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風間くんの甘酸っぱい子守。 [恋愛]





僕の名前は風間トオル。
ふたつ橋大学在学、テニスサークルに入ってる。
幼い頃から勉学に力を入れていた僕だけど、中でも英語には自信がある。

将来は父の様な、世界に出て仕事をこなす人になることかな。



風間「えっ、親戚の子の子守り?」

母「そうなの。どうしても面倒見る人がいなくてね…トオルちゃんしか頼れないのよ…」

風間「そっか…でもその日なら予定も特に無いし、大丈夫だよ」

母「本当?じゃあそう伝えておくわ。まぁ18時くらいまでだから、よろしくね」

風間「任せてよ、ママ」

どうやら遠い親戚のおじさんが亡くなったらしい。僕はあまり面識が無いので、葬儀には出なくても大丈夫だそうだ。

しかし、その親戚の家にはまだ2歳の小さな子がいる。
葬儀の当日はどうしても忙しいのでその日だけ面倒を見て欲しいそうだ。

~そして当日~

母「トオルちゃん!そろそろ出るわよ!」

風間「うん!今行く」

母「今日はお願いね。泣かしちゃだめよ」

風間「大丈夫だよ!中学生の時に職場体験で保育園に行ったことあるし、経験が無い訳じゃないからね」

少し長い前髪をかきあげながら自慢気に話す。

母「うーん…ま、トオルちゃんなら大丈夫ね」

風間「そういえば、その子の名前何て言うの?」

母「ユウキちゃん、だったかしら…ほら、昔ハガキが来てたじゃない」

風間「あ~あったあった!目が大きくてまん丸だった子だね」

母「よく覚えてるわね…記憶力が良いのね。流石だわ」

風間「あっ…う、うん!そうだね!ママ!!」

(どうしても小さい子は気になっちゃうんだよな…まぁ、ユウキちゃんって、男の子だな)

葬儀の会場も親戚の家。
僕もママと一緒に行って、ユウキちゃんを引き取る。

母「着いたわ」

玄関先にはすでに親戚の人が立って待っていた。

親戚のおばさん「風間さん、こんにちは!トオルくんも大きくなったわねぇ…」

風間「こんにちは、今日はしっかりとユウキくんの面倒を見させて頂きます」

おばさん「まぁ…頼もしいわ♪でも、男の子じゃなくて、ごめんなさい…ほら…」

「え?」と風間くんと母は首を傾げた

ユウキ「こんに…ちは…」

おばさんの陰からひょこっと顔を出した子がユウキ。
ハガキの写真通り、目は大きくてまん丸だ。

しかし、髪は長くツインテール。
可愛らしい水色のワンピースを着ていた。

おばさん「夕日の夕に、希望の希で、夕希よ。よろしくね。」

母「あらやだ、ごめんなさい…勘違いしてましたわ…」

風間「僕も…勝手に男の子と決め付けてしまいました…ごめんなさい」

おばさん「いいのよ!よくあるもの…ユウキなんて男の子の方が多い名前だし。ま!とにかく今日はよろしくね♪」

風間「はっ、はい!」

母「じゃあ、18時からここで皆で夕食も頂くから、それまでに帰ってくるのよ」

おばさん「お願いね~助かるわ~♪」

風間「夕希ちゃん、行こっか」

夕希「いや…」

おばさんの服をぎゅっと掴んで離さない。

おばさん「こら!ママはこれから忙しいの!今日はお兄ちゃんに遊んでもらうのよ?」

夕希「やぁの…」

おばさん「まいったわ…もぅ…」

風間「あっ、ちょっと待ってください!」

風間はポケットから一枚のカードを出した。

ュアプリのキラキラレアカードだ。

夕希「あっ!きゅあぷりぃー!」

風間「これあげるから、お兄ちゃんと遊ばない?」

夕希「うん!いーよ」

おばさん「いいの?高いんじゃない?」

母「あら、いつ買ったの?」

風間「い、いや!これ貰い物なんだ!今日もしかしたら使えるかなって思ってさ!」

おばさん「なんだか気を遣わせちゃったかしら…ありがとうね」

風間「いえ、そんな事は…」

母「トオルも考えててくれたのね、よかったわ」

風間「はは…じゃ、夕希ちゃん行こっか!」

(ロリコンって思われちゃうとこだった…このカード3枚持ってるからあげてもいいなんて言えない…)

夕希「ママまたねー!!」

………
……


風間「ふぅ…なんとかなりそうだな」

(それにしたって…可愛いなぁ…////昔好きだった魔法少女もえPのはづはづにちょっぴり雰囲気が似てるなぁ////)

風間「夕希ちゃん、キュアプリ好きなの?」

夕希「うん!しゅき~」

風間「どのキュアプリが一番好き?」

夕希「ぴーすきゅあぷり!」

そう言ってピースキュアプリの変身ポーズを真似て見せてくれた。

風間「すごい!上手だね~!」パチパチ

夕希「えへへ…///ゆーきは大きくなったらね、きゅあぷりになるんだよお!」

風間(うおおおおおおお////可愛いよ!可愛いすぎる!!!!///)

「そっ、そうだ、夕希ちゃんは今何歳?」

夕希「あした!あした3さい!」

風間「明日?!それはおめでたいね~…お兄ちゃんからプレゼントあげようか?」

夕希「ほんと?!やったぁ!お兄ちゃんやさしい!」

風間(あー本当に可愛い///明日は7月7日…七夕か。だから夕の字を名前に使ったのか…)

風間「えへへ…じゃあサトーココノカドーでも行こうか」

夕希「うん!いくー!」

「…お兄ちゃん…?」

風間「どうしたの?歩くの疲れた?」

夕希「お兄ちゃんはお手て、にぎってくれないの?」


ズキュゥゥゥウウウウン!

風間「あっ、ごめんね、忘れちゃってたね。はい」

夕希ちゃんの手を優しく握った。
少しだけかがまないと繋げないのが辛い…

でも、なんだかすごく嬉しい。夕希ちゃんの手はとっても小さくて…あったかかった。

風間「さ!ついたよ!」

夕希「やったーやったー!」

さっそくおもちゃ売り場に向かう

風間「どれが欲しいのかな?」

夕希「うーんとねー、これ!」

そう言って指差したのは

風間「キュアプリなりきりセット?」

(服だけじゃなくて、道具とか小物とか全部そろってるんだぁ…すごいや///)

「そっか、どれどれ…値段は…」

(げっ!一万六千円??!ちょっとこれは買えないな…)

夕希「お兄ちゃん…だめ?」

(ああああ…そんな眼差して見られたら…///)

風間「えーっとね、うーんと…あっ、夕希ちゃん、このお洋服はもう少し大きくならないと着られないよ?だからさ、こっちにしたら?!」

とっさに近くにあった、ピースキュアプリのカチューシャを取った。

夕希「あ!こっちでもいいよぉ~!」

風間「よかった…」

さっそくレジに持っていって、一応ラッピングしてもらった。

風間「はい、お誕生日おめでとう」

夕希「ありがと!あけていい?!」

風間「えっ、あ、いいよ!」

(ラッピング無駄だったかな…)

夕希「じゃあこっち!こっち!」

夕希ちゃんにグイグイと腕を引っ張られ、エスカレーターに乗った。

風間「どっどこ行くの?」

夕希「こっちなのー!上だよー!」

風間(上…?)

着いたのは屋上だつた。

風間「上って屋上の事かぁ…」

夕希「こっち!こっち!」

近くのベンチに誘導された

夕希「えへへ…ここゆーきのイス!」

風間「そうなんだね」

ベンチに座り、さっそくカチューシャを出す夕希ちゃん。

包装紙をベリベリと剥がすと思っていたが、きれいに包装紙から取り出して、折り畳んだ。

風間「わぁ…夕希ちゃん偉いね!きれいに畳めてすごいなぁ」

夕希「そうでしょ!ママが教えてくれた!」

風間(なんて良い子なんだろう…//)

なんか日本語変ですみません。


夕希「ねーねー!これ、つけて!」

カチューシャを風間に渡す

風間「いいよ」

夕希ちゃんにカチューシャをつけて、髪型を少し整えてあげた。

風間「はい、できたよ」

夕希「ありがとー!お兄ちゃん!」

ぎゅっ

風間(だ…抱き付かれた…////可愛いよおお!)

「えへへ…あは…どういたしまして…//」

夕希「お兄ちゃん、お顔がまっかだよ?」

風間「えっ?!うそ…はは…あ、暑くなってきたのかな!……あ!夕希ちゃんソフトクリーム食べようか?!」

夕希「えっ、いいのー?!たべる!たべたい!」

風間「(なに小さい子に動揺してるんだ僕…)じゃ、買ってくるからそこに座っててね」

夕希「はーい!」

ベンチから数歩程離れた売買に向かった。

「いらっしゃいませ!」

風間「えっと…ソフトクリームが1つと、オレンジジュース下さい。氷抜きで」

「かしこまりました!」

風間(もう13時か…これ食べたら軽くご飯食べに行こう)

「お待たせしました、またお待ちしております」

風間「どうも…」

「夕希ちゃーん!買ってきたよ!!」

夕希「やったあ!ママに自慢できる!」

「ママー!…ママ?あれ?」

夕希「ママいないよー?なんで?」

風間「ママはお家だよ?」

夕希「なんで?なんで?ママ…うっ…ママぁ…うわあぁぁぁん!」

夕希ちゃんは泣き出してしまった。

風間「ええっ?!うそ…どうしよう…」

夕希ちゃんの頭を撫でてみたりしても「嫌だ」と手を跳ね返されてしまう。

それと同時に手に持っていたソフトクリームを落としてしまった。

夕希「うわあぁぁぁん!ぞぶどぐりーむ゙ううううう!!あーん!!」

風間「うそ…どうすればいいんだよぉ…」

夕希「びえぇぇぇええええ!!」

どんどん鳴き声が大きくなってきた

風間「うわあ…泣きたいのは僕だよぉ…」

(あれを出すしかない…)

「夕希ちゃん!見て!ピースキュアプリの激レアカードだよ!!(これは僕が四回目の大人買いをしてやっと手に入れた特別なカード!これで大丈夫だ!)」

夕希「うっ…ぴーす…あ…ママあああああ!!ママー!!!あーーー!!」

風間「ええっ!?このカードがダメならどのカードならいいんだよぉ!」

大きくなる泣き声は周りの人の注目を集めた。

『ちょっと…なにあれ…』
『誘拐…?』

風間「これじゃあ誤解されちゃう…」




「ちょっと!なにしてるの??!!」


風間(あ…僕は…終わった…)

?「んもー!なんでこんなに泣いてるのに放っておくの?」

風間「いや…僕は…」

いきなり来たその人は、夕希ちゃんの手を握りしめて、「大丈夫、大丈夫だよ…」と慰めた。

夕希「うぅ~…ぐすっ…」

?「落ち着いたかな?鼻かむ?」

夕希「ん…」コク

?「はい、ちーん!」

夕希「ちーん!ふわ…ひっく…」

どうやら泣き止んだようだ。

?「ジュース、ください」

風間「へっ?あ、これ?」

オレンジジュースをその人に手渡した。

ぽかーんと二人を眺める事しか出来ない自分が恥ずかしかった。

風間「あっ、あの…!」

?「なんですか?」

風間「ありっ、ありがとうございます」

?「これくらい、大丈夫です…それより、誘拐とかじゃないですよね…?」

風間「違います!!親戚の子なんです!!」

?「そう…ならいいんですけど…泣き止んだし、私そろそろ」

夕希ちゃんに「ばいばい」と言ってその人は歩き出した。

風間「あ、あの!!」

?「今度はなんですか?」

風間「(やばい…ちょっと怒ってる)お礼したいんですけど…!あの、お昼ご飯ごちそうさせてください!!」

?「いや、そういうのいいんで…」

夕希「お姉ちゃんとご飯食べたい…」

風間「あ、あの!夕希ちゃんもそう言ってるんで…」

夕希ちゃんはその人に駆け寄り抱きついた。

?「な、ちょ…(か、可愛い~///)」

風間「あの…」

?「仕方ないですね…お昼だけですからね」

風間「わぁ!ありがとうございます!」

夕希「ありがとーござます!」

風間「あ、あの、あなた売店の方ですよね?」

?「そうです。まだ制服なんで…ちょっと着替えなきゃいけないので、ここで待っていてもらえませんか?」

その人は深くかぶった帽子を取った。

その人はショートカットがとても似合ってた。
目鼻立ちがよくて、色白だった。

風間「…きれい……」

?「じゃあ、すぐ戻るので…」

夕希「きれいなお姉ちゃんだったね!」

風間「んあ…え、あ、うん、そうだね!」

(あんなにきれいな人初めて見た…)

10分くらいしたらその人は戻ってきた。

?「お待たせしました」

風間「あ、いや!」

夕希「おねーちゃん!」

また抱きついた

?「あらあら、どうしたの?(この子めっちゃ可愛い…////)」

風間「そういえば…お名前伺ってなかったですね…僕は風間トオルです。今は大学四年生です。」

?「あ、そうですね。私はユウキです。専門学校通ってます。2年生です。」

夕希「ゆーきはゆーきだよ?」

ユウキ「え?」

風間「あ、その子も夕希って名前なんです!」

ユウキ「そうなんだ!お名前一緒だねぇ」

「なんだか嬉しいな♪」

にこにこ笑うユウキさん。

風間(笑うと、もっときれいだな…///)

ユウキ「この子の名前はどういう漢字で書くんですか?」

風間「あ、夕日の夕と、希望の希です!七夕が誕生日だから…多分…」

ユウキ「じゃあ明日誕生日なんだぁ…おめでとー♪」

風間「あの、あなたは…」

ユウキ「私?私はそのまま…勇気だよ。」

風間「courage?ですか?」

勇気「英語…発音良すぎてちょっと分からないですけど…多分合ってますよ(なんだこいつ…頭いいのかな?)」

風間「(発音褒められた///やっぱ僕って優秀なんだなぁ…)はは、そっか!」

「そうだ、なに食べに行こうか?この辺りで夕希ちゃんも行けそうなのは…、ファミレスか、回転寿司か、中華料理かな…?」

夕希「ゆーき何でも食べられる!」

風間「じゃあ、勇気さん決めてください」

勇気「あ…じゃ、じゃあ…ファミレスでいいですか?」

風間「わかりました。じゃあ行きましょう」

夕希「おこさまらんちー!」

三人で手を繋ぎながらファミレスに向かった。

勇気「夕希ちゃん、スキップして…楽しそう」

風間「そうだねぇ…でも本当、勇気さんがいて良かったです」

勇気「はは…でも、あたし夕希ちゃんが可愛くてついてきちゃった感じです…えへへ…」

勇気は苦笑いをした。

「いらっしゃいませ!デニズーへようこそ!」

風間「三人なんですけど…出来ればボックス席がいいのですが…」

「では、こちらへどうぞ!」

窓際のボックス席に誘導された。

夕希「ちっちゃいいす…ない…」

風間「あ!借りるの忘れちゃった…」

勇気「わたし借りてきますねっ!」

風間「ああっ!僕が…」

(行っちゃった…なんか僕、男らしくないっていうか…頼りないっていうか…)

夕希「ありがとー!」

風間「ごめんね、なんか色々と…」

勇気「いいですよ、大丈夫」

風間「う、うん…じゃ、じゃあ、なに食べようか?好きなの頼んで!」

夕希「おこさまらんちー!ぱふぇー!」

勇気「なんでもいいんですか?」

風間「もちろん!」

勇気「いっぱいでもいいんですか?」

風間「…?たくさん食べていいよ?」

(こんな華奢な子だし、少食なんだろうなぁ…)

勇気「じゃあ…決まりました!」

ピンポーーン…

「お待たせしました、ご注文お決まりですか?」

風間「お子さまランチと、カルボナーラのサラダセットと…」

勇気「私は、ハンバーグのAセットで、あと季節のサラダと、たらこパスタとミニドリアで…」チラッ

風間の方を見た。

風間「へ?あ、あ、あとドリンクバー2つで!」

「か、かしこまりました!お子さまのドリンクバーは無料ですので、ご自由にどうぞ!」

勇気「ドリンクバーいってきますねー、なに飲まれます?」

風間「あ…コーラで…」

勇気「わかりました。夕希ちゃん、一緒に行こうか♪」

夕希「いくー!」

風間「勇気さんって…よく食べるんだなぁ…すごいや…」

(痩せの大食いってやつ?…本当にいるんだー…)

窓からの景色を眺めながらぼーっとしていた。

(ん…?あ…短冊だ…)

すぐ近くの商店街の文房具屋では、明日の七夕に向け、竹に短冊をつけられるイベントを行っていた。

(結構大きい竹を使ってるなー!すごくきれいだし…後で行ってみようかな…)

勇気「お待たせしました~っ」

風間「あ、ありがとうございます」

勇気「あの、私、年下ですし、敬語じゃなくても大丈夫ですよ?」

風間「あぁ…そっか!専門の二年生ってことは、二十歳?」

勇気「そうです。風間さんは、二個上ですよね」

風間「そうだよ。ふたつ橋大学の四年生さ」

勇気「(そこまで聞いてねーよw)わぁ!ふたつ橋大学なんて、すごいですね!」

風間「ははっ、まぁ、幼い頃から母にしつけられてきたからね…」

勇気「そうなんですねぇ~(やばい変な人かも…)」

「失礼します。こちら、お子さまランチのおもちゃ、お一つお選びください」

勇気「あ、夕希ちゃんどれにする?」

夕希「んーとね、んーとね、これ!」

プラスチックのパズルを選んだ。
無言でもくもくと遊び始めた。

風間「すごいなぁ…」

勇気「熱心で、可愛いなぁ」

風間「あ、そういえば、勇気さんって名前…女の子でその漢字使う人初めて見たなー」

勇気「あー…そうですよね!私も会ったことないです」

風間「なにか理由あるの?」

勇気「深い理由は無いんですよ!ただ、親が愛と勇気って言葉が好きなだけで…ははは」

風間「じゃあ愛にすればいいのにね」

勇気「そうなんですけど、姉がいて、愛っていう名前なんです。次は男の子!って思ってたらしいんですけど…女の子だったんで…」

「まー結局、そのまま勇気になったんですよ」

風間「そうなんだね~…でもさ、ステキな名前だよね」

勇気「(えっ…ドキッ…)いや…」






「お待たせしました!セットのサラダとスープです!」

風間「あっ、どうも…」

勇気(なんでこんな変な人にドキドキしたんだろ…)

風間「夕希ちゃん、僕のサラダ少し食べる?」

夕希「………」

風間「ははは、パズルに夢中だ…」

ニコニコ笑う風間。

勇気(……あ……///)

風間「どうしたの?暑い?こっち暖房あんまり当たらないから席交換しようか?」

勇気「へ…あ…いや!なんでもないです!大丈夫です」

風間「気を使わなくていいからね、交換したいとき言ってね」

勇気「ありがとうございます…」



「お待たせしましたー!」

頼んでいた料理が次々ときた。


風間「夕希ちゃん、ご飯きたよ?」

夕希「うん…まだ…」

風間「ご飯の時はパズルだめだよ?」

夕希「いまはご飯いらない…」

風間「だめっ!」

夕希ちゃんのパズルを取り上げた。

夕希「ゆーきの…返して!」

風間「ご飯食べたら返します」

「ご飯の時は遊びながらはダメなの!夕希ちゃんなら分かってくれるよね?」

夕希「うぅ…」

勇気「風間さんちょっと言い過…」
夕希「わかったぁ…」

風間「いい子だね」

夕希ちゃんの頭を撫でた

夕希「えへへ…///」

風間「じゃあ食べようか」

勇気「へぁ、あ、はい!いただきます!」

(良いとこあるじゃん、ただのナルシストかな?)

風間「勇気さん…かなり食べますよね…」

勇気「えっ、あ…へへへ…よく言われます…」

風間「いつもそのくらいは食べちゃうの?」

勇気「うーん…今食べてる量と、あとパスタ二皿ならいけますね…モグモグ」

風間「(うわっ…すごいな…いけますって…)へ、へぇそうなんだぁ~」

勇気「食べるの好きなんですよねぇ~」

………



風間「ふぅ、ごちそうさま」

夕希「ゆーきも全部食べた!」

勇気「ごちそうさまでした。風間さんありがとうございます」

風間「(えっ!もうあの量たべちゃったの??!!)あ、うん!どういたしまして!」

夕希「甘いの食べたい…」

勇気「あっ!それなら、美味しいクレープ屋さん、すぐそこにあるんですけど行きませんか?」

夕希「くれーぷ!食べるー!」

風間「じゃあ、行こっか(すごい胃袋だ…)」

会計を済ませて店を出た。

勇気に着いていく。クレープ屋さんは文房具屋の向かいにあった。

風間「あれ?こんなお店あったっけ?」

勇気「先週できたばっかりです!すーごく美味しいですよ!生地がモチモチしててぇ~…」

風間「そうなんだぁ!」

お腹はいっぱいだが、美味しそうな甘い匂いを嗅ぐと食欲がわいた。

風間「あ…でも、僕らは夕希ちゃんと半分こしますね。18時には夕飯なので…」

勇気「そっかぁ…じゃ!私のオススメ買っちゃうので、ちょっと待っててください」

勇気「どうぞ!」

イチゴがたくさん入ったクレープを2つ買ってきた

夕希「わーい!おいしそうー!」

風間「本当だぁ…!」

さっそく夕希ちゃんに一口食べさせた

夕希「んー!!おいひぃ!」

風間「僕も食べよ!」モグモグ

「本当だ!すごく美味しい!」

勇気「えへへ…あたしもう三回も来てるんです…」

風間「でも、こんなに美味しいなら通っちゃうよ…また行きたいな」

夕希「ゆーきもー!食べたい!」モグモグ

勇気「あっ、夕希ちゃん、クリーム付いてるよ?」

勇気「今ふいてあげるからね」

そう言ってハンカチで夕希ちゃんのクリームをふいた。

風間(わぁ…///なんか絵になるなぁ///)

勇気「私にもクリームついてますか?」

風間「(見すぎた!)いや、ついてないよ!大丈夫!」

「あ、そうだ!食べ終わったらさ、そこで短冊書いていかない?!」

勇気「あ、実は私も気になってたんです♪」

夕希「ゆーきもー!」

風間「じゃあ、行こっか!」

食べ終えた三人は文房具屋まで歩く。

風間「近くで見ると迫力あるっていうか…結構大きいなぁ…!」

勇気「本当ですね!それに飾りもきれい…」

夕希ちゃんは笹に触れようとぴょんぴょんとジャンプして楽しそうだ。

勇気の言う通り、飾りもきれいだ。
流石文房具屋さんはきれいな折り紙などを使っている…

店員のおじいさん「おやおや、お嬢ちゃん書いていくかい?」

夕希「かく!かく!」

勇気「私たちも書いていいですか?」

おじいさん「いいよ、好きな短冊を選びなさい」

短冊はきれいな千代紙でできていた。

夕希「きれい!ゆーきこれ!」

ピンク色の短冊を選んだ。

勇気「じゃあ、私はこれ…」

風間「僕はこれにしよ」

勇気は黄色、風間は青い短冊を選らんだ

風間「夕希ちゃん、文字書けるの?」

夕希「ゆうきだけ書ける!でも、あとは分からない…」

風間「じゃあ、書けないところは僕が書くね、お願い事教えてくれるかな?」

夕希「んーとね、んーとね!おじいちゃんといっぱいあそべるように!! 」

「おじいちゃん、ずっと病院いたからあそべなかったの…」

風間「えっ…」

夕希ちゃんの言うおじいちゃんとは、先日亡くなったおじさんの事だ。

風間「夕希ちゃん…わかった!そう書くね」

(本当にこれでいいのかな…)

勇気「浮かない顔してますよ?」

風間「あ…いや、ははは…」

夕希「おにーちゃーん!はやくー!」

風間「あっ、あ…の…あ…」

勇気「…夕希ちゃん、夕希ちゃんは大きくなったらなにになりたいの?」

夕希「え~?ん~?キュアプリだよ?」

勇気「そっかぁ…それならキュアプリになりたいって書かない?おじいちゃんと遊べないならさ、お姉ちゃんとお兄ちゃんが遊んであげるよ?」

夕希「うぅ~ほんと~?」

勇気「本当だよ…指切りげんまん」

「「うーそついたらはりせんぼんのーます!」」

夕希「えへへ…キュアプリにする~!」

風間「そうだね!今書くね!」

(よかったぁ~!救われたよ…あのまま書いていたら嘘ついてるみたいで、いい気しないし…)

早速書いて夕希ちゃんに名前を書かせた。

勇気「風間さんはなんて書くんですか?」

風間「僕は…これ!」

『父の様な人間になる』

勇気「わぁ…なんかすごいですね!!」

風間「僕は父を本当に尊敬しているんだ。勇気さんは?」

勇気「私ですか…?私は…」


『日本一のエステティシャンになる!!』

風間「エステティシャンになりたいんだね!すごいよ!」

勇気「いやぁ…そんな…」

夕希「えすてししゃん?」

勇気「エステティシャン…夕希ちゃんが大きくなったら、してあげるね♪」

夕希「うん!うん!」

風間「エステが分かってるのかなぁ…はは」

勇気「わかんない…ふふ。でも、私こんな笑顔が見たくて、エステティシャンになりたいなって…」

風間「ついでに僕のママもきれいにしてあげてよ」

勇気「えへへ、安くしますよ~♪」

風間(なんか、楽しいなぁ~…落ち着くし…)

勇気(さっきママって言ったような…いや、絶対言った。風間さんてナルシストでマザコン?w)

短冊を付けて、時計を見た。

風間(やば…もうそろそろ帰らないと…少し早めに帰った方がいいよね…)


女「あ、あの~」

女性に声をかけられた

風間「はい?」

女「もしよかったら、写真とってくれませんか?」

風間「もちろん。いいですよ」

女「よかったぁ!」

男「嬉しいね!」

夫らしき人からデジカメを受け取った。男女は竹の前に並びピースをした。

風間「はいチーズ」

女「ありがとうございます!…見て見て!笹の飾りもこんなにきれいに写ってるわ!」

男「本当だぁ~!七夕のいい思い出ができたね!」

勇気「あっ…もしよかったら、私たちも撮ってくれませんか?」

夕希「しゃしんとるー!」

風間「写真なら僕が…」

勇気「三人写らなきゃ意味無いですよ!」

勇気は女性にスマホを渡した。

女「ほらほら、撮りますよ~っ!」

勇気「風間さん、ピース!」

風間「あっ、うん」

カシャッ

風間(女の子って本当に写真好きだなぁ…)

勇気「ありがとうございます!」

女「こちらこそありがとう♪写真撮ってもらえてよかったね、ヨシリン♪」

男「優しい人たちでよかったね、ミッチー♪」

ヨシリン「あっ、そろそろ帰って夕飯の用意しよ!ミッチー」

ミッチー「そうね、今日もヨシリンに喜んでもらうために頑張るわ!」

ヨシリン「ミッチー…愛してるよぉ~」

二人は帰っていった。


勇気「なんかすごい人てした…」

風間「うん…まぁ、いい人達みたいだったから…はは」

夕希「ねぇねぇ、まだママに会えない?」

風間「しまった!そろそろ帰らなくちゃ!」

勇気「えっ!本当ですか?!あの!写メ送ります!」

風間「えっと…じゃあ、僕のアドレス簡単だから口頭で言っちゃうね」

「kazama…………」

勇気「おっけーです!じゃあ後で送りますんで!」

風間「今日は色々とありがとう」

勇気「こちらこそ…なんだかんだ楽しんじゃいました!」

夕希「お姉ちゃんまたねぇ!!」

風間「じゃ!」


風間たちは夕希ちゃんの家に帰っていった。


風間「なんとか間に合いそう…夕希ちゃん、今日は楽しかった?」

夕希「すーーごくたのしかった!きゅあぷりもかってもらったし…お姉ちゃんともあそべたし…」

風間「よかった。また遊ぼうね♪」

夕希「うん!ぜったいだよぉ~!」

風間「うん」にこにこ

(あー本当に小さい子は無垢で可愛いなぁ…)


……………
……


夕希「ただいまーっ!!」

おばさん「おかえり。トオルくん、ありがとうねぇ」

「あらっ!なにこの頭の!?買ってもらったの?!」

夕希「うん!お兄ちゃんがくれたの~」

おばさん「んもー…何から何までありがとうねぇ」

風間「いえ、ほんの気持ちですよ」

おばさん「本当ありがと。あ!ご飯できてるから、手洗ってらっしゃい!洗面所あっちだから!」

風間「はい、お借りします…」





チャララーーン♪



風間「あ、メール…」


件名:勇気です

本文:今日はありがとうございました。夕希ちゃんにもよろしく伝えておいて下さい!

またクレープ食べましょうね!


風間「また、クレープ…食べましょうね…////」

(これってデートのお誘い?!やっぱ僕モテるなぁ~////)

風間は添付されている写メを見た。

(よく撮れてるや………////勇気さん…やっぱりきれいな子だなぁ…///)


母「トオルー!まだなのー?!早くいらっしゃーい!!」

風間「わっ!!!(ま、ママか…)い、今行くよー!!」

(へへへ…今日は楽しかったな…)


風間はその写メを待ち受けにした。


(また、会えますように。)



勇気「ふー…」

(バイト終わって、こがん時間まで遊ぶなんて思わんかった…)

(あたしも帰ろ…)

勇気も自宅に向かった。

(…でも久々に楽しかった…初対面の人とあがん仲良くなるのなんか無いけんねぇ)

(真面目な人やったなぁ…マザコンぽいけど…)


----プルルルルル----プルルルル



勇気「もしもし?なん?」

愛「おー!勇気!元気でやっとっと?!」

勇気「まぁ、ぼちぼちー」

愛「あれー?なんか今日機嫌いいんじゃなか?なんばしよっと?」

勇気「なーんもなか!バイト帰り!」

愛「えー?なんか嘘くさ~!あ、もしかして好きな人でも出来たと??」

勇気「そがんこと無か!!もー
!姉ちゃんこそ何で電話してきたと!」

愛「あ、夏休みとか帰ってくるかなー??って!いつ帰る?」

勇気「それならお母さんにメールしたばい。知らんと?」

愛「知らん!まぁ、帰ってくるっちゃけんね、好きな人の話せろな!」

勇気「だからー!」愛「じゃ!」

ツー…ツー…ツー…

勇気「切りよった…」



勇気(姉ちゃんは…まったく…)

自宅に着いた勇気。

ガチャ

(ふー…疲れたぁ…明日の実習の準備せんば…)

(…メールもせんば!忘れんうちにしよ!)

(今日は…ありがとう…ございます………………うーん……また、クレープ…食べましょう…って書いとくか。社交辞令、社交辞令)

(写メ添付…)

「よしっ!完了」


メールを送り終えた勇気は、ピクチャーフォルダを開き、さっきの写メを見た。

(お!きれいに写ってるやん!…夕希ちゃん、マジ可愛い~////)

(…風間さん…………よく見たらかっこいいかも…ちょっと)

(長崎帰って戻ってきたらお土産でもあげようかね…)

勇気はその写メを待ち受けに設定した。

「さ!明日の準備しよ!」



終わり

風間トオル.jpg







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名無し

あいちゃんの妹....
by 名無し (2014-03-25 17:07) 

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