「あ、いたいた。ちょっとお買い物に…って、何見てるの?」

ひろし「あぁ、実はこっそり日記つけててさ。
こないだ片付けてる時に見つけたから、読み返してみようと思ってよ。」

みさえ「へーえ。私も見ていい?」

ひろし「おう、こっちこいよ。」


みさえ「えーと…

"5月29日。

たまには運動もしようと思って、帰ってきてからしんのすけと一緒にシロの散歩に行った。

子どもの通る道はハチャメチャだと実感した。
というかあいつはいつもあんな道を歩いてるのか?
本当なら危ないぞ、とか注意してやるべきなんだろうけど、
楽しかったから良しとする。

また今度一緒に行きたいな。"


…あぁ、これ足痛いって騒いでたあの時ねw」


ひろし「35歳だった俺には辛かったんだよ!」

みさえ「んじゃあ次見てみましょ。

"6月3日。雨が酷い。

こんな雨の日でもはしゃげるしんのすけは天才だと思った。

でもカエルごっこして風邪をひいたしんのすけはやっぱり馬鹿だと思った。

そんで雨の日でも無理やり散歩に連れていかれるシロが可哀想だった。"


えー?!雨の日にも連れてってたのあの子?!」

ひろし「雨の日でもおさんぽに連れてってあげたんだゾ!って本人は誇らしげだったぞw」

みさえ「はぁー…」


ひろし「次々。

"6月8日。久しぶりの晴れだ。

帰ったらみさえが風邪をひいていて、高熱を出していたことに驚いた。
病院に連れて行きたかったけど、みさえが大丈夫だと言ったから連れていかなかった。

俺が帰るまで、しんのすけが看病をしていてくれたらしい。
あいつは頼りになる奴だ。さすが俺の息子。

みさえが飯作れないから俺が作ったけど、やっぱりみさえの飯の方が美味いと思った。

早くみさえの熱が下がるのを願う。"


…なんか、恥ずかしいの読んじまったな。」

みさえ「やだあなた…そんなことも書いてたの?///」

ひろし「に、日記のネタが無かったからな!!!
さぁー次読んでみよー次!!!」

みさえ「"6月11日。今日は特に何も無かった。

我が家は幸せだ。帰れば妻と子どもが待ってる。
離婚した○○君の話を聞いて、我が家は幸せだと余計に感じた。
離婚なんて不幸しかないだろ、と俺は思う!

離婚なんて絶対しない!"

…あなた///」

ひろし「なんでさっきからそんな恥ずかしい内容のばかり読むんだよ…///」

みさえ「ん?

"あ、だけど目移りはするかも(笑"

…あなた?」ゴゴゴゴゴ

ひろし「冗談だって!!さ、次々!!」

みさえ「もう…

"6月13日。ひまわりとしんのすけが二人並んで居間で居眠りしているのを発見。

子どもの寝顔って最強だよな、仕事の疲れが吹っ飛んだ。
明日も仕事頑張れる。"

ねぇ、これ何年前の日記?」

ひろし「えーとな、確か…確か…………」

みさえ「忘れちゃったのね?」

ひろし「すまん…まぁ気にしないでおこうwさぁ次々。」


ひろし「"6月19日。ひまわりが俺の足の匂いを嗅いで吐いた。
俺はトイレで泣いた。"…………。」

みさえ「あったわねぇwwwwwwwwwwそんなことwwwwwww」

ひろし「そんなに笑うなよぉ…(グスン」


みさえ「次は…

"6月26日。みさえと喧嘩した。
ムカついたから外で食ってきた。
初めて入ったラーメン屋で、あんまり美味しくなかった。
帰ってみて、食卓の上に俺の分のおかずが残ってて少し泣きそうになった。
結局しんのすけに食われたけど。"


えー、何やってんのよしんのすけ…」

ひろし「食いたかったんだってさ。」

みさえ「ねぇ、この時私何のおかず残してたっけ?」

ひろし「覚えてないや。」

みさえ「まぁそうよね。大分前だものねー」


ひろし「"7月2日。凄く綺麗な青空だった。
しんのすけが海に行きたいと騒いでいたから、もう少し暑くなったら行こうと思う。
ひまわりは初めての海だ。
子どもを連れていくのもいいけど、たまにはみさえと二人で行きたいとも思う。"」

みさえ「そういえばいっつもしんのすけが、海に行きたいって騒いでたから行ってたわよね。」

ひろし「確かに。海に行ってはあいつさ、
カニを俺の股間に押し当てたりとか、
綺麗なお姉さん追いかけたりとかしてたなw」

みさえ「私なんて水着の上持っていかれたことあったわよ。」

ひろし「…随分懐かしい話だな。」


みさえ「"7月9日。
最悪だ。俺の秘蔵エロ本が全部消えた。泣きたい。"


………こんなことまで日記に書いてたのね。」

ひろし「日記のネタになるくらい悲しかったんだよ!」


ひろし「もうそれはいいから次読むぞ!

"7月18日。今日はひまわりがおかえりの出迎えをしてくれた。
天使の笑顔だと思った。この笑顔のために俺頑張る。
と思ったけど少し目を離した隙に重要書類を破られた!
天使の笑顔が悪魔の笑顔になった!
でも可愛い!ちくしょう!"


あ、うん、ほんとにこの時は悪魔かと思ったよ…。」

みさえ「破られるようなところに置いておくのも悪いわよw」

ひろし「判子押すだけだったんだよぉ…」



みさえ「"8月9日。しんのすけが夏休みになった。羨ましい。
今度の休みは海に行こうと思う。
ゴルフ誘われたけど、いやそっちも捨て難いけど
しんのすけと男の約束をしたからなぁ。
ゴルフはまた今度にする。"」

ひろし「あーあったなぁそんなこと。」

みさえ「しんのすけとの約束は守るのに、私との約束は守らないのね。」

ひろし「え?!」

みさえ「こないだ洗濯物取り込んでって言ったのに
取り込んでくれなかったじゃなーい!」

ひろし「いや、え、すまん!!」


みさえ「んもぅ…

"8月20日。今日は祭りに行った。
盆踊りをやっていたから参加してみた。
しんのすけが「半ケツ音頭~!」とかいいながら
踊っていたのには恥ずかしかった。
思わず怒ったけど、楽しそうだったなぁ。
その後は花火を見た。
しんのすけとひまわりの良い思い出になってるといいな。"


そういえばあったわねぇ、こんなこと。」

ひろし「花火の音でひまわり泣いてたよな~。」

みさえ「なだめるの大変だったんだから…
でも、一度泣いた後は花火に夢中だったのよね。」

ひろし「また見に行きたいなぁ。」


みさえ「ねぇねぇこれきっとしんのすけが
幼稚園に通っていた頃のよね?」

ひろし「読む限りそうだろうなぁ。」

みさえ「もう少し先のは無いのー?」

ひろし「ページめくってみたら?」



みさえ「……あっ!


"5月5日。しんのすけが7歳になった。
身長も幼稚園の時と比べると随分高くなった。
そのうち父ちゃんを追い越すゾ!なんて意気込んでいた。
勉強も頑張っているらしい。
参観日がもうすぐやってくる。楽しみだ。"


しんのすけが7歳になった時のね。」

ひろし「ケーキ食べすぎだろってくらい食ってたなぁw」

みさえ「ひまわりもこのくらいよね、幼稚園に通い出したの。」

ひろし「あぁ、なかなかおてんば娘だったなぁ。」



みさえ「"5月19日。待ちに待った参観日だ。
科目は国語。音読を披露してくれたが、しんのすけは
ワザとなのかわからないけど読み間違えが多かった。
それでもひょうひょうとしていられるあいつは
きっと将来大物になるに違いない。
ところで担任が可愛かったなぁ。"


……(ギロリ」

ひろし「な、もう少し先読んでみないか!な!」


ひろし「"10月23日。少しずつ冷えてきたこの頃。
しんのすけはシロの散歩に、ひまわりも連れていくようになった。二人とも楽しそうだ。
俺も一緒に行きたいけど、仕事が忙しい。
子ども達もどんどん忙しくなるだろう。
一緒にいれる時間が少なくなるのは寂しい。"


……なんかちょっと寂しいこと書いてるな。」

みさえ「ほんと、しんのすけが小学校に入ってから
あなた忙しくなったわよね。」

ひろし「みさえとの時間も減っていったよな。」

みさえ「その分、今を一緒に過ごしてるんでしょ。」

ひろし「みさえ…。」


みさえ「ね、もう少し先見てみましょうよ。」

ひろし「そうだな。えーと…

"1月13日。親父が秋田からわざわざ遊びに
来てくれた。しんのすけがとても喜んでいた。
お袋は少し病気になっちまったらしい。
今は入院してるけど、退院できるのは大分遠いみたいだ。
まぁお袋も年だってのはわかっていたけど、なんだか辛い。新年早々入院とか、縁起悪くないか?
早く退院してくれることを願う。"

…あー。」

みさえ「お義母さんが入院した時の…」

ひろし「俺こんなことまで書いてたんだな。」

みさえ「こんなこと、じゃないでしょ。」

ひろし「…まぁな。よし、次々。」

みさえ「"4月16日。会社の花見の日だった。
が、あいにく雨が降って延期…明後日になった。
絶対雨が降りませんように!"


ねぇ、これ延期してもずーっと雨降った時のじゃない?w」

ひろし「かもなぁw
しんのすけとひまわりがてるてる坊主作ってくれたっけなぁ。
結局晴れなかったけどさ。」

みさえ「町内会の花見も雨だったわよね。」

ひろし「今となっちゃ良い思い出だよ。」


ひろし「"6月5日。しんのすけがカエルを拾ってきた。
小学生にもなって幼稚園の時とやってることが変わらない。
それが良いことなのか悪いことなのか、俺はいまいちわからない。
とりあえずカエルに驚いていたみさえが面白かった。"


すぐ窓から投げ捨てたよなwぎゃー!って叫びながらw」

みさえ「だ、だって本当に驚いたんだもの!」

ひろし「驚きすぎだったろw」

ひろし「"6月10日。今日も雨。
今度はひまわりがカエルを拾ってきた。
兄貴によく似たなぁ…それでいいのかひまわり。"


あったなぁこんなことw
みさえがカエルを投げ捨てても持ってくるんだもんなぁひまわりw」

みさえ「あの子、変なところに根性出すのよ…」


みさえ「"8月4日。しんのすけとひまわりが夏休みだ、羨ましい。
今度休みが取れたらまた海を見に行きたいと思う。
今日帰りに飲みに行ったら、園長先生とお会いした。
相変わらず見た目はアレだったが、なんだか老けた印象があった。
いや、失礼すぎたか。"


失礼じゃない?」

ひろし「いや、でもなぁ、白髪増えてきててさ。」

みさえ「あなたも同じよw」

ひろし「まぁ、確かになw」


みさえ「さーて次は…あら、しばらくまた明日書くってばっかり書いてあるわね。」

ひろし「しんのすけが小学生だった頃は、俺も昇進したばっかりで忙しかったからな、なかなか書けなかったんだよ。」

みさえ「そっかぁ。次のはどこに書いてあるのかしら…あ、あった!」

ひろし「どれどれ?」


みさえ「"11月28日。久々に日記を書くことにする。
久々なのに、書くことが悲しすぎる。
でも俺は書く。今日、お袋が死んだ。
死んじまった。看取ることもできなかった。
快方に向かっているって聞いたのに。
一昨日元気そうな電話をもらったばかりなのに。
容体が急に悪化したそうだ。癌なら仕方ないのかな。
去年見舞いに行った時は元気そうだったのにな。
しんのすけとひまわりを見て、とても嬉しそうだったな。
葬式のために仕事を休んだ。秋田に行く。
しんのすけとひまわりは嘘だと騒いで泣いている。
俺も嘘だと信じたい。お袋はまだ生きてるはずだ。
お袋がいなかったら、誰が親父の悪ふざけを止めるんだよ。
お袋。なんでだよ。俺まだ親孝行してないのに。"


……つるさんが亡くなった時に日記、再開したのね。」

ひろし「あー…そうみたいだな。お袋元気かなー。」

みさえ「きっと元気よ。お義母さんですもの。」

ひろし「…だよな。」



ひろし「さぁ次々!

"4月10日。しんのすけの入学式。
あいつもついに中学生になる。たくましくなったもんだ。
校門前で写真を撮ったから、後で親父とお義父さんに送っておこう。"


あ、俺写真も日記に貼ってたんだな。」

みさえ「わぁ、懐かしい!この頃は若かったわねぇ。」

ひろし「ひまわりもまだ髪の毛短くしてたんだな。」

みさえ「ねぇ、これ後であの子達にも見せてあげましょうよ。」

ひろし「えー?俺日記見られるのやだなぁ。
遺品整理してる時とかに見つけてもらえればいいよ。」

みさえ「んもぅ、嫌なこと言わないで。遺品整理なんて…」

ひろし「いやぁすまん、ついうっかりw」

ひろし「"5月29日。ひまわりが遠足に行ってきた。
ひまは絵を描くのが好きらしい。山がとても綺麗だったから写生画を描いたみたいだ。
見せてもらったけど、とても上手だった。
先生にも褒められたと喜んでたな。
女の子らしく育ってくれて、父ちゃんちょっと嬉しい。"


そういやこん時の絵ってどこに行ったんだ?」

みさえ「ひまわりが持っていっちゃったんじゃないかしら?」

ひろし「そっかぁ、もう一度見たいな。」

みさえ「でもひまわりの描いた絵なら、居間に飾ってあるじゃない。」

ひろし「あれじゃなくてさ、本当に描き始めたばかりのを見たいんだ。」

みさえ「そう?じゃあ今度見せてくれって頼んでみたら?絶対嫌がりそうだけどw」


みさえ「"8月24日。今日はお祭りだった。
しんのすけが友達と祭りに行った。
もう俺たちと一緒に祭りに行くことはないのかな。
そう考えると少し寂しかった。
ひまわりはまだ俺たちと一緒だ。
ところで、ひまわりはまだ花火が少し怖いらしい。変わってないなぁ。"

しんのすけの親離れが始まった頃ねw」

ひろし「いやー俺ほんとにその時ちょっとショックだったんだよなぁ。」

みさえ「ずーっと一緒だったものね。」

ひろし「親父もこんな気持ちだったのかなぁ。」

みさえ「きっとそうなんじゃないかしら。
親の気持ちは親になってみないとわからないってよく言うけど、その通りだと思うわぁ。」


ひろし「中学校あたりからぐっと大人びてきたもんな、しんのすけ。」

みさえ「そうなのよね。
確かしんちゃんって呼ぶのやめてくれって言ったのも中学校の時だわ。」

ひろし「でも美人なお姉さんを追いかける癖は変わらなかったなw」

みさえ「あ な た も ね。」

ひろし「はは、すまんすまんw」



ひろし「そういえばしんのすけは中学の時、部活に入らなかったよな。」

みさえ「どれもある程度できちゃったものねw」

ひろし「ほんとにあいつは天才なんだと思っていた時期が俺にもありました(遠い目)」

みさえ「私もあったわ(遠い目)」



ひろし「"9月9日。中学校の文化祭の日だった。
しんのすけは劇をやっていた。
坊主頭の王子様ってどうなんだろうか。
なんにせよ、昔からごっこ遊びが好きだったから演劇は上手だった。
演劇部が無いのが残念なくらいだ。
ひまわりが早く中学生になりたいと言っていた。"

これ見た時は笑ったなぁw」

みさえ「まさか王子様役だなんて思っていなかったものねw」

ひろし「ひまわりが王子様より悪い敵役の方がイケメンだって騒いでたっけw」

みさえ「中学生になってあの人とお話したいーなんて言ってたわねぇ。懐かしいわ。」


ひろし「"10月16日。しんのすけが部活ごとに付けられたあだ名を教えてくれた。
野球部→変化球のしんのすけ
サッカー部→高速ドリブル野郎
卓球部→二刀流
バドミントン部→よそ見サーブ
陸上部→脚力マン
バスケ部→フェイントのしんのすけ
文芸部→脳みそ宇宙
とまぁこんな具合だったらしい。俺はあだ名をつけた奴のセンスを疑う。"

酷いなぁ色んな意味でwww」

みさえ「こんなあだ名付けられてたのあの子www」

ひろし「1ヶ月程度で呼ばれなくなったらしいけどなw」



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みさえ「あ…

"11月13日。金曜日。何か不吉なことが起こりそうだと思っていたら本当に起こりやがった。
みさえがいつもみたいにしんのすけに買い物を頼んだ。
そしたらちょうど通り魔に遭遇するなんてな。
俺が買い物に行けばよかった。俺が刺されればよかったんだ。"

…あなた、この事も書いてたのね。」

ひろし「記憶に残しておこうと思ってな。」

みさえ「あぁもうやだ。思い出して泣けてきたじゃない…」


みさえ「"11月16日。アメリカンに俺は叫びたい。
なんてこった!!!!!
たった3日でほぼ完治とかあいつは化け物か!
俺とみさえは泣きながら医者と本人に何度も確認した。本当に大丈夫なのかと。
二人とも揃って大丈夫って言うから驚きだ。
しんのすけに傷を見せてもらったらほとんどふさがっていた。
けっこう深かったと思ったんだが…まぁ何にせよ若いっていいなって思った。
明日はケーキを買って帰ろうかな。"

本当にね!しんのすけの生命力は凄まじいと思ったわ!
あの子本当に心臓に毛が生えているんじゃないかしら…」

ひろし「あれほど驚いた日はなかったなw」


みさえ「はぁ、それにしてもあなたの日記ってなかなかクレイジーね。」

ひろし「おいアメリカン移ってるぞ。」

みさえ「あらやだ。」

ひろし「それ以降はけっこう短くてつまらんな…」

みさえ「"起きた。仕事した。子ども達は今日も元気だ。"
ほとんどそんな感じね。」

ひろし「あ。」

みさえ「どうしたの?」

ひろし「これ…」


みさえ「なになに?

"2月20日。秋田の病院から電話があった。
親父が屋根の雪下ろしをしていて、転落したらしい。
非常に危ない状態だから急いで来てくれって。
何やってんだよ親父…。
おふくろに呼ばれたのか?まだ早いだろ。
とりあえず有休取って皆で秋田に行くことにする。
親父が無事であることを祈る。"

あなた、これ…。」

ひろし「次に何が書いてあるのか大体予想ついたろ?」

みさえ「えぇ。」


みさえ「"2月27日。くそ!くそ!
俺はまたアメリカンに叫びたい!なんてこった!
たった1週間でほぼ完治ってどういう体してんだあの親父!わけわかんねぇ!もう良い年だろ!
何が美人看護師見てたら元気になっただよ!
何がマンモスも元気になっただよ!この変態ジジイが!俺の心配を返せ!
…よく考えてみたら、刺されて3日でほぼ完治するしんのすけのじいちゃんだ。
親父もきっと心臓に毛が生えているんだろう。多分白髪。
俺はおふくろに似たんだなってしみじみ思った。"

こんな内容だって思ってたわよwww」

ひろし「本当にこの時ばかりは親父を殴りたかった。」

みさえ「切実ねwwwww」


みさえ「"3月3日。ひまわりが女の子の日だと騒いでいた。
みさえも騒いでいた。みさえは違うと思った。"

…(ジロリ」

ひろし「いやだってみさえはその時おばs」

みさえ「やかましいー!」(殴

ひろし「痛えええ!!」

みさえ「乙女心を持っていればいつでも女の子なのよ!」


ひろし「"5月5日。しんのすけが男の子の日だと騒いでいた。
俺も騒いでみた。誰も相手にしてくれなかった。"

ひまわりには「は?」って言われたからな!俺ちょっと泣いたからな!」

みさえ「どんまいwww」

ひろし「笑うなよおおおお!!」


みさえ「あ…

"6月26日。お義父さん…よし治さんが心臓発作で突然倒れて、そのまま亡くなってしまった。
お義母さんがとてもショックを受けて、寝込んでしまった。
みさえもしばらく泣いていた。
しんのすけは二人を励まそうと必死だった。
ひまわりも励まそうとしていた。
俺、よし治さんともう一度一緒に酒を飲みたかったな。
たくさん話したかった。もっと話しておけばよかったかな。俺、バカだ。
よし治さん、俺がそっちに行った時、一緒に酒飲みましょうね。"

…飲む約束してたのね。」

ひろし「あぁ。最後に一緒に飲んだ時に約束したんだ。
今度は二人で飲み屋に行こうってさ。」

みさえ「きっと待ってるわね、お父さん。」

ひろし「きっとな。だけど、もう少し待っててもらうよ。」


みさえ「"7月4日。ひまわりが大騒ぎしていた。
何事かと聞いてみると、お父さんには言えないと言われてしまった。
後からみさえから聞くと、どうやら女性として階段を一つ登ったみたいだ。今夜は赤飯だな。"

やだぁ、あなたこんなことも書いてたの?」

ひろし「ひまわりが大人に近付いた証拠だからな。一応。」

みさえ「この時、しんのすけがとても慌ててたの覚えてる?」

ひろし「あぁwどうすればいいのかわからなくなってたなw」

みさえ「そうしてみんな大人になっていくのよねぇ。」


みさえ「"7月29日。しんのすけが入部届を持ってきた。
入りたい部活はなんと写真部。
中学の時は結局部活はやらなかったけど、高校でまさか写真部に入るとは思っていなかった。
これからの活動が楽しみだ。"

なんで写真部に入ったんだっけ?」

ひろし「確か写真部の友達のカメラで撮った写真が独特で芸術的だったらしくて、写真部の顧問にスカウトされたからだったはずだな。」

みさえ「あぁ、そんな感じだったっけw」

ひろし「しんのすけの撮る写真は他の人には無いセンスがあったな。」

みさえ「私はセンスとかいまいちわからなかったわw」


みさえ「"8月6日。親父がこっちに遊びにきた。
俺と買い物に行ってる時に、反対側の歩道を歩いているお姉さんに見惚れて車に轢かれた。
俺は冷や汗が止まらなかったのに、親父は何故か切り傷で済んだ。
親父はまだまだ死なないな、と思った。"

…は?!なにこれ?私聞いてないわよ?!」

ひろし「いや、結果的に生きてたから言わなくていいかなーって」(遠い目)

みさえ「でも言ってよ!!危なっかしいわねぇお義父さん…。」

ひろし「危なっかしいどころの騒ぎじゃないと思うぞ。」


ひろし「あー…こっからまたしばらくサボったな、俺。」

みさえ「あらほんとね。あまり書いてないわ。」

ひろし「なーんか面白いこと書いてないかなぁ。」


みさえ「あら?」

ひろし「……ありゃりゃ、すっかり書いてねーや。しんのすけが成人して、ひまわりが高校生くらいでやめちゃったんだな。」

みさえ「ねぇ、今日からまた書き始めたら?」

ひろし「えー?」

みさえ「だってほら、まだこんなにページが残ってるんだしw」

ひろし「まぁ、気が向いたら書いてみるかなー。」


ピンポーン♪


みさえ「あら、誰かしら?」



みさえ「はぁーい。」(ガチャ

???「やっほー久しぶり、お母さん。」

みさえ「ひ…ひまわり!!どうしたの?今日来るなんて聞いてないわよ?!」

ひまわり「いやー、連絡入れようと思ってたんだけど、すっかり忘れちゃっててさw」

みさえ「もう、ビックリさせないでよね!」

ひまわり「いや多分もっとビックリするよw」

みさえ「え?」

ひまわりの娘「おばあちゃーん!」

みさえ「あら?!あんたも来てたの?!」

ひまわりの娘「うんー!」

みさえ「久しぶりねぇ、少し見ない間にこんな大きくなって…」

ひまわり「やだお母さん年寄りっぽいw」

みさえ「もう年寄りです!あ、ねぇこれから買い物行くところだったのよ。一緒に行かない?」

ひまわり「あーいいねー。でももう少し待ってくんない?」

ひろし「おーいみさえどうしたんだ…ひまわり!?どうしたんだまた旦那と喧嘩したのか?!」

ひまわり「やっほーお父さん。もう違うってばーw」

ひろし「え、じゃあなんで…」

ひまわり「…今日、何の日か覚えてないの?」


ひろし「今日…何かあったっけ?」

みさえ「さぁ?」

ひまわり「二人して覚えてないの?」

ひろし&みさえ「うん」

ひまわり「はーっ…マジありえない…」

ひまわりの娘「ありえなーい!」


ひまわり「まぁいっか。とりあえず買い物行こ。」(スタスタ

ひまわりの娘「あたちもいくー!」

ひろし&みさえ「…?」


-夜-


みさえ「ねぇ、ひまわり。なんでまだご飯食べたらダメなの?」

ひまわり「人が揃ってないから。」

ひろし「一体どういうことなんだ?」

ひまわり「まだ言えない。」

ひまわりの娘「キャッキャw」



ピンポーン♪


ひまわり「あ、きた。」


ガチャ、バタバタバタバタ…

??「遅れてごめーん!!」

ひまわり「いやマジ遅いんだけど。」

ひまわりの娘「おそいんですけどー!」

??「いやー今日羽田に着いてさーそっから走ってきたんだゾ!」

ひまわり「いやタクシー使えよ。」

??「だってお金…」




ひろし&みさえ「( ゚д゚)」



ひろし「し、しんのすけ?!」

しんのすけ「よっ、父ちゃん!お久しぶりぶりざえもん!」

ひろし「懐かしいフレーズだなぁおい。」

みさえ「ってそうじゃなくて!しんのすけ、あんたしばらく帰って来れないって…」

しんのすけ「えー?俺そんなこと言った?」

ひろし「アメリカ50州の旅行雑誌の写真撮りに行ってたんじゃなかったのか?!」

みさえ「たくさん撮らなきゃならないから、何年かは会えないって…」

しんのすけ「えー?だって今日は特別な日なんだから、帰って来るのは当たり前じゃん。」

ひろし「何かあったっけ?さっきからひまわりが教えてくれないんだ。」

しんのすけ「え、本当にわからないの?」


ひまわり「もうお兄ちゃん教えてやってよ。」

しんのすけ「んもうー仕方ないですなぁー。」

ひまわりの娘「ですなぁー!」

ひろし&みさえ「?」


しんのすけ「ハッピーバースデイ、60歳の誕生日おめでとう、父ちゃん。」


ひろし「え、あ、えええ?!」

みさえ「あら、今日だったっけあなたの誕生日。」

ひまわり「えーちょっとお母さんが忘れるってどういうことなのw」

しんのすけ「そんなんだから妖怪三段腹なんだゾー。」

みさえ「…うぉーりゃりゃりゃりゃりゃ!!!」(ぐりぐりぐり

しんのすけ「あぁん幼稚園ぶりの痛みいぃぃぃいいいいぃぃいいぃいいいい!!!」


しんのすけ「んもうー母ちゃんったら乱暴なんだからー…」

ひろし「まさかお前たち、俺の誕生日だからわざわざ来たのか?!」

ひまわり「うん。」

しんのすけ「そうだゾ。」

ひろし「お前たち…」

ひまわり「泣くのはあとあと!お兄ちゃん、カメラ持ってきてるんでしょ?」

しんのすけ「おぉ、もちろん!さ、皆で父ちゃんを囲ってあげてー。」

ひろし「あ、なぁしんのすけ。」

しんのすけ「ん?」

ひろし「その写真、貰えるんだよな?」

しんのすけ「当たり前だゾ!」

ひろし「…ありがとう。」

しんのすけ「んじゃ、撮るよー。1、2の…」





-深夜-


ひろし「日付は書かなくていいな。何の日かわかるし…

"久々に日記を書く。今日は俺の誕生日。
しんのすけとひまわりが久々に帰ってきてくれた。わざわざ俺の誕生日を祝いに。
俺は幸せ者だと思う。
妻と子どもと孫に還暦を祝ってもらえて。
親父もこんな気持ちだったのかな。
できることなら、このまま老衰で死にたいな。
皆に看取られながら死にたい。親父みたいに。
まぁまだ死ぬ気はない。しんのすけの子どもの顔も見てないしな。
明日はみさえと二人で散歩に行こうと思う。俺の誕生日忘れてたんだから、俺のわがままに付き合ってもらおう。
今度しんのすけから今日の写真を貰ったら、どこに飾ろうかな。今から楽しみだ。"

…こんなもんだろ。久々だから長くなっちまったなwさて、寝るか。」



"追伸。俺は本当に幸せ者だ。
みさえ、しんのすけ、ひまわり、ありがとう。
俺の家族でいてくれて、ありがとう。"






終わり


ひろし3.jpg



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野原ひろしの余命。 [感動]

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みさえ「あなた~時間よ~起きて」

ひろし「ううっ・・・ごほっ・・ごほっ」

みさえ「調子悪いの?」

ひろし「超調子悪い」

しんのすけ「父ちゃんつまらない」

ひろし「ダジャレじゃねーよ!うっ・・・ごほごほ」

ひろし(きもちわりぃ・・・頭いてぇ・・・だるい・・・)

ひろし「ま・・まぁ別にそこまでひどくねーから心配はいらないよ」

みさえ「そう?無理しちゃだめよあなた」

ひろし「いってきまーす」

会社にて~

ひろし「でここがこうあるからしてこのような経済効果が生まれてですね・・・」

ひろし「ごほっごほっ・・・ごはぁああ!!」

河口「うわっ・・・血が出てるじゃないですか!!大丈夫ですか係長!」

ざわざわ

ひろし「大事なプレゼンなのに・・・。」

ひろし「河口…頼んだ・・・」



病院にて~

看護婦「野原さ~ん 野原ひろしさ~ん」

ひろし「はい・・・」

看護婦「3番診察室へどうぞ~」

ひろし「失礼します」

医者「あ~、うん・・・あ~」

ひろし「で、どうなんですか?」

医者「肺に白い影移ってますね…これです」ピラッ

ひろし「(ま・・さか?)あの、それって?」

医者「はい。野原さんは肺がんです」

ひろし「どうして・・・ど、どうしてですかっ!!

ひろし「しん、長男が生まれてから・・5年前からタバコはやめました!なのにっ!」

医者「落ち着いてください野原さん。タバコを吸っているとがんのリスクが高まるだけです。」

ひろし「先生…なおるんですか?」

医者「野原さんの癌のレベルはステージ4。切除は不可能でしょう。」


ひろし「どうすれば・・・どうすればっ!!」

医者「抗がん剤で治療しても、40・・いや30%か・・・」

ひろし「ううっ・・・・」

医者「野原さんの癌は肺の数か所に転移しています。完全に治すのは不可能かと。」

ひろし「・・・。」

医者「持って余命は3か月です。」

ひろし「!!!!!!!!!!」

医者「なぜ吐血するまでほっておいたんです?」

ひろし「時間が…なくて・・。健康体でしたし・・・。」

医者「ともかく今日の時点では何もできません。」

医者「今後どうするのかを家族の皆さんと話し合ってきてください。」

医者「残された時間は限りなく少ない。1日1日を大切に過ごしてください。」


河口「先輩どうでした!!?」ガタッ

ひろし「おう、来てくれてたのか!肺が炎症を起こしてたんだってさ」

河口「そうなんですか!?よかったぁ…いきなり吐血するもんですから肺がんとか重い病気を想像しちゃいましたよ~」ヘラヘラ

河口「癌なんて悪化したらホント治りにくいらしいですね!うちのおばあさんはすい臓がんで」ヘラヘラ

ひろし「すまない。ちょっと今日用事あるから。先帰るわ。わざわざ来てくれたのに悪いな。」

河口「あッ??はいわかりました。」

ひろし「(くそっくそっ)」ガタガタ


みさえ「おかえり~あなた。今日はみさえ特性ハンバーグよ!!」

ひろし「ああ・・・そうか・・・。」トボトボ

みさえ「??なにかあったの?」

ひろし「・・・いや、なんでもない」

しんのしけ「おっかえり~父ちゃん!!今日はあいちゃんちに行ったんだゾ」

ひろし「そうか…よかったなぁ・・」トボトボ

みさえ、しんのすけ「??」


ひろし「’(いつきりだそう・・・。)」

しんのすけ「ピーマンさんはおらになんかたべられてくないだろぉなぁ~」コソコソ

みさえ「こらっ!!ピーマン残しちゃいけませんって何回言ったらわかるの!!」

しんのすけ「んとね~一万回!」

ひろし「好き嫌いするなっていってるだろうが!!」ガンッ 

しんのすけ・みさえ「!!・・・」ビクッ

みさえ「そんなに強く言わなくたって・・・」

ひろし「もういい!!」スクッ ドンドンピシャ

しんのすけ「今日の父ちゃんなんか変だぞ・・・」ブルブル

ひろし「まだひまだってしんのすけだってちいさいじゃねぇかよ」

ひろし「俺のこと大きくなっても覚えててくれるかな・・・」


ひろし「ううっ・・・くそっ・・・くそっ・・・。」

ひろし「俺が悪いことしたのかよ!!グッス・・・ヒッグ」

ひろし「まだまだ一緒にいたい」

ひろし「おおきくなったらみんなで海いってばかやったり・・・入学式だって…ヒグ・・」

ひろし「みさえぇ・・・しんのすけ・・・ひまわりぃ・・・シロォ・・・」ポロポロ


みさえ「あなた」コンコン

ひろし「!!はいってくんあ!」ダラダラ

みさえ「な、なんかあったの?」

ひろし「なんでもぉ、ねぇよおお」ジュルジュル!

みさえ「なんかあるんなら私に話してみて?・・・」

ひろし「ほんとぉに・・グスッ・・・なんもないからぁ」ズビズバッ!

みさえ「落ち着いたらでいいから…話てみて?・・・。」


しんのすけ「zzz・・・zzz」

ひろし「(ここは心配させないよう…なくな俺!!)」

ひろし「さっきは悪かったな・・・。」

みさえ「ううん・・・何か・・・あったの??」

ひろし「実は俺、肺がんで後3か月しかいきられないんだってさ」

みさえ「!!」

ひろし「いやいや、そこまで心配することじゃないだろ?だってほら、俺がいなくてもあんまかわらんだろ?金のことは死んだときはいるしな」

ひろし「しんのすけたちも大きくなれば俺のことなんかすぐにわs!!・・・」

みさえ「ううぐ・・・うう」ポロポロ

みさえ「どうしてそんなこというの?あなたはあなたで一人しかいないの!!代わりなんていないの!!」バンッ

みさえ「しんのすけたちは忘れないわ!もちろん私だって!!」

みさえ「自分のことをいらない存在みたいに言わないで!!」



ひろし「スマン・・・・。」

みさえ「ううっ・・・ぐぅうう・・・うぇええ」ポロポロ

ひろし「・・・今考えることは今後どうするか・・・だ。」

ひろし「・・・さっき言った通り後3か月だ。治療も無理だ。ほんとに低い確率なんだ。」

みさえ「!!・・・」

ひろし「俺ははっきり言ってこの3か月を家族みんなで過ごしたい。思い出を・・・たくさん作りたい。」

みさえ「なんで死ぬこと前提なのよ!!あたしはみんなでずっと一緒にいたい!!」グッスウ

ひろし「確率が低いんだ!治らないかもしれないのにしんのすけたちにおれの苦しんでる姿を見せるのか!?俺の記憶が苦しんでた記憶になっちまうじゃねえか!!」

ひろし「それなら俺は少しでもそばにいたい。目に焼き尽けておきたい。」

みさえ「でも・・・でも・・・!」ボロボロ

ひろし「俺は…家族で大切な時間を過ごしたい。」

ひろし「治る確率があがったとしても・・・苦しい姿は見せたくない。」

みさえ「うぐ・・・。」ポロポロ

みさえ「わがった・・・そうじましょう・・・」

ひろし「会社を辞めるかな」


チュンチュン

ひろし「(全然寝れなかった・・・)」

しんのすけ「おはようとおちゃん!かいしゃはいいのぉ??」

ひろし「ちょっくら有給休暇もらったんだよ!遊びたくてな!!」

しんのすけ「ゆーきゅーきゅーか?機関車みたいな名前だゾ」

ひろし「てなわけで明日から車でじいちゃんとこにいくぞ!」

しんのすけ「やったあやったあ じいちゃんちだゾ!!おら楽しみ~!!」

ひろし「・・・それはよかったな・・」シミジミ

銀之助「ようきたのお。たっぷり遊んで行けよ!はっはっは!」

しんのすけ「わ~いじいちゃんふとももぉ~!」

ばあさん「ほれしんのすけ、あいすいらんかのぅ?」

しんのすけ「うぉおおおお!ばあちゃんふとももぉ!!」

銀之助「くそう・・・。それよりどうして突然来ると言い出したんじゃ?」

ひろし「少し訳があってな・・・またそれは後でいうよ」

銀之助「そうか。もうこんなに遅いししんのすけ達と風呂に入ってくるわいww」

みさえ「よろしくお願いしますねお義父さん。」

ひろし「ここに来られるのはもう最後かなぁ・・・」

ひろし「柱のこの傷俺がつけたんだっけ・・・」

ひろし「まだ小さかったなぁ」シミジミ



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た・・・なた・・・あなた!!

ひろし「はっ!!」

みさえ「よかった・・・寝てただけか・・・心配させないでよね」

ひろし「すまなかった・・・それよりオヤジは?」

ぎんのすけ「ここにおるべよ」

ひろし「おふくろも・・・。じゃあ話すか。」

かくかくしかじか

ぎんのすけ「・・・嘘はついてないのう」

ぎんのすけ「3か月か・・・もうこの家にはこれなさそうだのぉ」

ひろし「・・・」コク

ばあさん「・・・すこしトイレに行ってくるわい・・」

クゥウ・・・ウゥウ・・・

ひろし「ごめんよおやじ・・・おふくろ・・・」

ぎんのすけ「ばあさんは泣き虫じゃのお・・・一番辛いのはみさえさんだというのに」


ひろし「おやじ・・・いままで世話になった。もうこの家をおれが来ることはないと思う。そのときはしんのすけたちの様子をちょくちょく見てほしい。」

ひろし「みさえだけじゃ不安だからなww」

ひろし「というわけで、俺からの話は以上だ」

ひろし「もう寝ようか」


しんのすけ「とうちゃん死んじゃうの?」

ひろしたち「!!」

しんのすけ「父ちゃん死んじゃうの?おらが・・・おらが悪い子だから
・・・」

ひろし「しんのすけ。それは違う。お前はいい子だよ。とうちゃんはな天国を守る仕事に昇進したんだ。3か月後からな。」

ひろし「おっと、もちろんまた会あえるぞ?お前がいい子にしてママの言うこと聞いてればな」

ひろし「おにいちゃんだもんな。出張ぐらい耐えれるよな?」

しんのすけ「おら・・・お、おらは平気だゾ・・・でもひまとかシロがさびしがると思う・・・ゾ」

ひろし「はっぁはっは!!そうかもな!でもしんのすけがいれば大丈夫だ。俺も安心安心」

ひろし「大丈夫だ。お前を信じてる。男同士のお約束だ。ほら」クイッ

しんのすけ「うん・・・男同士のお約束!!」クイッ

ひろし「よっしゃ!!じゃあ明日は虫取り行くから早く寝なきゃな!!」

しんのすけ「うん!おやすみ!」

ひろし「みさえたちも寝てて。俺はちょっくら夜風にあたってくるわw」

ぎんのすけ「ひろし・・・」

───

 リーンリーン

ひろし「……」

ひろし(……俺が逝く頃には、)

ひろし(この虫の声も、庭からは消えてるよなぁ……)

ひろし「………」

 ギシ…

ひろし「?」

しんのすけ「……」

ひろし「しんのすけ……?」

しんのすけ「……とーちゃん」

ひろし「……」

ひろし「こっち来い」ニコ

しんのすけ「……」コクリ

  リーンリーン… リーンリーン…



「とうちゃんのヒザの上、あったかいゾ」

「ははっ、しんのすけぇ、お前いつの間にか重くなったなぁ」

「そ~う~?」

「ああ、……いつの間にか、お前も大きくなってたんだなぁ」ナデナデ

「………」

「……」ナデナデ

「とうちゃん、しなないでよ」

「……そりゃ、ちょっと難しいかもな」

「……ひどいゾ オラとかーちゃんとシロとひまわりを置いてどっかいっちゃうなんて ずるいゾ」

「……」

「………」

「しんのすけ」

「……?」

「父ちゃんな……」

「……」

「父ちゃんだって、お前たちと離れるのはさびしいよ……」

「……」

「ひまも、まだちっちゃいし……家のローンも残ってる……。 みさえも、これから色々苦労するだろう……」ナデナデ

「……」

「だから、しんのすけ」

「……」

「お前が、母さんをまもってやってくれ」ナデナデ

「……オラ、できないゾ」

「……」ナデナデ

「おら……おら、父ちゃんみたいに、父ちゃんみたいにつよくないゾ……」

「……できるよ、お前なら」

「ホントに?」


「ああ、約束だ」

「やくそく」

「そう。 男同士の……」

「「おやくそく!」」 ビシッ

「……ははっ、そうだ、約束だ」

「わかったゾ……おら、がんばる」

「……しんのすけ」ギュッ

「……とうちゃん……くるしいぞ。 ギュッてされるならナナコおねいさんがいいな~」

「……」ギュゥ…

「……とうちゃん」

「……」

「だいすき、だゾ」

────
──





───

 ……ちゃん!

  お兄ちゃん!……

「お兄ちゃん!」

「んおっ!?」ガバッ

「お兄ちゃん! 初日から遅刻するつもりっ? 早く起きて!」

「分かった分かった」

「もう! 入社式遅れちゃうよ!?」

「だいじょーぶだって」ゴソゴソ


ゴソゴソ

  バタバタ

「よし」

「準備できた? あ……」

「ん?何?」

「あ、いや…スーツ着ると……なんだろ、いつもと違うね」

「そうか?」

「うん……なんだろ……   お父さん、思い出しちゃった……うっすらとしか、覚えてないはずなのに」

「………」

「お兄ちゃん……  行ってらっしゃい!」

「おう、お前も学校遅れんなよーじゃ、」



「  行ってくるゾ!   」  




終わり


ひろし2.jpg



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★人気★しんちゃんと風間くんの友情。
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しんちゃんが大人になったときの話。
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ドラえもん「ジャイアンという友達」
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ドラえもん「スネ夫の思い」
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ドラえもん「のび太と出木杉くんの関係」
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ドラえもん「のび太の恋の行方は?」
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【暴君の憂鬱】

PART1 兄と妹


東京都 練馬区 ──ジャパン──

剛田家──

ジャイアン「ジャイ子、どこに行くんだ!」

ジャイアン「兄ちゃんに行き先くらい教えろよ!」

ジャイアン「な、いいだろ! 行き先くらい!」

ジャイ子「んもう、お兄ちゃんには関係ないでしょ!」ダダッ

ジャイアン「あぁっ、ジャイ子!」

ジャイアン「くそぉ~! きっと、またあの茂手もて夫ってやつのとこだな!」

ジャイアン「ゆるせねぇ!」





PART2 暴君の苛立ち


公園──

ジャイアンの妹ジャイ子には、茂手もて夫というボーイフレンドがいた。

二人とも漫画家を志しており、共同で同人誌を発行するほどの仲であった。

もて夫「やあ、ジャイ子君」

ジャイ子「ごめんなさい、お兄ちゃんを振り切るのに時間がかかって……」

もて夫「大丈夫、ぼくも来たばかりだよ」

もて夫「君のお兄さんはよっぽど君がかわいいみたいだね」

ジャイ子「ありがた迷惑よ、まったく」


もて夫「ところで例の作品はもう完成しそうかい?」

ジャイ子「えぇ、バッチリよ! ネームはもて夫さんのチェックで完璧だし」

ジャイ子「下書きも終わったから、あとはペンを入れるだけ」

もて夫「あれは名作だよ」

もて夫「ネームを読んだだけで、あんなに感動したのは初めてだ」

もて夫「ぜひとも次の同人誌に載せて、もっとたくさんの人に読んでもらいたいね」

ジャイ子「ありがとう」

ジャイ子「次に会う時には、完成した原稿を持っていけると思うわ」


ジャイアンは茂みに隠れ、二人をのぞいていた。

ジャイアン(おのれ、俺のかわいい妹とイチャイチャしやがって……)

ジャイアン(しかも、あれは名作だの、感動しただのと)

ジャイアン(俺が知らないことを話されると無性に腹が立ってくる……)

ジャイアン(今すぐ茂手をギッタギタにしてやりたいが)

ジャイアン(んなことしたら、ますますジャイ子に嫌われるしな……)

ジャイアン(こうなったら……)




PART3 兄のプライド


空き地──

タッタッタ

ノビタ13「はぁ、はぁ、はぁ。ごめ~ん、待った?」

ジャイアン「遅いぞ、ノビタ13!」

ノビタ13「げぇっ! ジャ、ジャイアン!?」

ノビタ13(ま、まさかこないだの仕返しか……?)ビクビク

ジャイアン「今日はケンカじゃねえ。依頼をしに来たんだ」

ジャイアン「お前は練馬区最高のスナイパーだって聞いてるからな」

ノビタ13(ほっ、よかった……)

ノビタ13「用件を聞いてあげるよ!」

ジャイアン「お前に撃って欲しいのは、原稿だ」

ジャイアン「次の日曜日、俺の妹ジャイ子が公園に漫画の原稿を持っていく」

ジャイアン「それを撃ってもらいたいんだよ」

ノビタ13「なんでそんなことを?」

ジャイアン「ジャイ子には茂手とかいうボーイフレンドがいて」

ジャイアン「いっつも、こっそり二人で会って楽しそうに話してやがる」

ジャイアン「どうにもこうにもムシャクシャがおさまらねえ」

ジャイアン「しかもジャイ子、今までは真っ先に俺に漫画を読ませてくれたのに」

ジャイアン「今回の漫画は読ませてくれねえんだよ」

ジャイアン「兄として……悔しいんだよ!」


ジャイアン「だから完成した漫画の原稿を撃って、台無しにして」

ジャイアン「なんつーか、世の中そううまくいかねえってことを」

ジャイアン「ジャイ子と茂手に味わわせてやりてえんだ!」

ノビタ13(体は大きいくせに、考えることはみみっちいなあ……)

ノビタ13「依頼内容は分かったよ」

ノビタ13「で、報酬は?」

ジャイアン「これだよ」

ノビタ13「たったの10円!?」

ジャイアン「なんだよ、文句あるってのかよ!」

ノビタ13「いや、ないない! ないです!」

ジャイアン「いいか、10円も払ったんだ。ヘマしたらただじゃおかねえからな!」

ノビタ13「は、はいっ!」

ノビタ13(スナイパーをおどす依頼人なんてありえないよ、トホホ……)






PART4 標的は“原稿”


野比家──

ノビタ13「今度の標的は漫画の原稿になっちゃった」

ドラえもん「あのジャイアンが、君に依頼してきたことも驚きだけど」

ドラえもん「そりゃまた変わった標的だね」

ノビタ13「でさぁ、空気ピストルじゃ原稿を吹き飛ばすだけじゃない」

ノビタ13「それじゃあ意味がないよね」

ノビタ13「ジャイアンは原稿を台無しにしろって依頼してきたんだから」


ノビタ13「だからさ、空気ピストルを空気じゃなくインクが出るようにできない?」

ノビタ13「原稿にインクをベットリつければ、台無しになるじゃない」

ドラえもん「空気ピストルならぬ、インクピストルか」

ドラえもん「なるほど、君にしては考えたね」

ノビタ13「君にしては、は余計だよ」

ドラえもん「さっそく未来デパートに行って改造してもらってくるよ」

ノビタ13「さすがドラえもんは頼りになるなぁ」

ドラえもん「今度うまい屋のドラ焼き、ごちそうしてよね」

ノビタ13「ちぇっ、抜け目ないんだから」



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PART5 公園の四人


次の日曜日になった。

公園──

ノビタ13はジャイアンから二人がいつも待ち合わせをする場所を聞いており、

近くの茂みでスタンバイをしていた。

ノビタ13「ここら辺でいいかな」



ドラえもん『インクピストルは、空気じゃなくインクが弾丸だから』

ドラえもん『弾は一発だけだ。ミスは許されないよ』



ノビタ13(ありがとう、ドラえもん)キリキリ…

ドラえもんの忠告を思い出しつつ、右手人差し指にインクピストルをはめる。



一方、別の茂みにはジャイアンが隠れていた。

ジャイアン(まだジャイ子と茂手のヤロウは来てないようだな)

ジャイアン(ノビタ13、ヘマしやがったらぶっ飛ばしてやる!)

ジャイアン(──にしても、原稿がパーになったら、ジャイ子泣くだろうな……)

ジャイアン(俺のやってることは本当に正しいのか?)

ジャイアン(いやいや!)

ジャイアン(兄ちゃんをないがしろにしたんだ! これくらいしたって当然だ!)

ジャイアン(当然……なのか?)

ジャイアン(あっ、二人が来たっ!)



もて夫「やあ、ジャイ子君」

ジャイ子「こんにちは、茂手さん」

もて夫「原稿は完成したかい?」

ジャイ子「ええ、この通りよ」ガサッ

もて夫「おお、すごい。バッチリじゃないか!」パラパラ

ジャイ子「うふふ、ありがとう」



ジャイアン(ふん、もうすぐその原稿はオジャンになるんだ……)

ジャイアン(お前たちのせいなんだからな!)






PART6 インクの行方


もて夫「それにしても、君は本当にお兄さんを大事に思ってるんだね」ペラッ ペラッ

もて夫「お兄さんを題材にして、こんなすばらしい作品を描くなんて」ペラッ ペラッ

ジャイ子「お兄ちゃんはガサツで乱暴者だけど」

ジャイ子「優しいところもいっぱいあるの」

ジャイ子「照れ臭くて、お兄ちゃんにはまだ読ませてないんだけどね」

もて夫「今度、お兄さんにも読ませてあげるといい」

もて夫「絶対に喜ぶよ」

ジャイ子「うん……」




ジャイアン(な、なんだ、これは!?)

ジャイアン(どういうことなんだよ!?)


ジャイアン(まさかジャイ子があんなに俺を思ってくれてたなんて……)

ジャイアン(茂手のやつも、俺が喜ぶだなんていってくれちゃって……)

ジャイアン「ハッ!」

ジャイアン(ま、まずい! ノビタ13への依頼を取り消さないと!)

ジャイアン(あの原稿が台無しになっちまう!)

ジャイアン(まずジャイ子たちにあの原稿を隠すように伝えなきゃ!)

ジャイアン「おい、ジャイ子──!」ガサッ

ジャイ子「え!?(なんでお兄ちゃんがここに!?)」



ノビタ13「………」

ノビタ13「ドキュゥーン」

ビシッ!

ジャイ子「え!?」

もて夫「なにかが原稿に飛んできて……これは、黒インクだ!」

ジャイ子「そ、そんな……せっかくの原稿が……」

ジャイアン(間に合わなかった……!)

ジャイアン(俺のせいだ……!)

ジャイアン(ジャイ子、バカな兄ちゃんを許してくれぇ……!)

もて夫「い、いや……これは──」

もて夫「完成している!」

もて夫「君がベタ塗りを忘れてた箇所に、黒インクが命中して……原稿が完成した!」

ジャイ子「ほ、本当だわ! なんて偶然なのかしら!」

ジャイアン「!?」






PART7 暴君の涙


もて夫「すごい幸運だよ。突然飛んできたインクが、未完成の部分に偶然当たるなんて」

もて夫「もし他のところに命中してたら、原稿は台無しだった」

ジャイ子「よかったわ……」

ジャイ子「ところでお兄ちゃん!」キッ

ジャイ子「なんでこんなところにいるの!? ついてきてたのね!?」

ジャイアン「あ、いや、その……」

ジャイ子「まぁいいわ。せっかくだし、これ読ませてあげるから、感想聞かせて」サッ

ジャイアン「……いいのか?」

ジャイ子「当たり前でしょ。お兄ちゃんのために描いたんだから」

もて夫「ジャイ子君の力作です。ぜひ読んであげて下さい」

ジャイアン「あ、ありがとう……二人とも」ウルウル

ジャイ子「ちょっとお兄ちゃん! 涙で原稿をぬらしちゃダメよ!」

ジャイアン「わ、分かってるよ……」ウッ ウッ

ジャイアン(ちぇっ、ノビタ13のやつ)

ジャイアン(原稿を台無しにしろっていったのに、依頼と違うことしやがって……)

ジャイアン「………」グスッ

ジャイアン(ありがとう、ノビタ13……!)

ジャイアン(心の友よ!)





終わり



のび太5.jpg



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【狩人が住む町】

PART1 御曹司からの依頼


東京都 練馬区 ──ジャパン──

空き地──

スネ夫「ここが待ち合わせ場所だったな」

スネ夫「練馬区最高のテロリスト、超A級スナイパー、ノビタ13、か……」

スネ夫「もうすぐ約束の14:00になるけど……」

スネ夫「本当に来るのだろうか」

14:30になった。

スネ夫「……来ないな」

スネ夫「バカバカしい、帰るか」

タッタッタ

ノビタ13「はぁ、はぁ、はぁ。待った?」

スネ夫「遅いじゃないか! 完全に遅刻だよ!」

ノビタ13「ごめ~ん、昼寝してたら寝坊しちゃって」

スネ夫(本当に大丈夫なのか、こいつ……?)


スネ夫「君がノビタ13……いや、デューク野比だね?」

ノビタ13「ぼくのこと知ってるの!? えへへ、なんだか照れるなぁ……」

ノビタ13「サインあげよっか?」

スネ夫「いや、いいよ(知らなかったら依頼なんかできないだろ……)」

ノビタ13「あ、ちなみに本名は野比のび太っていうんだ」

ノビタ13「時々間違えてのび犬って書いちゃうけど、アハハ」

スネ夫(もしかして、こいつ単なるアホなんじゃ……)



ノビタ13「用件を聞いてあげるよ!」

スネ夫「えぇと──」

ノビタ13「待った!」

スネ夫「え!?」

ノビタ13「そっちの土管を見たまま、しゃべってくれないと」

スネ夫「でもなんか、不自然じゃない? 土管を見たまましゃべるなんて……」

ノビタ13「イヤならいいんだよ、別に」プイッ

ノビタ13「君の依頼を受けないだけだから」

スネ夫「わ、分かったよ。いうとおりにするよ……」

スネ夫「ぼくはこの通りルックスにも優れてて、お金持ちなんだ」

スネ夫「ぼくのパパは社長をやってるからね」

スネ夫「だからとても顔が広くてさ」

スネ夫「例えばこの間なんか、芸能プロダクションの社長との繋がりのおかげで」

スネ夫「伊藤つばさちゃんの誕生パーティーに招待されちゃったんだ」

スネ夫「しかも、特別席でだよ、特別席」

スネ夫「そしたら、つばさちゃんったらぼくの方を見て微笑んじゃって」

スネ夫「ぼくも、ついついつられて微笑み返しちゃったよ、ハハ」

スネ夫「いやぁ~ぼく、あの微笑みは一生忘れられないだろうね」

スネ夫「しかもその後、つばさちゃんからサインまでもらっちゃってさ」

スネ夫「あ、そうだ。ノビタ13、君にも見せてあげようか」

ノビタ13「ぐぅ……」ムニャムニャ

スネ夫「おい、ノビタ13!」

ノビタ13「むにゃ?」パチッ

スネ夫「なんで寝てるんだよ! これから面白いとこなのに!」

ノビタ13「ごめんごめん、だって話が長いんだもん」

ノビタ13「自慢話はいいから、依頼だけ聞かせてよ」

ノビタ13「パーッと、パーッと」

スネ夫「ちぇっ、分かったよ」

スネ夫「じゃあターゲットから説明させてもらうよ」


スネ夫「ぼくがやっつけてほしいのは、剛田武」

スネ夫「ジャイアンってあだ名で恐れられているガキ大将だ」

スネ夫「体は大きいし、乱暴だし、空手や柔道をかじったりもしている」

ノビタ13「だれがやっつけるの?」

スネ夫「君に決まってるだろ!」

ノビタ13「えぇ~っ、おっかないなぁ」

スネ夫(無視しよう)

スネ夫「──で、あいつは人のオモチャとかを借りるっていって、ぶんどるんだ」

スネ夫「あいつに取られたオモチャは絶対に返ってこない……」

ノビタ13「ひどいことするなぁ」


スネ夫「昨日も、ぼくは新しく買った飛行機のラジコンを取られちゃったんだ」

ノビタ13「ありゃりゃ……」

スネ夫「だから、あいつをコテンパンにやっつけてほしいんだ!」

ノビタ13「で、報酬は?」

スネ夫「漫画10冊」

ノビタ13「オッケー。じゃあ、仕事が終わったら裏山の千年杉に振り込んでね」

スネ夫「分かったよ」

ノビタ13「あ、あとくれぐれもウソはついてないだろうね?」

ノビタ13「ぼく、依頼人のウソやインチキは許さないからね」

スネ夫「こんな目にあってるのに、ウソなんかつくはずないだろ!」



PART2 青い“狸”


野比家──

ノビタ13「ドラえもぉ~ん!」

ドラえもん「ノビタ13、どうしたんだい?」

ノビタ13「さっき依頼を受けてきたんだけど」

ノビタ13「標的がものすごく強そうなやつでさぁ」

ノビタ13「なんか道具出してぇ~!」

ドラえもん「まったく、いつもいつも君はぼくを当てにして!」

ドラえもん「一人でできないなら、狙撃手(スナイパー)なんかやるな!」

ノビタ13「だってぇ~!」


ドラえもん「今からでも遅くない。一人でできないなら、依頼を断ってきなよ」

ノビタ13「できないよ、みっともない!」

ノビタ13「ぼくは練馬区で一番のスナイパーなんだよ」

ノビタ13「だからこそぼくは、利用価値を認められてだれにも狙われずにいるわけ」

ノビタ13「もし依頼を断ったら、ぼくは練馬中から狙われちゃうよ」

ノビタ13「ドラえもんは、ぼくがCIAやMI6やモサドに狙われてもいいの!?」

ドラえもん「う~ん……」

ノビタ13「もしかしたら、ぼくの仲間である君や──」

ノビタ13「君の恋人ミイちゃん、妹ドラミちゃんにも危害が及ぶかも……」



ドラえもん「う~ん……」

ドラえもん「しょうがないなぁ、分かったよ」

ノビタ13「やった!」

ドラえもん「えぇと……」モゾモゾ

ドラえもん「空気──」

ノビタ13「待った!」

ドラえもん「な、なんだい?」

ノビタ13「ポケットから手を出す時は、ゆっくりと出してくれなきゃ!」

ドラえもん「もう、めんどくさいなぁ」ソローリ

ドラえもん「空気ピストル~!」

ノビタ13「空気ピストル?」

ドラえもん「指にはめて“バン!”と叫ぶと、空気の塊が飛び出して相手を倒すんだ」

ノビタ13「ふぅ~ん……」

ドラえもん「あんまり嬉しそうじゃないね。君にピッタリの道具だと思うけど」

ノビタ13「もっとすごいのないの? アーマライトM16とか」

ドラえもん「あるわけないでしょ!」

ドラえもん「あったとしても、君じゃ使いこなせないよ、きっと」

ノビタ13「ちぇっ、じゃあ道具はそれでいいや」

ドラえもん「道具は、ってのはどういうこと?」

ノビタ13「音がさ、もう少しなんとかならない?」


ノビタ13「“バン!”じゃ幼稚すぎるじゃない」

ノビタ13「“ドキュゥーン”とか“ガゥーン”とかで撃ちたいんだけど」

ドラえもん「えぇ~……」

ノビタ13「頼むよ、ドラえもん」

ノビタ13「ぼくがスナイパーとしてもっと有名になれば」

ノビタ13「君にもドラ焼きをいっぱい買ってあげられるだろうし」

ドラえもん「………」ジュルリ

ドラえもん「分かったよ。未来デパートに改造してくれるよう頼んでくる」

ノビタ13「さっすが、ドラえもん!」

ドラえもんはタイムマシンで未来に向かった。





PART3 親孝行


ノビタ13「ドラえもんが帰ってくるまでヒマだから」

ノビタ13「居間でテレビでも見てようかな」

野比家 居間──

玉子「ノビタ13、ちょっと肩を叩いてもらえる?」

ノビタ13(うぇ~……)

ノビタ13(でも仕事の前だし、たまには親孝行もいいかな)

ノビタ13「分かったよ、ママ」スッ

玉子「私の背後に立つんじゃありません!」

バキィッ!

ノビタ13「いたたぁ……! さすがは、ぼくのママだ……」




PART4 “出来すぎる”情報屋


ドラえもん「はい、改造してもらってきたよ」

ノビタ13「ありがとう、ドラえもん!」

ドラえもん「さっそく標的のところにいくのかい?」

ノビタ13「いや……まずは情報を仕入れてこないとね」

ノビタ13「じゃ、行ってきまーす」

ドラえもん「頑張ってきなよ」



出木杉家──

ノビタ13「こんにちは~」

出木杉「やぁ、ノビタ13じゃないか。どうしたの?」

ノビタ13「ちょっと教えてほしいことがあるんだ」

出木杉「教えてほしいこと?」

ノビタ13「ジャイアン、について教えて欲しいんだけど。ぼくの標的なんだ」

出木杉「………」

出木杉「……ここじゃ、まずいね」

出木杉「中に入ってくれ」

ノビタ13「おじゃましまぁ~す」

パソコンを操作し、ジャイアンのデータを呼び出す出木杉。

ノビタ13「どんなやつなの?」

出木杉「恐ろしい相手だよ」カチャカチャ

出木杉「本名、剛田武。家は自営業で、家族構成は父母に妹が一人」

出木杉「あとペットに、ムクっていう犬がいる」

ノビタ13「ぼくも犬を飼いたいなぁ」

出木杉「趣味は色々あるけど、代表的なものは二つ」カチャカチャ

出木杉「一つは野球で、草野球チーム『ジャイアンズ』の監督兼ピッチャーをしている」

出木杉「チームの成績は、あまりよくないみたいだけどね」



出木杉「もう一つは歌うことなんだけど、これがもっとよくない」カチャカチャ

出木杉「彼の歌唱力はNBC兵器(大量破壊兵器)にも匹敵すると」

出木杉「各国の情報機関から警戒されている」

出木杉「彼のリサイタルが第三次世界大戦の引き金になるのでは、と見る専門家もいる」

ノビタ13「ふぅ~ん」

出木杉「もちろん、基本的な武力も備わっていて」カチャカチャ

出木杉「その圧倒的な体格と腕力で、練馬区月見台の小学4年生を統率している」

出木杉「ノビタ13、この仕事はかつてない難易度になるだろう」

ノビタ13「えぇ~仕事断ろうかな、やっぱり……」

出木杉「……でも、弱点もある」カチャカチャ


ノビタ13「なぁんだ、それを最初からいってよ」

出木杉「彼の弱点は、母親なんだ」

ノビタ13「ママが弱点なの?」

出木杉「うん。さすがの彼も母親には頭が上がらないらしい」

出木杉「ぼくが持っている情報はこれぐらいかな。あとは君次第だ」

ノビタ13「ありがとう」

出木杉「明日の学級新聞を楽しみにしているよ」

ノビタ13「任せてよ」

ノビタ13は10円玉を出木杉の机に置くと、出木杉家をあとにした。



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PART5 仕事前の……


ノビタ13「武器も手に入れたし、情報も手に入れた」

ノビタ13「あとはジャイアンをやっつければ、めでたしめでたし、なんだけど……」

ノビタ13「やっぱりこのままじゃ物足りないよね」

ノビタ13「超A級スナイパーは女の子とエッチなことをしなくちゃ!」

ノビタ13「ぼくの相手にふさわしいのは、やっぱりしずちゃんだよなぁ」

ノビタ13「というわけで、しずちゃんのところに行こう!」



源家──

しずか「あら、ノビタ13。どうしたの?」

ノビタ13「えへへ、お願いがあるんだけど」

しずか「なにかしら」

ノビタ13「二人でいっしょに作らない?」

ノビタ13「赤ちゃん」

バチン! ガリガリガリ! ベチン!

ノビタ13「せ、せめてスカートめくらせて」

ガンッ! バリバリバリ! ビタン!

しずか「ノビタ13なんて、最低っ!」

ノビタ13「トホホ……」





PART6 苦肉の策


野比家──

ノビタ13「ドラえもぉ~ん!」

ドラえもん「ノビタ13、ジャイアンをやっつけられたかい?」

ノビタ13「まだだよ」

ドラえもん「えっ、まだだったの」

ノビタ13「だってぇ~やっぱり仕事の前にエッチな場面がないと……」

ドラえもん「エッチな場面、ねぇ」

ノビタ13「この際ぼくがエッチの当事者じゃなくてもいいよ」

ノビタ13「エッチな場面作成マシーン、とかないの?」

ドラえもん「ないよ、そんなもの」

ドラえもん「しょうがない、ぼくがやってあげよう」

ノビタ13「えっ!?」

ドラえもん「ぼくがミイちゃんと愛を語り合うから、それで我慢してよ」

ノビタ13「いいなぁ、ドラえもんばっかり」

ドラえもん「ぼくだって、イヤイヤやるんだ。君のためなんだぞ」

ノビタ13(ウソをつけ)

ドラえもん「ここじゃ恥ずかしいから、屋根の上でやるとしよう」

ノビタ13「でもロボットと猫のラブシーンなんて、面白いもんじゃないからね」



屋根の上──

ドラえもんとミイは愛を語り合った。

ドラえもん「ミイちゃん、ぼくは世界で一番君を愛しているよ!」

ミイ「アオオ~~~ッ!」

ミイ「ミャ、ミャ、ミャ~~~ッ!」

ドラえもん「ミイちゃん。ぼくは君なしでは生きていけないよ!」

ドラえもん「君もぼくなしじゃ生きていけないだろ!?」

ミイ「ミャオ~ンッ!」

ミイ「オ、オ、オ~~~ッ!」

ドラえもん「ミイちゃんの魅力には小判どころか、どんな大金だってかなわない!」

ミイ「ミャオオ~~~ッ!」

ミイ「ミャオ~ッ! ミャオ~ッ!」

ドラえもん「ミイちゃんっ! 愛してるよっ!」

ドラえもん「ぼくの君への愛は、とても四次元ポケットなんかには入りきらないよ!」

ミイ「ミャオオオオ~~~ッ!」

ミイ「オ、オ、オ~~~ッ!」

ドラえもん「ぼくのペタリハンドで、君とぼくの心をくっつけてみせる!」

ミイ「ミャ~~~ン!」

ミイ「ミャオ、オ、オ~~~ッ!」

ドラえもん「ぼくは君のためなら、地球だって破壊できるよ!」

ミイ「ミャオ~~~~~ンッ!」






PART7 対決


町の道路──

ノビタ13(ドラえもんのやつ、うるさすぎだよ。近所から苦情が入ったじゃないか)

ノビタ13「でも出木杉に、ジャイアンの家の住所は教えてもらったし」

ノビタ13「ジャイアンのママにいいつけて、やっつけてもらえば解決だ」

ノビタ13「これで漫画10冊は頂きだ。よかった、よかっ──」

ノビタ13「!」

ノビタ13は目の前から歩いてくる人間が、ジャイアンだということに気づいた。

ノビタ13「ジャ、ジャイアン!」

ジャイアン「ん? なんだお前、なんか文句あんのか」

ノビタ13「い、いい天気だね」

ジャイアン「ちょうどいいや。俺、ムシャクシャしてたんだ」

ジャイアン「思いっきり殴らせろ!」



ノビタ13(こうなったら予定変更、やるしかない!)

ノビタ13は、空気ピストルを構えた。

ノビタ13「バン!」

シ~ン…

ジャイアン「?」

ノビタ13「あ、あれ……?」

ノビタ13「バンッ! バンッ! バンッ!」

シ~ン…

ノビタ13「お、おかしいな」

ジャイアン「なんだそりゃ、こけおどしか?」


ノビタ13『音がさ、もう少しなんとかならない?』

ドラえもん『分かったよ。未来デパートに改造してくれるよう頼んでくる』



ノビタ13(思い出した……。“バン!”じゃなくなったんだった……)

ノビタ13「ダダキューンッ!」

シ~ン…

ノビタ13「ズバドドーンッ!」

シ~ン…

ノビタ13(し、しまった。ぼく、どんな音にしてくれって頼んだっけ!?)

ジャイアン「そろそろこっちからいかせてもらうぜ」


ジャイアン「うおおおっ!」ダダダッ

ノビタ13「ひっ! バババーンッ! ズババーンッ! チンカラホイッ!」

シ~ン…

ノビタ13「キーボウッ! フーコッ! リルルッ! バンホーッ! ピースケッ!」

シ~ン…

ジャイアン「うおりゃあっ!」ブオンッ

ドカバキボカッ! ボコバキメキッ! ズガドゴガスッ!

ノビタ13はギタギタのメタメタにされた。

ジャイアン「へっ、どんなもんだい」

ジャイアン「あースッキリした。帰るとすっか」

ノビタ13「ま、まだまだ……勝負はこれからだ!」ヨロッ…

ジャイアン「なんだと!?」

ボカドカドゴッ!

ジャイアン「はぁ、はぁ、まいったか」

ノビタ13「まだまだ……」ムクッ

ジャイアン「しつっこいぞ!」

ノビタ13「どうにかして君に勝たないと……」ガシッ

ノビタ13「依頼人から……漫画10冊を……」

ノビタ13「もらえないんだ!」

ジャイアン「知ったことか!」

ボカッ!

ノビタ13はボロボロになってしまった。

ジャイアン「ぜぇ、ぜぇ。もういいだろ、諦めろ」

ノビタ13(ダ、ダメだ……やっぱり道具なしじゃかなわない……)

すると──

ジャイアン母「タケシ! あんたなにやってんだい!」

ジャイアン「ゲッ、母ちゃん!?」

ジャイアン母「あんたまた、よそのスナイパーをいじめて!」

ジャイアン「ちがうんだよ、これは……」

ジャイアン母「今日という今日は、許さないからね!」

ノビタ13(た、助かった……)






PART8 謀られた狩人


野比家──

ノビタ13「──とまぁ、危ないとこだったけど、依頼は達成できたよ」

ノビタ13「空気ピストルの発射音を忘れちゃった時は、もうダメかと思ったよ」

ドラえもん「まったく君らしいミスだね、ノビタ13」

ドラえもん「でもよかったじゃないか。仕事は成功したんだから」

ノビタ13「まあね」

ノビタ13「ついでにジャイアンがオモチャを奪ってることもいいつけて」

ノビタ13「依頼人のラジコンを取り戻して、返してやったしね」

ドラえもん「じゃあ、あとは裏山に振り込まれた漫画を取りに行くだけだね」

ノビタ13「うん、行ってくるよ」

ドラえもん「あ、ぼくにも読ませてよ」

ノビタ13「もちろんさ!」


裏山 千年杉──

ノビタ13「ないっ!?」

ノビタ13「あれ!? ない、ないぞ! 漫画なんかどこにもないっ!」

ノビタ13「どういうことなんだ!?」

ノビタ13「まさか依頼人のやつ、ぼくにインチキを……」



野比家──

骨川家に電話をかけるノビタ13。

ノビタ13「どういうことだよ、これは!?」

スネ夫「依頼? 漫画10冊? なんのことかなぁ~?」

ノビタ13「君ってやつは!」

スネ夫「いいがかりは止めてくれないかな。じゃあね」ガチャン

ノビタ13「………」






PART9 裏切りの代償


空き地──

スネ夫はノビタ13が取り戻したラジコン飛行機で遊んでいた。

ブゥ~~~ン

スネ夫「アハハ、愉快愉快」

スネ夫「ノビタ13、やっぱりおつむが足りてなかったな」

スネ夫「ジャイアンは痛い目にあって、ラジコンも取り戻せたってのに」

スネ夫「バカ正直に漫画10冊なんか払うわけないじゃんか、アハハ」

スネ夫「いやぁ、それにしてもぼくの操縦テクニックはすばらしいなぁ」

ザッ

ノビタ13が現れた。

ノビタ13「スネ夫、君はぼくのルールを破った……」

スネ夫「なんだよ、デューク野比。いや、もうノビタ13でいいか」

スネ夫「まさか、ぼくとケンカするってのかい?」

スネ夫(ぼくはジャイアンとこいつの対決をこっそり見てたけど)

スネ夫(はっきりいってメチャクチャ弱かった!)

スネ夫(なんでこんなやつが超A級スナイパーとかいわれてるんだか……)

スネ夫(こんな奴には、漫画1冊だって払うのが惜しいくらいさ)

ノビタ13「そのつもりだよ」

スネ夫「いいだろう。受けて立とうじゃないか」

スネ夫「でも、あのラジコンを着陸させるからちょっと待ってくれないかな」

ノビタ13「その必要はないよ」

ノビタ13「ガゥーン」

ビシッ!

ヒュ~~~…… ガシャン!

ノビタ13は空気ピストルで、ラジコン飛行機を撃ち落とした。

スネ夫「な!?」

スネ夫(ウソだろ!?)

スネ夫(100km/h近くで空中を飛んでるラジコンを、あっさり撃墜するなんて!)

スネ夫(しかも今日はかなり風が強いのに!)

スネ夫(こ、これが……ノビタ13!)


スネ夫に空気ピストルの銃口を向けるノビタ13。

スネ夫「ま、待ってくれ! ちゃんと漫画10冊、いや20冊払うから!」

ノビタ13「いったはずだよね」

ノビタ13「ぼく、依頼人のウソやインチキは許さないって」

スネ夫「ヒィッ! た、助けてぇっ!」

ノビタ13「ドキュゥーン」







終わり



のび太4.jpg



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ドラえもん「ジャイアンの夢」 [感動]

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1997年 剛田雑貨店

母ちゃん「はぁい、お待たせ。200円お返しだよ。奥さん、いつもありがとうね。」



ズズッ ズズッ

母ちゃん「! あっ、たけし・・・・・・」

ジャイアン「」

母ちゃん「・・・・・・おかえり。」

ジャイアン「・・・・・・ただいま。」ボソッ

ズズッ ズズッ

母ちゃん「あっ、た、たけし! 戸棚にみたらし団子」

ジャイアン「いらねぇ。」ボソッ しかし、軽度ではあるが、後遺症が残った。

右足をほんの少し、引きずってしまう。

日常生活においては軽度であっても、プロのスポーツ選手を目指す者にとっては致命的だった。

その上、他の部員より1年のブランクがある。

プロへの夢はおろか、部活のレギュラー復帰も絶望的だった。

夢は、完全に指の間をこぼれ落ちてしまった。



当時のジャイアンの落胆ぶりは、目も当てられないほどに痛ましかった。

家族、部活仲間、顧問、担任、のび太をはじめとする旧友達。

誰一人として、かける言葉を見付ける事ができなかった。

のび太はドラえもんに頼み、ジャイアンを励ませる道具を借りようとした。

しかし、

ドラえもん「道具を使えば、そりゃ、一時的には元気にする事もできるよ? けどね、それは応急処置でしかない。ジャイアン自身が希望を見出だして立ち上がらない限り、根本的な解決にはならないんだよ。」







ゴロン

ジャイアン「はぁ・・・・・・。」

学校から帰ると、自室の畳に寝転がって天井ばかり眺めていた。

机と本棚だけの殺風景な部屋。

かつて壁を埋め尽くしていたプロ野球選手のポスターやカレンダーは、全て捨てた。

『週刊 ベースボール』も捨てた。

もう野球中継も甲子園も見ない。

日常から野球を排除したかった。



ジャイアン「」

ジャイアン「・・・・・・お~れ~はジャイア~ン。ガ~キだいしょ~う。」

ジワァ

ジャイアン「うぐっ。て、て~んか・・・む~てき、の・・・ヒック。お~どごだ、ぜ・・・・・・」

ジャイアン「うっ・・・うっ・・・・・・」



ジャイアン「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


ジャイアン「Zzz・・・・・・」

ジャイアン「Zzz・・・・・・」

ジャイアン「んっ。」

ジャイアン「・・・・・・寝ちまった。」

ムクッ

ジャイアン「あっ、あ~。」

ジャイアン(もう夜か。ってゆうか何時だ?)チラッ

ジャイアン(午前1時か。随分寝たもんだなぁ。)

ジャイアン(飯食わなきゃ。それに風呂と歯磨き・・・・・・)

ジャイアン「」


ゴロン

ジャイアン「もう良いや、面倒くせぇ。」



ジャイアン「・・・もう全部、面倒くせぇ。」



カッチ コッチ

カッチ コッチ

カッチ コッチ

カッチ コッチ

カッチ コッチ

カッチ コッチ

カッチ コッチ

カッチ コッチ

カッチ コッチ

カッチ コッチ

カッチ コッチ

カッチ コッチ

カッチ コッチ

カッチ コッチ

カッチ コッチ

カッチ コッチ

カッチ コッチ

カッチ コッチ

カッチ コッチ

カッチ コッチ

カッチ コッチ

カッチ コッチ

カッチ コッチ

カッチ コッチ

カッチ コッチ



ジャイアン「・・・完全に目ぇ覚めちまった。」

ジャイアン(帰って来たのが4時だろ? そんで、市役所の5時の鐘を聞いたのは覚えてるから・・・・・・うわぁ、下手すりゃ8時間も寝てるじゃねぇかorz もう朝まで寝られそうにねぇなぁ。)


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ジャイアン(漫画はもう何回も読んだのばっかだしなぁ。かと言って、こんな時間に居間に降りてテレビ見るワケにもいかないし。)

ジャイアン「ん~。」

ジャイアン(そうだ、ラジオでも聞くか。)ゴソゴソ

ジャイアン(夜中だしヘッドホンを挿して、っと)グサッ

ラジオ「~さんからのリクエスト、お送りしました。さて、続いてのリクエストは、ラジオネーム・ブタゴリラさん。昨年リリースされ、既に『ジャパニーズヒップホップのクラシック確定』と話題の超問題作。」

ジャイアン(んだよ。ヒップホップかよ、つまんねぇ。『だよね~♪ だよね~♪』とか下らねぇんだよ。ロック流せよ、ロックをよぉ。ヒップホップなんて邪道だっつうの。)

ラジオ「LAMP EYEで、『証言』。」

RINO「要件1。投げんなサジ。ことの重要性理解してない腑抜け恥じな。マリアッチ。一番手は俺RINO。バンデラスよりもド派手に登場。」

ジャイアン(!?)

RINO「飲み込んでやるぜ大東京。行く先々で巻き起こす大騒動。大膨張し止まらない勢い。衝突は避けられない。平成8年。形勢は逆転。準備万端はっちゃけて行くぜ。」

ジャイアン(何だよ、これ・・・・・・)

YOU THE ROCK★「邪魔させん。割り込みはいけません。俺たちの文化着火MAKE A FIRE。電光石火かっ飛んできた。仲間と常に魂燃やし、焦がし、笑い、力となってく俺の肥やし。言葉の力俺の言霊がみなぎるパワー。うわー。真っ赤な目をしたフクロウ。俺登場。証言2放つ。」

ジャイアン(ヒップホップなんて邪道なのに・・・・・・)



G.K.MARYAN「敵は我なり。届けKAMINARI。狙いすました第三の証言。心にしまわず吐いたあの暴言。裏を返せばシネマのような名言。雑念ぶっ飛ぶ一直線。進むリズムに乗るこの光線の中、何小節かの旅。バッチリ、ガッチリ行きますか?」

ジャイアン(カッコイイ・・・・・・)

Zeebra「ハァ! 証言4番。大判小判に目眩み悪魔に魂売る奴のたくらみ。Mc DADDY気取りのボケ。HIP HOP使っていっちょ金儲け。ハン! 不純な動機。シーンに対すRESPECTなど放棄。俺のタケボウキで大掃除。暴走しかけたその張本人。よく聞いとけ。俺らコケにした奴。今時計が処刑の時刻を指す。」

ジャイアン(カッコイイじゃねぇか・・・・・・)



TWIGY「ハイ! 証言5。テンコ盛りの話要らねぇぜ。弁護連動無理ならば戦闘開始か。仕掛けるか。願えるか意思。お主、弱ぇし早ぇしコエーくらいドケチ。セージでも焚いてココロ開いてないね。大抵、喜んで御来店。ったくもう本音は冴えない改善。」

ジャイアン(すげぇ・・・・・・)

GAMA「時間がねぇよ。証言6。ウダダダ寝てられねぇぞ。動いてる。ジタバタしたってムム。ブルブル。レッドゾーン振り切る加熱。」

ジャイアン(これが、ヒップホップ・・・・・・)


DEV LARGE「煮えくり返る熱湯のごとく、氷のごとく冷たく落とす。HA! Bring damage Hit'ya 直撃。ポンコツ頭にゃチト難しい話。Fuckコケおどし。Fuck子供騙し。Real見えない遠視近視乱視達。Never立ち往生。Fuck for the love of money。怯まねぇ。怯むワケにゃいかねぇ。証言Seven。」

ジャイアン(ヤベェ・・・・・・)



ラジオ「深夜にふさわしい、Do~peなナンバーですね。僕も昨年、この曲を聴いた時は衝撃を受けました。ラジオネーム・ブタゴリラさん、どうもありがとうございました。お送りしましたナンバーは、LAMP EYEで『証言』でした。CMの後も、リクエストまだまだ続きます。」

ジャイアン「LAMP EYE・・・『証言』・・・・・・」



ジャイアン「すげぇ・・・・・・」









ジャイアン「俺も、こんなカッコイイ音楽、やってみてぇ・・・・・・」



Fin


ジャイアン2.jpg


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